インサイトで企業利用が拡がる!?Facebookがプッシュする360動画

こんにちは、アクトゼロの山田です。
まだまだ爆発しているとは言えない状況ではあるものの、Facebookのニュースフィードを眺めていると定期的に「360動画」を目にするようになりました。360動画は、360度の全方位を撮影した動画のことで、動画の再生中にユーザーがスマホを傾けたり、ドラッグしたりすることで、視点移動できる仕組みを持っています。

例えば、旅行関連のFacebookページでは景色のよい場所を撮影したもの、自動車メーカーのFacebookページでは車のインテリアを撮影したものなど、それぞれの企業ごと特色を活かし、新たな商品やブランドを訴求する方法の一つとしてすでに活用が始まっています。当然、まだまだ数が少ないことから、ユーザーの目に留まりやすいこともあって、多くのエンゲージメントを獲得する傾向が強いように感じます。

運用を後押しする「インサイト」機能

Facebookは、リリースした機能を常にアップデートを重ねていく姿勢を取っています。この360動画も、そのスタンス通り、リリースされてから現在まで、細かなアップデートがされています。中でも注目なのが、インサイト機能の充実が挙げられるでしょう。配信コンテンツのインサイトと言えば、Facebookページの投稿インサイトがすぐに思い浮かぶとおり、コンテンツのリーチ数から始まって、投稿のクリックやいいね!やシェア等のエンゲージメント数が定番の分析項目となっています。

 

今回、360動画のインサイト機能の目玉としてアップデートで追加されたのは、「ヒートマップ」という項目です。ヒートマップはWebサイトの分析ではおなじみの通り、ユーザーのアクティビティ(動線など)を可視化するもので、非常に素晴らしいアイデアのように思います。

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ヒートマップは、360度動画の中で視聴者の注目が最も集まった場所を特定するインサイトツールです。視聴者が最も長い時間見ていたポイントを示す機能を持ち、動画で注目を集めた「ホットな」場所を色で視覚的に示し、ビジュアルマップとして提示します。

ユーザーにその操作を委ねられるという意味で、360動画のアクティビティを分析するのはとても大変な作業のように思われます。しかし、このヒートマップという昔からの手法を用いることで、分かりやすく且つ、具体的にユーザーの行動を分析することができるようになったと言えます。こうしたしっかりとしたデータを収集できるようになったことで、今後より一層、360動画の企業利用が増えてくるように思います。

360動画コンテンツを使ったテストマーケティングも

この360動画という機能、ただ単にエンゲージメントを獲得すためだけのものではなく、マーケティングツールと位置付けることができると考えています。その理由としては、まさに上であったような「ヒートマップ」という武器を手に入れたインサイト機能の実装が挙げられます。

 

ただ単に、いいね!やコメントを集め、その傾向を分析するだけでは、これまでの写真や動画コンテンツと同列です。しかし、ヒートマップツールによって、ユーザーがどのようにコンテンツを楽しみ、どのポイントが最も注目を集めたのかを手軽に知ることができるようになりました。

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企業がマーケティングで外部のサービスを積極的に活用するには、しっかりとしたデータの提供や分析機能が提供されていることは必須条件です。。Facebookのビジネス利用が盛んなのは、まさにインサイト機能が常にアップデートされ、企業にとっての価値を提供していたことに他ならないと考えられます。

 

そういった意味で、今回の360動画の機能がより充実したことは、企業の積極的な利用を促す一つの理由になり得るはずです。しかも、当然のことながら、これまでの機能と同様、無料で利用することができるので、まずはテストマーケティングの一環でやってみて、そこで得られるものを検証するというのも一つの手です。360動画を撮影できるカメラも手軽なものがいくつか販売されていますので、そこまで構えなくてもいいかもしれません。ぐっと短になった360動画を、競合他社と差をつける、新たなコンテンツと考えてみてはいかがでしょうか。

アクトゼロ / 山田