最近のFacebookのトレンドとして、企業アカウントの運用に関しては自社内のスタッフで実施する傾向が高まってきていると言えます。
通常のWebサイトの運用のようにアウトソースするケースももちろんあるようです。しかし、ソーシャルメディアの特性を考えると、実際にその企業で働く方が担当する方が理にかなっていると言えると思います。
実はFacebookでは、一般ユーザーが利用するスマートフォン用Facebookアプリとは別に、Facebookページを管理するためだけのスマートフォン用アプリもリリースしています。リリースから少し時間は経っているのですが、何度かのアップデートを受けて安定してきています。そこで今回は、このアプリは企業の
Facebook担当者の強い味方になりうるのかを考えてみたいと思います。
このアプリでできること
まず、このページアプリで何ができるのかをまとめてみましょう。
①近況アップデートの投稿、写真の投稿
アプリ上から近況の投稿と写真の投稿が行えます。近況のアップデートは、日時の指定を行うことができますので、今すぐの更新でなくても登録しておくことが可能です。
一方、写真の投稿は、スマホ端末内の写真を利用するか、新たに撮影することを選択できます。しかし、こちらは日時指定ができませんので、投稿したタイミング=投稿時間ということになります。機能としては、この①が最も多く使うのではないでしょうか。
②クーポンの発行
クーポンを発行できるFacebookページでは、アプリ上からも発行できるようになっています。クーポンの設定や画像のアップロードなど、発行に必要な機能が提供されています。頻繁にクーポンを発行することはないと思いますが、スマートフォンからも発行することができます。
③メッセージのやり取り
Facebookページのメッセージのやり取りができます。送られてきたメッセージの対応を行うことができますが、急ぎのやり取り以外ではあまり使う機会がなさそうではあります…。
④管理人
管理人の一覧を見ることができます。細かな権限の設定などはできないようです。
⑤インサイト閲覧
簡易的なインサイトを閲覧することができます。いいね数や話題にしている人、そして、その推移をグラフで見ることができます。
Facebook上でのキャンペーンやFacebook広告を出しているときなど、いいね数が気になる際にはうれしい機能です。
⑥設定
設定といっても、細かなFacebookページの設定ができるわけではありません。Facebookページの通知をプッシュしてくれるかどうかの設定になります。
緊急用ツールとしての利用が現実的か
では、実際のところどうなのでしょうか。個人的な感想をまとめてみました。
①必要最低限であるが操作性に限界がある
投稿関連や簡易的なインサイトなど、必要最低限の機能は備わっていると言えます。しかし、スマートフォンというデバイス上で行うため、投稿の作業効率やより多くの機能を必要とするアクションを行う場合には向いていません。当たり前といえば当たり前ですが、あくまでもスマートフォンという物理的な限界が存在します。
②ライブアップデートには向いている
ただ、新商品発表会というような、リアルなイベントの場からのライブアップデートには向いていると言えます。スマートフォンで撮影した写真の投稿がスムーズに行えることを考えると、有効な活用方法のひとつだと考えられます。
③緊急の投稿対応や削除に
やはり、誤った投稿の削除や訂正を投稿するといった、急を要する対応にはぴったりでしょう。外出中でもスマートホンの電波が入る場所であれば、緊急対応ができるということで、もしもの時の保険として心強いです。
このように、必要充分とはいえ限られた機能に絞られているという点を考慮すると、あくまでもサブ的な位置づけのツールであると言えます。
ただ、Facebook専属の担当者がいる企業は非常に少なく、多くの業務を抱えてる担当者にとってはスマートフォン上である程度の機能が使える点は大きな武器になると考えられます。つまり、複数の業務の中の一つとしてFacebookを担当している方にとっては、他業務の合間や外出先でもチェックでき、緊急時に対応できるこのアプリは非常に心強いと言えます。ただ、何度も繰り返すように、あくまでもスマートフォンのデバイス的な限界に依存しますので、PCでの管理をメインにしつつも、サブとしてスマートフォンを活用するというのが間違いなさそうです。
もちろん、このオフィシャルアプリ以外にもいろいろな管理ツールがありますので、そういったものを検討してもいいかもしれません。