動画広告

データで読み解く”動画広告”の今

今日、Web広告の手段として一般化された「動画広告」。スマホユーザーのオンライン動画視聴が拡大していることを背景に、動画広告の市場もここ数年で一気に伸長しています。バナー画像広告と比べ、ビジュアルと音声でよりリッチな表現で商品やサービスを紹介することができることが理由の一つだと考えられます。今日は各種データを基に、動画広告の現状についてまとめてみようと思います。

前年度比163%の市場規模 2023年には2016年の4倍以上に

サイバーエージェントの調査によると、2017年の動画広告市場は1374億円に達し、前年2016年の842億円と比べると、163%の市場規模に拡大しました。この流れを牽引した、スマホ動画広告は1000億円を突破し、動画広告市場全体の約8割を占めました。これは前年比190%もの成長にあたります。

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今後も中長期的にこの傾向は伸長することが予測され、2019年には2000億円を、2022年には3000億を突破し、2023年には3485億円に達することが予測されています。これは2016年の4倍以上の数字であり、驚くべき規模の市場拡大が見込まれています。

若年層から支持されるYouTuber動画と市場拡大

ニールセンの「動画コンテンツと動画広告の利用動向調査」によると、ネット上で視聴する動画のコンテンツ別の時間シェアでは、全体ではTV番組が32%と最も高い割合になっていますが、10代の若い層に注目すると、「YouTuberが投稿した動画」が40%と最も支持されているコンテンツとなっています。

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フォロワーやファンを多く抱える投稿者に、商品やサービスをPRする内容を投稿してもらって情報拡散を狙う「インフルエンサーマーケティング」が一般化されていますが、特に若年層にリーチしたい広告の場合、YouTuberによる動画拡散の施策が有効と考えられます。こうしたYouTuber動画市場も堅調に成長しています。

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サイバーエージェント子会社のCA Young Lab・デジタルインファクト共同で行った調査によると、2017年の国内YouTuber市場は、前年比約2.2倍の219億円規模まで成長したと推計しています。YouTube広告収入以外の収入も含まれていますが、今後もYouTube広告を軸に市場規模の拡大が見込まれており、2019年には2017年の約2倍の400億円、2022年には約2.6倍の579億円規模に達すると予測されています。

動画広告の効果

動画広告の市場が拡大し、人気が高まっていることは分かりましたが、具体的にその効果について見てみましょう。

こちらの記事によりますと、ある広告プロジェクトで、「通常バナー(PC)」「通常バナー(SP)」「動画バナー」を出稿した結果をCTR(クリック率)で比較すると、以下のような数値が見られたのだとか。

「通常バナー(PC)」と「通常バナー(SP)」に比べると、「動画バナー」のCTRが高いことが分かります。つまり、動画広告は従来の広告よりもより結果が出る広告だったわけです。

当社アクトゼロが運用する広告でも同様の傾向が出ています。先月、あるECストアのFacebook広告プロジェクトで、被写体が共通した静止画写真と動画を同じタイミングで出稿してCTRを比較してみたところ、やはり動画の方が高いCTRを出していました。

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赤枠の上が、静止画バナーによる広告でCTRは1.40%、赤枠の下が、動画による広告でCTRは1.94%でした。前出の記事ほど極端な違いではありませんが、同じ方向のクリエイティブでも静止画よりも動画の方が結果を出していることが分かります。他の機会の広告プロジェクトでも同様な傾向の結果が出ていました。こうした傾向があることから、最近、FacebookやTwitterなどのサービス提供側も動画広告を推奨しています。

また、前出のニールセンの調査によると、多くのユーザーは動画広告の視聴による態度変容経験があると回答しています。

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全体では、「知るきっかけになった」が45%、「好きになった」が21%、「購入した」が17%となっています。年代別で見てみると、10代・20~30代前半の若年層ほど、平均よりも割合が高くなっていることが分かります。KPIがあやふやな、ブランディング目的で動画広告を展開することが多い中、認知獲得・好意の形成・購買などといった具体的な意識変容・行動などのような結果にも寄与することがうかがえます。

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動画広告は、静止画バナー広告と比べ、伝えることができる情報量が多い分、効果的にユーザーにPRすることが可能です。そしてスマホによる動画視聴の傾向とそれに伴う動画広告の成長は今後も続くことは間違いありません。特に、若い世代に対して訴求したい商材を扱う広告主の皆さんにとりましては、こうした動画広告を活用したマーケティング活動は益々重要になっていくと考えられますので、今のうちにキャッチアップし、実践・検証していくことが重要だと思います。