僕らがソーシャルキャンペーンを企画する時に考えていること

今まではこのソーシャルメディアインサイトでは、どちらかというとソーシャルメディアアカウントの立ち上げや運用についてお話しすることが多かったと思います。ただ、実際のところ我々アクトゼロは、アカウントの開設や運用のみならず、企業のプロモーション活動の中で、ソーシャルメディアをどう活用していくのか、そのプランニングを多く手掛けています。
そこで、ソーシャルメディアを導入したキャンペーンをプランニングする際に、基本となる考え方をこっそりとご紹介します。

2つのコアになる考え

我々がソーシャルメディアを活用したキャンペーンを企画する際には、細かいところを色々と練り上げていくわけですが、中でも重要な項目として捉えている点が2つあります。

①とにかくシンプル…分かりやすい内容でフローを最小限に収める
面白いキャンペーンを目指して、他社とは一線を画すものにすべくあれやこれやと考えているうちに、気が付くと何やら複雑な内容になってしまうというはよくあるパターンです。キャンペーンが複雑にあればなるほど、キャンペーン参加のためのフローが多くなり、途中で離脱する参加者も多くなってしまいます。また、全体像が掴みにくいために、参加自体をためらってしまうことも容易に想像できます。

また、FacebookやTwitterが一般的な認知度を高め、その裾野を広げている現状において、すべての人がSNSやWebでの操作に慣れている訳ではないということも自覚しておくべきです。

ソーシャルメディアを活用するためには、参加者が自身のアカウントを使う必要があるため、どうしても省けないフローというものが存在します。その他の部分で単純化して、いかに面白い企画を立てることができるのかが、非常に重要だと考えています。

②ソーシャルグラフを活用…参加者の“主体性”を演出する
ソーシャルメディアを活用するということは、参加者がSNS上で繋がっている友達にシェアするという“拡散”性を期待するのは当然です。そのためには、SNS上での繋がり“ソーシャルグラフ”を活用することが重要だと考えています。自身のソーシャル上での繋がりをキャンペーンにおける演出として取り入れることで、キャンペーンの“主体性”が高まり、参加意欲とシェアするモチベーションに繋げていく狙いがあります。

このソーシャルグラフの活用は、主にリッチなソーシャルグラフを持つFacebookを活用する際に重視しています。参加者の属性や友達等、Facebookから取得できる情報を元に組み立てていきます。

このように、ソーシャルメディアを活用したキャンペーンでは、いかに分かりやすくシンプルに参加者のモチベーションを挙げていくかという点を重視することでシェアを促進させ、“拡散”を生み出していきます。

実際のキャンペーンプランをご紹介

それでは最後に、Facebook上でのキャンペーンのプランニング例を一つご紹介します。これは、クリスマスやバレンタインといったイベントをターゲットとしたもので、ソーシャルグラフ上での繋がりを中心に据えています。

アクトゼロでは「おねだりキャンペーン」フォーマットと呼んでいるもので、参加者はソーシャルコネクト(Facebook)を行い、いくつかの質問に答えると“おねだり”できそうな人を診断し、おねだりしたい“商品”を選択して、Facebook上で“おねだり”するという“おねだり”だらけのフォーマットです。

このキャンペーンのシェア内容として、おねだりした人(参加者)のタイムラインには、誰におねだりしたかは明かされず、おねだりされた人のタイムラインには、参加者(具体的な名前)からおねだりされたことが投稿されます。おねだりした方は、誰におねだりしたかは知られずに、おねだりされた相手にだけ知らせることができる仕組みになっています。


このフォーマットも前項の2点を念頭に、企画を考えています。

①“おねだり”という分かりやすいフォーマットを活用
名前でどういった内容かを把握できるようにし、目的を明確にしています。

②“おねだり”するための相手をソーシャルグラフと連携
実際にFacebook上で繋がっている人を巻き込むことで、参加者一人のキャンペーンから、参加者+相手という二人のキャンペーンに組み上げています。

このように、細かい部分の演出や魅せ方は、個々にチューニングする必要があるとは言えますが、根本的な考え方を芯に据えることでしっかりとしたキャンペーンへと昇華させています。ソーシャルメディアを使う意味”拡散性”を念頭に置きながら、“フォロワーの獲得”“商品認知度のアップ”といったキャンペーンの目的を達成するために、ぜひこのポイントを重視してみてください。