Twitter広告の透明性が進化?出稿側・受け手側にもメリットが

Twitter・Facebook・InstagramなどのSNS広告は、ユーザーが登録している属性情報を基に、自社商品やサービスに興味・関心があるターゲットに対して的確に出稿できるという点が出稿側にとっての利点があります。逆に広告の受け手側にとっては、SNS利用中に表示される広告が自分に興味・関心があるもののため、比較的、広告に対する嫌悪感なく、場合によっては自分が能動的に収集できなかった有益な情報ともなり得る、といった点が長所かと思います。

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ですが、「なぜこんな商材の広告が、自分にターゲティングされているのだ?」と疑問を持つ広告も少なくありません。特に私個人的には、最近は大分改善してきた気もしますが、Twitter広告にその傾向が多くあるように感じています。(出稿時にFacebook・Instagramよりも細かなターゲティングができないことが起因していますが。)

しかし、今後、Twitter広告に対して、受け手側であるユーザーからアクションができるようになるようです。

広告のトランスペアレンシー(透明性)センターの提供
利用者の方々が広告の透明性を把握できることを目的に、今後数週間のうちに、業界をリードできるようなトランスペアレンシーセンターの提供を始めます。これにより、利用者の皆さんが、誰が広告を配信しているかや広告の詳細を把握し、広告に関するフィードバックをTwitterに送れるようになります。
(Twitterベストプラクティス「Twitter広告の透明性に関する新しいご報告」2017年10月24日)

この、トランペアレンシーセンター(Advertising Transparency Center)でユーザーが把握できる、Twitter広告に関する詳細は以下の項目になります。

・プロモーションのみ(ターゲットユーザーのみに表示する広告)のツイートを含むTwitter上の全ての広告
・広告が配信されている期間
・広告に関するクリエイティブ
・自分がターゲティングされている広告、どのような情報によってターゲティングをされているか

そしてユーザーは、自分がターゲットでない場合でも、不適切だったり、好ましくない広告のフィードバックを送ることもできるようです。このフィードバックを通じて不適切な広告を排除して、ユーザーにとって最適な広告を配信することに繋げることを目的としています。

政治(選挙活動)広告

政治に関する広告に関して、政党もしくは当該候補者をであることを明確に表示しなければならず、政治広告であると見た目でもわかるように表示も変更する予定とのことです。

トランスペアレンシーセンターでユーザーが把握できる、政治(選挙活動)Twitter広告に関する項目は、前述の通常の広告よりも詳細になるようです。

・広告用ツイートを含むTwitter上で配信中もしくは配信された全ての広告
・広告主の広告費の詳細
・広告キャンペーンを支援している団体を明確に表示
・ターゲティングされたデモグラフィック情報(年齢、性別と地域)
・広告主の政治広告費の過去全てのデータ

ポリシー違反をした広告主へは厳格な罰則(具体的な内容は明示されていません)が与えられるとのことなので、より慎重な運用が必要なってきます。

こうした動きは、昨年の米大統領選へのSNS上のフェイクニュースが選挙結果に少なからず影響を与えたことによる批判を受けて講じたものです。

2013年4月に、日本でもようやくインターネットを利用した選挙運動が解禁され、現在ではすっかり、選挙期間でも政党や候補者に関する情報をWebを通して見聞きするのが定着しました。先週の日曜日に行われた衆院選でも選挙運動期間に、選挙に関するツイートやSNS広告を大分目にしたかと思います。

与党である自公が2/3以上の議席を獲得して圧勝の一方、希望の党の失速も影響し、結党間もない立憲民主党が野党第一党に位置づける躍進ぶりも注目されました。選挙運動の中で、立憲民主党はTwitter専門のチームによって情報発信に力を入れ、アカウント開設から3日の間で、他の政党のフォロワー数を上回らせたことも話題になりました。枝野代表も自ら、Twitter効果を期待以上と語っています。(参考:朝日新聞DIDITAL「立憲・枝野代表、ツイッター効果「期待以上だった」」2017年10月23日)

Twitterの透明性を上げるために設けられる「トランスペアレンシーセンター」。明らかに自分はターゲット外であるTwitter広告をユーザーからのフィードバックを通し、その精度を上げようとTwitter側は考えているようですが、これにより、出稿側・受け手側ともに意味のある広告キャンペーンが展開されたり、政治に関する虚偽情報の排除に繋がることを期待したいですね。