Facebookページアプリのスマホ対応は棘の道

Facebookで独自のメニュータブ(コンテンツ)を追加する場合、アプリという形で実装します。自身のことを振り返ってみるとよく分かりますが、SNSとスマートフォンという関係は切っても切れません。

しかし、スマートフォンのFacebookアプリでは、独自に追加したメニュー(アプリ)を見ることはできません。そこで、アクトゼロでは、いくつかの方法を試行錯誤して、スマートフォンでの閲覧も実現しています。今回は、Facebookページアプリのスマートフォン対応の難しい点を、お話ししたいと思います。

いいね!を獲得するためのファンゲートを使う

Facebookページにオリジナルのコンテンツを作る大きな理由としては、シェアを増やしてFacebookページの「いいね!」を増やしたいというものが多いと思います。一時期乱立した診断系のコンテンツや占いコンテンツなど、ユーザーを巻き込んで広がっていく狙いがありました。その際に、Facebookページに「いいね!」をしないと参加できないものが殆どで、ユーザーは参加するためにFacebookページに「いいね!」する必要がありました。いわゆる「ファンゲート」と言われるものです。

いいね!を押して参加

Facebookページアプリをスマートフォンで閲覧させる場合、タイムラインにシェアしたURLからアプリに直接遷移させる流れを取ります。しかし、アプリをURLから直接起動させてしまうと、上記のファンゲートが使用できません。そのため、アクトゼロでは疑似的にPC版のFacebookページ内のコンテンツを表示することで、ファンゲートを機能させています。

ただ、PC版Facebookページを表示させているために、可読性やナビゲーションは著しく低下してしまいます。
そのため、「いいね!」を獲得する以外の目的を考えている場合は、スマートフォン用の外部アプリを作る方が、ユーザーにとっては優しい作りとなります。

iPhoneは端末のスペックとOS、そしてFacebookアプリのバージョンを考慮

続いて頭を悩ませるのは実機での確認・デバッグになります。

Android

まず、Androidは比較的多くの端末で、安定した動作を行う傾向があります。Facebook公式アプリが外部アプリを、ブラウザを立ち上げる形で実行します。Androidブラウザの許容量が大きいため、あまり不具合が起きるケースは無い印象です。ただし、古い端末になると端末自体のスペックに左右されるので、直近の端末に限定してしまう方が安全であると言えます。

iPhone5

一方のiPhoneは、端末のスペックとOSのバージョン、そしてFacebook公式のiPhoneアプリのバージョンが複雑に絡み合っています。
経験上、iPhone5とiPhone4Sは、OSのバージョンとFacebook公式アプリのバージョンに関わらず安定的に動作します。この2機種のOSのバージョンは6、もしくは5です。

iPhone4

しかし、さらにさかのぼったiPhone4の場合、正常に利用できないケースがいくつか発生しました。当然、表示させたいアプリごとに不具合の内容が異なるのですが、正常に動作しない要因として考えられるのが、まずiPhone4自体のスペックの問題です。次に考えられるのが、iOSのバージョンです。iPhone4のプリインストールされているバージョンはiOS4でした。そして、最後にFacebook公式アプリのバージョンです。Facebook公式アプリは、常にアップデートし最適化されています。iOSのバージョンが古いまま、Facebook公式アプリも古いまま、でも、アプリはFacebookの最新技術仕様で作ってしまう・・・という時差が生まれてしまうことで、正常に不具合になってしまうのです。

また、iPhoneの場合、Androidのように外部のブラウザを立ち上げてアプリを表示するのではなく、Facebook公式アプリ内のブラウザで表示されるため、アプリ間のパラメーターの受け渡しができなかったり、ブラウザキャッシュの問題で表示が不安定になったりします。iPhoneのSafariでは正常に動く…ということもあり、実際にこのようなケースにはまってしまうと、かなり大変・・・。

上記端末の中でiPhone4に関して言うと、すでに2年半前の端末であるということを考慮して、対応端末から除外することが必要かもしれません。もしくは、OSとFacebook公式アプリが最新のバージョンであることを条件としてもいいかもしれません。

Facebookの公式発表では、スマートフォンを含めたモバイルを強化する流れは生まれています。それは、モバイル用の広告であったり、Facebookページ専用の管理アプリであったり…。その中で、Facebookページアプリの位置付けも大きく変化する可能性があります。ただ、ユーザー思考が高まっているFacebookでは、こうした企業側面での技術アップデートは、優先順位が低いかもしれません。そうなると、やはり今ある技術仕様の中で試行錯誤して、取り組んでいかなければなりません。果てしない棘の道は、まだまだ続いていきそうです…。