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どんどん短くなるweb動画トレンド 最適な長さはズバリ◯秒!?

かつて数年前、YouTube等のWeb動画を視聴者に飽きさずに視聴させるには、その長さは2-3分程度が適切とされていました。しかし、最長6.5秒のVineなど、マイクロビデオと呼ばれる短尺な動画サービス、また、5月からは6秒間はスキップできないYouTubeの新しい動画広告サービス「Bumper」が開始されたりと、動画の長さに関するトレンドは確実に短くなってきているように思えます。

これは文章による表現が、ブログのような長文のものから、文字制限のあるTwitter、あまり長文を投稿する傾向の無いFacebookなどのSNSの普及や、視聴デバイスがスマートフォンに移行し、より手軽に見られることが要求されているといったことが背景にあるといえるでしょう。

今日は、プロモーションでweb動画を公開する際に適切な長さ(尺)とはどの程度なのか考えてみましょう。

動画の長さによる視聴拘束割合と離脱タイミング

動画マーケティングプラットフォームを提供する、米国WISTA社のweb動画に関する統計データを見てみましょう。まずは動画の長さ毎によって、視聴者をどれだけの時間拘束できたかの相関グラフです。

https://wistia.com/blog/longing-for-longform

予想通りではありますが、動画の長さは短ければ短いほど拘束率は高い数値となっています。30秒以内の動画なら全体の80%以上、30秒~1分以内の動画で70%以上となっています。5分以内の動画であれば60%程度で、それよりも長いものになると一気に低下していくことが分かります。

そしてこちらのグラフは動画の長さと離脱ポイントについての相関グラフになります。

https://wistia.com/blog/does-length-matter-it-does-for-video-2k12-edition

時間の短い動画に対し、長い動画は冒頭の10%程度の時点で一気に下がっていることが分かります。冒頭数分の間の動画の内容によって視聴する・しないを判断していることが分かります。

勿論、動画のジャンル(プロモーション動画 or エンターテイメント動画など)により、その傾向は異なると思いますが、動画プラットフォームを提供し、数千本の動画の視聴傾向を統計した結果、以上のような傾向のデータが出ています。

これらのデータを基に考えると、視聴者に飽きさせない動画の長さ・必要な要素は以下と提唱します。

◆動画の長さは30秒、長くとも1分程度が理想
◆長くなる場合、動画の10分の1程度の長さの間の冒頭でしっかり訴求するコンテンツ設計が重要

かつて弊社記事でも触れましたが、YouTubeのTrueView動画広告のスキップできない5秒間で如何に視聴者を掴むかが大事だとお伝えしました。(ユーザーに最後まで見てもらえるYouTube「TrueView動画広告」のつくりかた

また、動画の冒頭で訴求すべき内容をまずは端的に表現し、もし離脱されたとしても訴求内容を確実に伝えられるような動画の構成が重要となります。

公開するYouTube動画を最適化するためのツール

これまでの話題は総論です。しかし、時には例外もあったりするかもしれません。自社が公開する動画の視聴のされ方を把握し、それにより動画の内容を修正・最適化することが重要です。YouTubeがユーザーに提供している「視聴者維持率レポート」は、動画が視聴者の注目をどの程度維持できたかを示すデータを視覚化し、分析することができます。

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YouTube「視聴者維持率レポート」の例

レポートには次の情報が表示されます。

・チャンネル内の全動画の平均視聴時間
・総再生時間が上位の動画またはチャンネルの一覧
・特定の動画の異なる期間内での視聴者維持率データ
・動画の相対的な視聴者維持率(YouTube 上の同じような動画の平均値と比較)

例えば、著しく離脱が起こっている箇所があれば、そのポイントの内容や、そこまでの動画の長さにボトルネックがあることが考えられ、状況改善の参考にできるでしょう。また、明らかに構成・演出の異なる動画を複数本制作・公開し、A/Bテストをする際にも活用できます。

動画においても客観的なデータに基づき、改善を続けるPDCAを回す必要があります。現在の動画のトレンドと自社の動画の視聴傾向をしっかりと把握しながら戦略を練ることが重要です。