金曜日のソーシャルメディアインサイトをお送りします。※今日はわけあって木曜更新です。アクトゼロの黒沼(@torukuronuma)です。
今日は株式会社エス・キューの運営する非公式LINE情報ブログ「LINEナビ」の全文パクリ記事問題についてお送りします。ちなみに、うちもやられてました。
問題の概要
問題を知ったキッカケは、こちらの記事でした。
ブログ記事がsque Inc.の「LINEナビ」に丸パクリされた話 | しゅうまいの256倍ブログ neophilia++
やまもといちろうさんもYahoo個人ニュースで取り上げていましたね。
(前略)まだまだしばらくLINEバブルは続きそうですが、そのおこぼれに預かろうとする輩も雨後の竹の子のようにどんどん出てきています。「非公式」とつければそれで許されるのかというとそんな訳ないだろうとは思いますが、こんなのもありました。
これ、何がひどいかというと、LINE関連ニュースとして掲載されている記事が全部、どこかの記事の全文転載なんですね。さすがに商用サイトでこれはアウトでしょう。単なるパクリですからね。
さて、 かいつまんでご説明すると、このLINEナビと言う一見ブログのようなサイトは、LINEに関連するネット記事を、様々なブログやニュースメディアより全文転載し構成されているサイトです。しゅうまいさんのブログ以外にも、イケダハヤトさんも被害を訴えてました。その他許諾を得ているかわかりませんが、他にもざっと見ただけで個人ブログ系では「表参道で働くシニアのブログ、Hello,My Innocent、iPhone女子部」などなど、メディア系では「ナタリー、MarkeZine、INTERNET Watch、ITmedia」などなどLINE関連の記事が全文転載されています。しかもこのサイトで運営会社の株式会社エス・キューは広告収入を得ているのですよね…。どれくらい稼げてるんでしょうか?
僕たちの会社「アクトゼロ」でもソーシャルメディア関連の記事を書いているので、「まさかな…」と思ってサイト内検索かけてみると、まんまとやられていました。
LINE人気の震源地層の人間が何を考え使っているか? | LINEナビ http://linenavi.jp/news/802
(念のため魚拓) http://megalodon.jp/2013-0403-1746-36/linenavi.jp/news/802
元記事:LINE人気の震源地層の人間が何を考え使っているか? | ACTZERO – 株式会社アクトゼロ
もちろん事前に会社までご相談いただいたことはありませんし、今回のしゅうまいさんの記事を見るまではまで、全く気づきませんでした。しかもよりによって、弊社取締役の妹の写真が乗ってる記事です。
「ズル」はバレて、ネットによって「審判」がくだされる
というわけで残念なLINEナビのことは一旦おいておくこととして、なぜ「パクリが割に合わないか」です。
ソーシャルメディアの普及で、「情報の発信者」が増えたということはよく言われていますが、同時に「伝播する経路」が増えたということも理解しておかなくてはいけません。巧妙に行ったパクリでも、たった一人にでも見つかれば、今回のように大々的に共有され、拡散され、アーカイブされていきます。今回のしゅうまいさんの記事がソーシャル上で多くシェアされた結果、Googleの検索結果は次のようになりました。
検索ワード「LINEナビ」
LINEナビ自体の検索順位より、しゅうまいさんの告発記事が上位に現れています。(ちなみにGoogleのパーソナライズド検索を使っていない「素」の検索順位です)LINEナビをどっかで知った利用者がいたとして、これではサービスのブランドがた落ちです。
それだけではありません。しゅうまいさんの告発記事タイトルに「sque Inc.」が含まれていることが影響して、運営会社の英語表記「sque Inc.」の検索順位もこのようになってしまいました。
検索ワード「sque Inc.」
こちらも「素」の検索順位です。さすがに最上位ではありませんが、十分「sque inc.」で検索した人には今回の事件が、目にとまることとなります。このままシェアが進めば、2位か逆転1位もありえそうです。
このように、ソーシャルメディア上での拡散がきっかけとなって、検索結果や、関連情報としてネガティブニュースが語られ、結果として企業ブランドの崩壊が一瞬でおきます。ズルはバレて、その不誠実な企業姿勢は、いずれみなの知る部分となってしまうのです。
LINEナビを運営する株式会社エス・キューの事業内容を見るとソーシャルメディア上のプロモーションが主要ビジネスのようで、「ブログ、twitter、Facebook、スマートフォンなどと連動した広告プロモーションやキャンペーンを展開しています。twitterやFacebookの運営代行もお任せ下さい。」とありますので、このあたりの危機管理は当然ご存知なのではないかと思うのですが…。
アクトゼロの記事を無断転載したことはともかく、今回の事件は、ソーシャルメディアがシェアやリツイートなどの拡散を通して、ネットの自浄作用を促進しているのだということの好例なのだと思います。末筆となりましたが、株式会社エス・キュー様におかれましては弊社アクトゼロの記事と弊社取締役の妹画像の削除をよろしくおねがいいたします。
黒沼(@torukuronuma)
※追記 発端となったしゅうまいさんがまとめを作られていました。こちらもぜひご覧ください。
LINEとは無関係の「LINEナビ」によるブログ記事丸パクリがひどいと話題に – NAVER まとめ
※追記(2013/04/04 15:00) 先ほど株式会社エス・キュー様より、弊社あてにお詫びのメールをいただきましたので、弊社ではこれ以上本件についての追求を行うことはありません。