SNSでの情報発信、リッチコンテンツの通信量は意識するべき?

こんにちは、アクトゼロの山田です。
昨今のインターネット事情と言えば、家や職場でデスクトップ端末からアクセスするというよりは、場所や時間に縛られないスマートフォンやタブレットから利用する人が多くなってきています。そのため、家や職場であれば固定回線を経由することが殆どですが、外出先ということでLTE等の無線回線での利用が主流です。そうした回線の利用においては、契約しているプランによって通信量(パケット量)の制限があることから、データ容量の多い動画閲覧など、リッチコンテンツに対して神経質になっているユーザーも少なくありません。

一方、企業としてはSNS等の活用が増えてきている中、動画コンテンツの発信はもはや定番の手法となっており、データ容量に敏感なユーザーとの温度差が徐々に大きくなってきているのではないかと思っています。こうした状況の中、積極的にリッチコンテンツ取り組むべきかどうか、企業としてどうするべきか考えてみたいと思います。

サービス側も通信量等を考慮した仕組みを提供

まず、企業がコンテンツを投稿し発信する場所を提供しているサービス側の状況を見てみましょう。


例えばTwitterは、つい先日、通信量を軽くした「Twitter Lite」というものをリリースしています。基本的な考え方としては、通信環境が悪いユーザーでも快適にサービスを利用するための機能となっているのですが、「通信環境が悪くても閲覧できる=データのやり取りを極力少なくする」という仕組みであることから、一般のユーザーにとってはその機能はそのまま通信量の節約に繋がるわけです。

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モバイルのデータ量をより軽減するためにデータ節減モードも追加しました。このモードではまず画像や動画をプレビューで表示し、フルロードしたいものだけを選ぶことができます。これにより、最大70%のデータ量を軽減でき、モバイルデータが高額になってしまう地域でもTwitterをより手頃にご利用いただけるようになります。

現にオフィシャルのリリースでは、「データ節減モード」と呼ばれる機能も実装されており、不必要な通信が発生しないように配慮された設計が取られています。この「Twitter Lite」は、アプリでのリリースではなく、Webブラウザを経由して「https://mobile.twitter.com/」にアクセスすることで、すぐに利用可能なものとなっており、地域や環境に左右されにくい点も特徴となっています。

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他のサービスでも、Facebookはニュースフィード上に流れてきた動画をどのように処理をするのかをユーザー設定によって決めることができます。ここで、画質を落としたり、自動再生をオフにしたりすることで、不要なデータ通信を削減しようとする機能が提供されています。

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ちなみに、Facebookは2015年から「Facebook Lite」という通信環境が悪い国向けのAndroidアプリをリリースしてることはあまり知られていません。日本では通信環境が悪い国に該当しないため、ほとんど話題になることはありませんでしたが、世界中に多くのユーザーを抱えるFacebookのようなサービスでは、こうした視点で各国のユーザーの状況に合わせた機能提供は、ユーザーを獲得すつためには、もはや欠かせない状況なのかもしれません。

無駄を省き、目的を持った情報発信が全て

このようにサービス側が一定の機能を提供する状況の中で、それを利用して情報発信などを行う企業は通信量についてどう考えるべきか、当然ユーザー視点はもちろん、他社の動向を元に自社の方針を決めるべきだと考えます。

まず、ユーザー目線といった面では、受け取るユーザーがなるべく負担にならないように、発信するコンテンツの容量(通信量)を認識するに越したことはありません。とは言っても、企業側としては動画コンテンツでしか表現できないものもありますし、複数の写真を使わなければ伝えられないものもあります。では、どうすればよいかと言うと、不要な投稿を減らす、もとい無駄な投稿の乱発は避けるという考え方です。

例えばTwitterはタイムラインの流れが非常に速いため、以前は同じ内容だったとしても何度も繰り返し投稿してフォロワーにリーチさせるというのが、よくある運用手法でした。しかし、タイムラインが時系列意外の表示方式を導入したことで、今はユーザーにとって重要だと考えられるものを上位に表示するようになっています。そういった流れを考慮すると、数を打つのではなく、一回当たりの質を向上するというのが正しい運用の形です。

そして、もう一つ、他社の動向にもしっかりと目を向けなければなりません。他社がリッチコンテンツを使っている中、自社だけでテキストと簡単な写真だけというのは、どんなに魅力的なテキストを作ったとしたとしても、見栄えの面では劣ってしまいます。そうなると、他社の投稿の中に交じった自社のコンテンツをしっかりと見てもらうためには、それなりに作りこんで目に留まるようなリッチなコンテンツの準備は欠かすことはできません。

このように見ていくと、いずれにせよ、昨今のデジタルマーケティングのトレンドにおいては、動画などのリッチコンテンツは無視できない存在です。であれば、そのコンテンツをどういった目的で発信をするのか、そして、その投稿頻度はどれくらいがいいのか、スケジュールも含めてしっかりと定めておくことで、無駄な情報発信を無くべきだと考えられます。

当然、サービス側としても、企業のマーケティング活用を意識していますので、コンテンツ容量を極端にネガティブに捉える必要はないのかもしれません。ただ、動画があるから投稿しておこうという短絡的な行動は、一部のユーザーにとってマイナスと捉えれらることも十分に考えられるのです。

アクトゼロ / 山田