こんにちは、アクトゼロの山田です。今年後半のトピックスとして注目なのは、様々な企業が続々とリリースを始めた「音声アシスタント」搭載のデバイスではないでしょうか?今のところスピーカーの形態を取っているものが主流であるため「スマートスピーカー」と呼ばれており、今後私達の生活を大きく変える可能性を秘めています。
今回は、そうしたスマートスピーカーが生み出す次世代のライフスタイルを企業はどう捉えるべきか、その辺りを少し考えてみたいと思います。
スマートスピーカーとは何か?
まずは音声アシスタントを搭載したスマートスピーカーとは何かというのを、簡単におさらいしてみたいと思います。平たく表現するならば、ユーザーが話しかける声をトリガーとして、さまざまな機器を制御したり、必要な情報を収集してユーザーにフィードバックするAIといえるでしょう。当然、声や音でコミュニケーションを取ることになるため、スピーカーだけでなくマイクも内蔵しています。
こうしたスマートスピーカーの代表格として、「Amazon Echo」が挙げられます。これは、米Amazonが他社に先駆けてリリースしたもので、音声アシスタントの「Alexa」が搭載されています。今のところ日本では未発売ですが、年内の発売がアナウンスされており、すでにプレ予約も始まっていることから、間もなく買えるようになるでしょう。
他にも、すでに日本で購入できるスマートスピーカーというところでは、Googleの「Google Home」やLINE「Clova Wave」があります。「Google Home」ではすでにスマートフォンなどでもおなじみの音声アシスタントが搭載されており、知りたい情報の検索や天気・ニュースなどといった基本的な機能が充実しており、一方の「Clova Wave」は音声でLINEのメッセージを送ったり、赤外線を使ったテレビの操作ができたりするという、日本発の製品らしい特徴を備えています。
今後は、Apple社もスマートスピーカーの発売を予定していたり、GoogleやAmazonの音声アシスタントを搭載したサードパーティ製品も登場したりすることから、この分野の盛り上がりはまだまだ続きそうな状況です。
まずは「音声」という切り口
こうしたスマートスピーカーの分野をビジネス視点で見た時に、どのように捉えるべきかというのを考えてみましょう。まず企業として考えるべきは、やはり、「音」や「声」を通じて自社のサービスを提供できるかということではないでしょうか。
実際、こうしたデバイスが発売されて、いち早く対応したサービスというのは、音声で伝えられるコンテンツを持っている企業や業界でした。例えば、放送業界(放送局)は、すでにサイマル放送で流している番組を音声アシスタント向けに提供を始めており、最新のニュース等を配信しています。こうした音声として自社のサービスを提供できるかどうか、というのが第一の視点と言えます。
ただ実際のところ、音声で自社のサービスは提供できないよ…という企業がほとんどだと思いますので、第二の視点を持つ必要があります。それは、スマートスピーカーを広告媒体として捉えるという視点です。
動画をイメージしてもらうと分かりやすいのですが、目的の動画を再生する前(プレロール)や再生中(ミッドロール)に動画広告が流れるという、あのような形態です。
つまり、音声でのコミュニケーション機会が増えるに従って、その音声情報の前後等に広告を流すことが可能になると考えられます。イメージとしてはラジオCMが近いと思うのですが、スマートスピーカーの場合、ユーザーの話しかけた内容によって嗜好性や興味関心を把握することができますので、精度の高いターゲティング広告を接触させられるようになると考えられます。
この視点であれば、あらゆる企業にとってマーケティングの機会としてスマートスピーカーを捉えられるといえるでしょう。
このように、音声という比較的レガシーな形態のように思われますが、オンラインに接続しているだけで、マーケティングの新たな可能性を感じることができます。
まだまだスマートスピーカーが一般化しているとは言えない状況であるため、マーケティングで活用出来るようになるのは、もう少し先になりそうな状況ですが、着実に生活に密着するものとなっていくでしょう。
そうした未来を見据えて、このあたりの動向は常に抑えておきたいところです。
アクトゼロ / 山田