年々、盛り上がりを増すハロウィン。昨年その経済効果がバレンタインを上回ったことが記憶に新しいところですが、今年も多くの企業で注目されています。
特に今年よく見られるのが、Instagramを使った写真投稿キャンペーンです。個性あふれる仮装やジャック・オー・ランタンを使った装飾など「非日常感」「手作り感」を楽しむイベントですから、写真をシェアしたいというニーズにも合致していると言えるでしょう。
そこで、1つ疑問が。同時多発的に行われるインスタキャンペーンの中で”本当に盛り上がっている”のはどれなのか…?
ハロウィン本番を目前に、誠に勝手ながら今回は大手企業30社を対象に、インスタキャンペーンの投稿数や盛り上がり状況、そしてその成功要因を考察していきたいと思います。
※投稿数は10月25日(火)時点の数値です。非公開設定のアカウントは含まれておりません。
※投稿はInstagramのみを集計しており、Twitterなど他のSNSはカウントしておりません。
投稿数3位:JAL Instagramハロウィンキャンペーン
http://www.jal.co.jp/socialmedia/instagram/index.html
「# jalハロウィン」の投稿数:1,037件
応募期間が10月4日から16日まで比較的短いにも関わらず、なんと3位にランクイン。
応募条件としてハロウィンにまつわる写真ならなんでもOKな点やユニバーサル・ジャパンのチケットが抽選でもらえる点、元々知名度・人気の高い企業である点などが投稿意欲を後押ししていると考えられます。告知場所としては、WEBサイト以外にもユニバーサル・ジャパンや空港などで行われているようです。
投稿数2位:セブンイレブン 「#セブンでハロウィン」フォトキャンペーン
http://711halloween.jp/
「#セブンでハロウィン」の投稿数:2,846件
2位となったのは、日本全国でおなじみのセブンイレブン。
応募条件はハロウィン商品写真またはハロウィンの仮装写真とやや限定的ですが、コンビニ商品なら購入のハードルが低い上に、毎日1名様に 2,000円相当のお菓子詰め合わせがプレゼントされるという当選への期待感・おトク感を与える訴求になっています。
キャンペーンビジュアルも可愛らしく、わが子に仮装させたいママのニーズを獲得。店舗が全国的にあり、また自社PB商品のパッケージでキャンペーン告知ができるという点も大きな強みと言えるでしょう。
さすが好きなコンビニランキングで1位(参考元:@nifty何でも調査団)を誇るセブンイレブンだけあり盛り上がりも上々の様子。果たして、さらにここを上回る投稿数のキャンペーンとは…?
投稿数1位:コメダ珈琲店 「コメダでフォトコン」
http://www.komeda.co.jp/halloween/
「#コメダハロウィン」の投稿数:3,760件
名だたる企業を抜いて最も投稿数が多かったのは、名古屋に本社を置くコメダ珈琲店(全国676店舗)。
なぜ多くの投稿を獲得できたのか考察してみると、そこにはハロウィンへの並々ならぬ気合いが詰まった仕掛けが沢山設けられていました。
人気メニューがハロウィン仕立てで楽しく登場
看板メニュー「シロノワール」が秋時期はキャラメルリンゴ味で登場し、さらにハロウィン期間中はジャック・オー・ランタンのクッキーが添えられるという特典付き。さらにみんなでシェアしたい時も、1人で食べたい時も注文しやすいようにサイズ展開するというさりげない配慮も。期間限定の、見た目にもおいしいメニューで写真の投稿意欲をかきたてています。
3部門から参加できる間口の広いコンテスト式
応募にあたっては、友達や恋人などの写真を撮影する「みんなでコメダ賞」、家族写真を投稿する「コメダファミリーで賞」、ハロウィンメニューの写真を投稿する「シロノワールが美味しそうで賞」と3部門を用意。Instagramに載せたい写真は人それぞれですが、間口が広いことで投稿へのハードルも低く設定されています。
また、応募後は各週30名ずつ当選者が発表され、賞品には限定コメダグッズがもらえるというファンに嬉しい仕掛けも応募へのモチベーションを高めています。
ハロウィン気分を盛り上げるフォトドロップスの設置
さらに写真撮影の演出用で、ハロウィンや人気メニューがモチーフとなったフォトドロップスを店内に設置。家族連れの利用も多いコメダ珈琲店だからこそ、お子様のかわいい写真を記録したいという親心をばっちりつかんでいます。またメニュー表を持つと、コメダ珈琲店ロゴのキャラクターになれるという遊び心のある仕掛けまで。
お喋りネタがほしくなるコーヒータイムを楽しい演出で盛り上げ、利用者の満足度を上げながらキャンペーン参加にも促すという、双方にとって嬉しい企画といえるのではないでしょうか。
https://www.instagram.com/explore/tags/コメダハロウィン/
30社のインスタキャンペーンを分析してみて
今回は、Instagramの投稿数のみをピックアップして上位3社をみてきましたが、数値やその要因について皆様はどのように感じられたでしょうか。
やはりコメダ珈琲店やセブンイレブンのように、店舗などで生活者との接点が持てる企業が参加を獲得しやすい傾向にあり、また賞品内容や当選への期待度、写真を撮りたくなる演出や体験の提供といった点が大きなポイントになっているのではないかと思われます。
ちなみに、投稿数ごとに30社を振り分けたグラフはこちら。
各インスタキャンペーンのハッシュタグ付き投稿数
もちろんこれからハロウィン本番に向けて盛り上がりが期待されますが、現時点(25日時点)では投稿が50件に満たないキャンペーンも3分の1程度あるというシビアな状況が見受けられました。
恐らくその要因としては
・キャンペーン開始時期が出遅れてしまった
・告知があまりできていない
・応募条件として写真投稿のハードルが高い
・ハッシュタグが長く、うまく投稿できていない
など、そもそもキャンペーンの認知が低かったり、投稿できる人が限られる内容などでは伸び悩みやすいのではと考えられます。
その一方で、親子でお菓子を使った仮装をする明治の「おかしコーデキャンペーン」や、ハロウィンダンスの動画を投稿してもらうららぽーとの「Kawaii!! DANCEコンテスト」のように、あえて投稿にやや手間のかかるキャンぺーンも最近増えつつあります。インスタキャンペーンにおいては量(投稿数)をみるのか、質(体験の深度)に比重を置くのか、今後より議論されていくテーマになるではないかと思います。