この意味が分かればあなたは若者! ~進化するInstagramのハッシュタグ文化

ある日、社内の会議時に、3つの暗号のようなハッシュタグが羅列されました。何でもInstagramの若いユーザーの間で流行っているのだとか。

#gm
#bff
#l4l(lはLの小文字)

読者の皆さん、このハッシュタグの意味、ご存知ですか?

会議室に大きな?が浮かびました。私達40歳近いおっさん層は当然「?」。GMといえば、アメリカの自動車メーカーしか思いつきません。bffやl4lに限っては、何か新しいデジタルマーケ用語なのか!?と騒然。(IT系あるあるですが、こうした新しい用語を会議などで如何に自然に発せられるかが重要。)当社は比較的若い世代のスタッフが多いのですが、20代の若いスタッフも首をひねるばかり。

なんと、これらのハッシュタグにはこんな意味があるのだそうです。

#gm:”Good morning”
朝食の写真や、朝に投稿するときに使われる。

20160930_03https://www.instagram.com/yukayuka.o_o/

#bff:”Best Friend Forever”
大切な友人との写真やプリクラの投稿時に使う。いわゆる”ズッ友”という意味。

20160930_04https://www.instagram.com/saaanaaa611/

#l4l:”like4like”
”いいね”をしてくれたら”いいね”返しするよ、という意味。フォロワーを増やしたい人がよく使っているのだとか。
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https://www.instagram.com/yoshimura_saki/

こうした、英文をアルファベットや数字で短縮したハッシュタグを付けることが、ここ数年の間でInstagramの若いユーザーの間で流行っているのだそうです。確かに、各ハッシュタグで検索すると大分出てくることが分かります。

大方の皆さんは予感がしていると思いますが、元々、この文化は欧米の英語圏発のものです。Instagramでは、1つの投稿に対して最大30コまでハッシュタグを付けることが可能ですが、投稿の時間やその内容、投稿者の気分や考え方などに応じて、これらのハッシュタグを複数個付けて投稿します。

他にも欧米では通常に、日本の若い世代で使われ始めているハッシュタグをいくつかご紹介しましょう。

#ootd:”Outfit Of The Day”
”今日のコーデ”のような意味。今日着ている服を見せるための自撮り写真を投稿する際に使われます。
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https://www.instagram.com/reikaharuta/

#tbt:”Throwback Thursday”
”木曜日に昔の写真を投稿しよう”という意味で、世界的には木曜日に自分の昔の写真を投稿することがブームになっているのだとか。他の曜日でも、#mcm :”Man Crush Monday”(”Crush”は”べた惚れ”という意味。月曜日には意中の男性の写真を投稿しよう)#tt:”Transformation Tuesday”(火曜にはこれまでの自分を変えるような写真を投稿しよう)#ss :”Selfie Sunday”(日曜には自撮り写真を投稿しよう)などがあります。
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https://www.instagram.com/showknow19/

#yolo:“You Only Live Once”
”一度きりの人生なのだから楽しんで生きよう”という意味で、旅行やパーティー、贅沢をしている時など、自分が幸せの最中にいる写真を投稿する時に使います。
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https://www.instagram.com/mamu723/

#instagood:”Instagram + good”
2つの単語を組み合わせた、Instaramで発生した造語です。何か自分が良いと思った物などをInstagramにアップするときに付けます。他にも”#instafood” “#instacool” “#instacat”などのような派生されたハッシュタグも多く使われています。
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https://www.instagram.com/rnii2/

#love
そして、世界で最も使われているハッシュタグが”#love”なのだとか。”愛する”という意味以外にも、自分の好きなものや可愛いと思うものだったり、楽しいなどといった、ポジティブな表現をしたいときに使うようです。
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https://www.instagram.com/ig.eee/

…。プンプンするリア充の雰囲気に、おっさんには少し胸焼けがするようなハッシュタグの数々、いかがだったでしょうか。

日本発祥の若者によるInstagram文化

これまでご紹介してきたハッシュタグの付け方は、欧米の英語圏発祥のものが日本でも使われたものです。最近では日本発祥のハッシュタグ文化が注目されています。

本来、検索性を高めるためのハッシュタグですが、文章を羅列し、そこにメッセージを含めるという使い方です。検索を目的としないので、勿論各ハッシュタグで検索しても類似の投稿は出現しません。

20160930_01https://www.instagram.com/watanabenaomi703/

上記画像は、現在日本で最もフォロワー数を多く抱えるInstagramユーザーの、タレントである渡辺直美さんの投稿ですが、ハッシュタグを並べ、自分の考えやつぶやきを伝えています。

2012年頃から始まった文化のようですが、欧米では見られない日本独特の文化です。こうした文化が発生した背景には、日本人の”顰蹙を避けたい意識”があるのではないかと思います。

先の欧米が発祥となったハッシュタグに対して「胸焼け」なんて言葉を使いましたが、欧米人は良くも悪くも自己主張が強く、自分の良いところを堂々と発信します。

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https://www.instagram.com/akina112251/?hl=ja

対して日本人は”謙遜”などという言葉があるように、一歩引く部分があります。Instagramで自分のお洒落で充実した生活を発信したいが、フォロワーや閲覧者から反感を買わないように、ハッシュタグの部分に自虐的な表現で本文と異なった内容の文章や本音を込め、笑いや共感に変えようという照れ隠しににも似た心理が働いているのではないでしょうか。日本人の”人と人の和”を尊ぶ精神がそこにあるのです。

新しい文化や流行りはこれまでも若者が中心となって展開してきた物事が多かったですが、こうしたネットやSNS上での文化においてもきっとこれからも若者が作っていく部分が多いでしょう。こうした流れをうまくキャッチアップし、文脈を把握することが、デジタルマーケティング戦略の立案においては重要なのです。