こんにちは、アクトゼロの山田です。
出張で地方に行くことがまれにあるのですが、最近良く感じるのは、SNSが至る所に浸透しているという実感です。そして、地域に根差したお店や企業がとても魅力的にSNS活用をされている印象を受けます。そんな事例をご紹介しながら、そこで見えてきたSNS活用の本質というもの考えてみたいと思います。
ちょっと遠くても行きたくなるお店
まずはじめにご紹介するのは福井県にあるカフェ「cafe mare」です。場所は越前市で、日本海が見える素晴らしいロケーションのお店です。投稿される写真の景色を考えると、当然ながら市街地から少し遠い、離れたところに位置しています。
でも、そんなロケーションでありながら、多くのお客様が来店するところとなっています。その理由は、Facebookのタイムラインを眺めるだけで、簡単に分かります。
おはようございます⑅◡̈*
今日はゆったり、マッタリできそうですね(o^^o)
MAREで読書などはいかがですか?ご来店お待ちしております。
*尚、本日17時半閉店となっております!!
宜しくお願い致します。スタッフ エリコ✴︎
cafe mareさんの投稿 2016年5月24日
まず一つ目の理由として、スタッフの皆さんが投稿に登場し、どんなお店であるのかが手に取るように感じられるところが挙げられます。気軽に行ける雰囲気をうまく表現しているのです。そして、二つ目の理由に、来店するお客様をご紹介する投稿があることによって、自分が来店するイメージが掴みやすいという点です。
朝イチのお客様との 爽やかなショット ヽ(*´▽)ノ♪
福井のお勧めスポット ★
…と言う事で 朝から県外のお客様で賑わってま~す ♪GWは 朝 9:30から 元気に皆様のお越しをお待ちしております。
MAREスタッフ一同
cafe mareさんの投稿 2016年4月29日
これらの投稿を行うことによって、自ら足を伸ばした先に得られる体験(この場合、お店で過ごす時間)を想像させ、行ってみたいという感情を作り出しているのです。新しいお客様の来店機会を創造する、非常に上手いSNS運用と言えます。
初めて利用するSNSがInstagram
地元に愛される老舗デパートというのは、日本各地にあるもので、仙台の藤崎百貨店もその一つです。藤崎百貨店は、普通であればFacebookやTwitterといったところから始めることの多いSNS活用の流れにあって、そのふたつを飛び越してInstagramの運用を行っています。
投稿を見てみると、百貨店の持つ独特の空気感、ちょっと上質な世界観をうまく作り出していることに気付きます。お店の情報を写真で伝えようとすると、どうしても売り場の写真や、単なる“物”として商品を写してしまいがちですが、紹介する商品に彩りのあるものを選んだり、写真の構図にも少し捻りを加えたりして、Instagramの世界観にうまく溶けこむ写真に仕上げています。
ちょっと上質であるという、百貨店の性質を考えると、FacebookやTwitterではなくInstagramを選んだのは正解かもしれません。
個人経営の店舗でも
他にも、個人が経営する群馬県にある子供用の玩具店のFacebookページでは、Facebookのイベント機能を使ってお店での催し物を告知しています。
そして、そこに参加した人からコメントが寄せられるなど、単なる告知で終わることなく、多くのコメントにあふれています。ファン数は決して多いとは言えませんが、お店の方とお客様が顔見知りであることが窺い知れ、エンゲージメントの高いページと言っても過言ではないでしょう。
今日のお客さま、4歳さんとお母さん。
お家で安静にということで、アナログゲームをお求めです^^
お子さんの性格、
すきなあそび、
体と心が、今できること、
いつもお子さんを見ているからこその、お母さんの直感。選んだのは、
「にじいろ…
既存のお客様のリピートを促進し、その結びつきを寄り強くすることを目的とするのであれば、このようなリアルな催し物と連携するFacebook活用はとても有用だと考えられます。
ファンの数、フォロワーの数を増やすことはあくまで過程
こうしたそれぞれの地域で頑張る企業(お店)のSNSアカウントを見ていて思うのは、沢山のファンやフォロワーを獲得することだけが、SNS活用の本質ではないということです。何度かこのブログ記事の中でも書いていますが、再度その思いが強くなりました。
特に、街のお店がSNSを使う場合、「店員さん・店長さん=SNSアカウントの運用者」であり、「来店客=ファン・フォロワー」となる訳ですから、必然的に両者の距離は近くなります。 情報発信の手段としてSNSを捉えるのであれば、ファンやフォロワーを増やすことが、投稿のリーチを増やすことに直結します。
ただ、昨今のSNSのトレンドとして、エンドユーザー(個人ユーザー)にとって有益な情報を選別し届ける仕組みがスタンダードな流れになってきています。そう考えると、今回ご紹介したような、地域のSNS活用で実現されている、近い距離でのコミュニケーションというのは、企業と個人の結び付きが必然的に強くなり、結果、多くのリーチに繋がることになります。これこそが、SNS活用本来の形なのです。
数万、数十万と膨らむファン数やフォロワーは時として、“一対多数”という構図になり、SNSがまるでマスメディアになったかのような錯覚を覚えます。しかし、そうした認識では、単なる一方通行の情報発信で終わってしまい、交流は生まれません。SNSは“一対一”という個の繋がりの総体ですから、交流を活発にするために、企業と個人が一対一でしっかりと向き合い、強い結び付きを築くことこそが、最も重視されるべきだと考えます。
ファン数やフォロワー数を増やすことはあくまでも過程に過ぎません。 もし、目的を失い、SNSの運用に行き詰っているとしたら、地域にある等身大の運用をしているアカウントを覗いてみてはいかがでしょう。派手さはないけれど地に足の着いた運用から、自らの運用を見直すいい機会になるはずです。
アクトゼロ / 山田