O2O元年、企業の注目は”スマホアプリ”に

O2O元年と言われる2013年。スマホアプリを用いたO2Oに多くの企業の注目が集まっている。AR(拡張現実)やGPSの技術も使い、顧客の満足度の向上や囲い込みを加速させようとしているのだ。今回は、スマホアプリのO2Oビジネスをレポートする。

 

企業が注目するスマホのO2Oアプリとは?

■無印良品(良品計画)

 

クーポンや、モバイル会員、チェックイン機能をポイントと連動させることで顧客の囲い込みを行う。クレジットと連携させることで、さらにネットストアでも買い物ができるようになり、顧客にとってはいたれりつくせりのサービスを提供している。

                        

■ジーユー(ファーストリテイリング)

ブランディングツールとして位置づけており、毎月キャンペーンを実施。ARを用いた宝探しとクーポン取得を連動させた企画やスマホの音声認識を用いて著名人の壁紙を提供するなどしている。スマホを用いたアプローチで“20代女性”の心をつかむということを徹底させ、その後にオンラインストアやクーポンとの連動による店舗への誘導という導線を描いている。

 

■マクドナルド

マクドナルドは、新しいマーケティング手法としてアプリを用いている。スマホからクーポンを提供することで、顧客の購買履歴とリンクさせる。これにより、顧客に好みに応じたクーポンを提供しているようだ。例えば、月一回の来店頻度の客にはコーヒー無料クーポンを発券して来店を促したりしている。

                                       

■ユニクロ(ファーストリテイリング)


一方で、ユニクロは6つのアプリを展開。カレンダー、目覚まし、着こなし、タイマーなど基本的な機能が多い。報道によると、ユニクロがアプリを開発する目的は、グローバルレベルでの認知が目的であるとのこと。世界中のだれでも共有する生活シーンを切り口に、ユニクロアプリにより認知を拡大させたいとの思いがあるようだ。

 

■日本交通

またサービスの効率化にもスマホアプリが一役買っている。日本交通では、タクシーの配車サービスにアプリを利用。アプリのGPS機能を使うことで、ピンポイントでの迎車を可能にしている。また事前に登録してしていれば降車時に支払うことなく、画面を運転手に見せるだけでネット決済が出来るシステムを運用している。現在では、配車サービスの10%はこのアプリによるものだという。

 

■ユニバーサル・スタジオ・ジャパン

USJは、来場者向けにアプリを提供。AR機能を使ってエリア毎に違うキャラクターが現れる写真が撮れる仕組みを提供したり、またアプリ内の電子マネーの機能を使い決済が出来るような仕組みを提供している。

 

まとめ スマホと普及と利用時間の増加が企業関心に影響か

 小売やサービス業界において注目されるO2O。企業は、顧客を囲い込むために、自社メディアとしてスマホアプリを用いる例が多く見られている。また、コミュニケーションの取り方としてウェブから“スマホアプリ”に移行しているようにも見える。

 そのスマホアプリが注目される要因としては、日本のスマホ保有率が約40%となった(博報堂DYホールディングス)ことや、インターネットの利用時間におけるスマホの割合が昨年比2倍の35%になっている(ニールセン株式会社)ことも挙げられる。

 スマートフォンが確実に企業に、新しい顧客囲い込みの手法として認知され、今後もその幅をきかせていくことは確実だと考えられる。