誕生日に動画でお祝いする「Birthday Cam」から考察する、動画広告の今後

自分の誕生日なんてすっかり通常の一日のような感じのするアクトゼロの高寺です。

Facebookの画面を開くと、かなり頻繁に表示されるこのメッセージ。

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個人的にFacebookの友達が250人を超えているので、数日に1回はわざわざプッシュ通知までされてメッセージの送付を勧められます。多くの日本人にとって(私も例に漏れず)Facebookの”友達”の中には、仕事関係だったり、数回しか会っていない方も多く、誕生日を祝うような関係性ではないな…、という相手も多いと思います。

ですが、逆に手軽に書き込むだけで相手に気持を表現できるので、無難な短いメッセージを送っておこう、という方も多いのではないでしょうか。その結果、つまらない投稿が並ぶことになってしまいます。

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ちなみに、私はこのおめでとうメッセージを廃止すべく、数年前から個人アカウントの設定から誕生日の登録を外しました。

比較的、日本よりもリアルの友人をFacebookで”友達”にする傾向の強い欧米でも、どうやらこうした最低限の友達同士の付き合いとして、”HBD” や“Happy Birdthday!”などと、短いメッセージを書き込み合うのが礼儀となっているようです。(誕生日を重視する海外らしいですね。)

そのような現状の中、昨日「Birthday Cam」という機能をFacebookが米国で公開しました。(参照:Facebook Birthday Cam: 5 Things To Know About The Site’s Newest Feature

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これは、誕生日を迎えた相手に対して15秒までの動画によるメッセージビデオを撮影し、画面をデコレーションして投稿できるという機能です。これまでの端的な文章によるお祝いから、より相手と親密な関係性づくりをすることができます。現状では日本国内では利用できず、またiOS限定の機能のようですが、徐々にその他のデバイスや地域でも利用できるようになる予定のようです。

動画自体が物珍しいでしょうし、クリエイティブの工夫によっては面白いものができ、サプライズお祝いができるようになりそうです。その反面、送る側の手間や、そもそも顔出しに抵抗感のある日本人にこのサービスは定着するでしょうか?今後の同行を見守りたいサービスです。

Birthday Camから考察する、企業動画広告の今後

2015年のFacebookの日間アクティブユーザー数は、一年前と比べ、17%増の10億3800万人にも上り、1日あたり1億時間の動画が視聴されていると発表されています。(Facebook Reports Fourth Quarter and Full Year 2015 Results

企業による動画広告にかける予算も着実に伸びており、Facebook動画広告が企業にとって重要な広告チャネルの一つとなりつつあります。そこで流される動画広告は、配信相手をターゲティングできたり、ネットユーザーに最適化されたクリエイティブになっていたとしても(これらだけでも飛躍的な改善だと思いますが。)、基本的にはTVCMに似て、1種類のクリエイティブの広告を大勢のユーザーに配信するという形式には変わりありません。

「Birthday Cam」は、ある一人に対して、その人に特化した動画コンテンツ(誕生日を祝う内容)でメッセージを投稿するというものです。

さらにこのような記事もレポートされています。

Facebookメッセンジャーで企業からDMがくるようになるかも
これから、企業に対してフェイスブックでメッセージを送ると、その企業から直接広告メッセージが送られてくるようになるかもしれません。(中略)フェイスブックの広告主から入手した文書には、「企業は、以前にその企業とチャットスレッドを開始した人に対し、広告をメッセージとして送れるようになる」という内容が記されているそうです。さらにはその機能がローンチしたときにすぐ広告を送れるよう、ユーザーにメッセージを送らせるよう企業に対し働きかけてもいるそうです。このサービスは、2016年第2四半期のどこかからスタートすると言われています。(GIZMODE 2016.2.23

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近い将来、個別に送られてきたメッセージに、過去のネットのアクセスや検索などの情報を元にした、個別にカスタマイズされた動画リターゲティング広告のようなものが実現するのではないでしょうか。企業から送られてきた動画を再生すると、「◯☓さん(あなたの名前)こんにちは!」から始まって、あなたに興味がある商品をレコメンドする動画が続いたり…。少し、不気味な感じがしますね。

ですが、今ではすっかり、私を含めたネットユーザーの皆さんはリターゲティング広告に慣れてしまっているので、いずれ動画リタゲ広告が普通になる時代も来るのかもしれません。