あなたの話は、相手にとって面白い話ですか?企業SNS担当者の苦悩

ソーシャルメディアを運用する企業担当者の方々にお話をお伺いする機会が多いのですが、多くの方が同じような悩みを抱えていらっしゃるようです。
大枠ではFacebookページのタイムライン運用に関するもので、その中でも特に、投稿ごとの「いいね!」数や「コメント」数といったエンゲージメントに関するものと、投稿する記事をどうすればいいのかという“ネタ”に関するもの二つに分類されそうです。

今回のソーシャルメディアインサイトではそういった悩みを打開するための、ソーシャルメディア運用の基本的なスタンスについて考えてみたいと思います。

その話は本当に聞きたくなる話ですか?

企業のソーシャルメディア活用の前提として、既存のサービスを利用して、そこにいる個人ユーザーに向けて情報を発信しコミュニケーションを行っていくという点があります。

つまり、Facebookページのような企業アカウントページ上だけで完結せず、個人ユーザーのニュースフィードにもその記事が配信されるという形式になっています。友達や他の企業の投稿に混じって、自社の記事も配信されています。

多くのユーザーはFacebookページに「いいね!」する際に、そのFacebookページに訪れますが、実はそれ以降、ほとんど訪れることはありません。
例えば、その指標として、Facebookページのインサイトで見ることができる「ページビュー」と「新規いいね!」を見てみるといいでしょう。多くの場合、ページビューと新規いいね!が連動する形で推移しています。新しくページを見たユーザーが「いいね!」しているという、客観的な流れを見ることができます。

そう考えると、Facebookにおける企業活動の中心となるのが、ユーザーのニュースフィードに配信されるタイムラインへの投稿です。
そこで重要になってくるのは、Faebookページで投稿した情報がユーザーにとって、魅力的なものであるかという観点です。

多くの友達の話に混じる、あなたのFacebookページの投稿は、本当にユーザーにとって聞きたくなる魅力的な話でしょうか?
実は、この視点での試行錯誤を繰り返していくことが、魅力的なFacebookページを作り上げるための方法とも言えるのです。

ユーザー(消費者)目線でのPDCAサイクル

魅力的な話かどうかを判断する指標として、「いいね!」や「コメント」の数が大きな判断基準となることは間違いありません。当然、面白い投稿であれば多くの「いいね!」が付きますし、自発的にコミュニケーションしたくなったユーザーは「コメント」を投稿します。まずは、こういったユーザーの反応を見ることで、魅力的な投稿なのかどうかを判断していくことをお勧めします。

とにかく、ユーザー視点を忘れず、客観的にどういう風に自社の投稿が捉えられているのかを認識しておくことが重要になります。しばしば、客観的な視点が欠如した、一方的に伝えたい情報だけを発信する企業ページもありますが、ユーザーからの反応が良くないケースが殆どです。

より細かな分析を行うとすると、投稿をいくつかのカテゴリーに分け、どのカテゴリーの記事が反応がいいのかを見ていくと、求められる投稿の傾向が分かりやすいと思います。
あまり細分化すると大まかな流れを掴みにくくなりますので、例えば「社員紹介」や「製品の使い方」といった、連載に近い大カテゴリーを設定するといいでしょう。
次からは、その反応が良かった記事と悪かった記事を客観的に判断して、次回以降の投稿を企画していくことができるようになります。

実は、こういった投稿のPDCAサイクルを回していくだけで、冒頭の企業担当者の悩みの多くは解決されていきます。
ユーザーがどういった情報を求めているのかを検証し、発信する情報の精度を高めていく。シンプルですが、これに勝るものはありません。
自ずと、エンゲージメント率も高まっていきますし、発信するべき“ネタ”についても明確になっていきます。

ソーシャルメディア運用で悩んだ時は、客観的な視点、ユーザーからの視点を中心にしたPDCAサイクルを取り入れてみてはいかがでしょうか。