今年の4月、スマートフォン向け写真共有サービスアプリ「Instagram」(インスタグラム)がFacebookに10億ドルで買収されることになったニュース、皆さんの記憶に新しいのではないでしょうか。
Instagramとは、写真に特化したSNS。最も注目されるのは、アプリ標準で準備されたフィルターにより撮影した写真をトイカメラ風に加工できる点。何気ない写真が、オシャレでアーティスティックな”いい雰囲気”に加工(撮影)できるので、友達に見せたくなる・共有したくなる欲求に繋がり、SNSと相性が良いといえるでしょう。
Instagram http://instagr.am/
Pinterestなど、最近、写真を中心としたSNSに注目が集まりつつありますが、静止画の次に来るものといえば、自ずと動画を連想するのではないでしょうか。
Viddy
Viddyは、Apple/iPhone向けの動画共有SNSアプリ。2012年6月現在、Android向けはリリースされていませんが、まもなくリリースされるのではないかと噂されています。アカウントに対するフォローや、投稿に対するLIKEなどがありますが、特徴的なのは、投稿できる動画が15秒以内に限られていること。Twitterの文字数が140字なのと同じように、短いメッセージを動画で共有するが目的のようです。(サーバ負荷に対応することも目的でしょうが。)
投稿する動画は、撮影済みのものでもOK。ですが、投稿できるのは15秒以内なので、動画のうちの15秒をトリミング(切り取り)する必要があります。
撮影後、準備されているフィルターで動画に効果を与えることができます。(与えた効果のプレビューをしてみると、その場でレンダリングを始めて効果が反映された動画をプレビューすることができます。)BGMも載せて準備が出来ればShare。簡単に、良い感じの動画が作成できました。(自動的に動画の終わりは黒フェードアウトに加工してくれます。) Viddy上の自分のサイトや指定したSNSにアップロードすることができます。
私のアカウントはこちら。http://viddy.com/takadera
1本めの我が家の黒猫動画のアップロードから数時間で、何人かの海外の皆さんがLIKEしてくれたので、2本目からは英語でコメントを書いてみました。流石、2600万ユーザーを抱えるサービスだけあって、ユーザーからのレスポンスも良いようです。
海外では、企業でのプロモーション目的の利用もなされ始めているようです。DVF(アパレル)ではファッションショーの動画を共有したり、RedBull UK(エナジードリンク)では関連するスポーツの動画を共有したり、Warner Bros Records(音楽出版社)では所属アーティストのPV撮影現場のメイキングなどを共有しているようです。(参照:Mashable Business http://mashable.com/2012/05/27/brands-on-viddy/)
socialcam
こちらは、ライブ動画配信プラットフォームを提供するJustin.TVが運営する動画共有SNSです。
行えることは前述のViddyとそう変わりありませんが、制限時間が無く、端末が撮影できる限りの時間をアップロードすることができるようです。
もう一つ、Viddyと異なる点が、動画に与えるエフェクトは撮影時に選択・決定して撮影するということです。(時間無制限で後からエフェクトを与えるのは処理的に大変だからでしょうか?)画面をフリックすることで、いくつかのエフェクトから選択できるようになっています。
ちなみに、投稿されている動画をViddyと見比べてみると、socialcamは投稿者自信のプレゼンテーションのような動画が多いように見えました。これは、エフェクトを撮影前に選択するという行為から、撮影前に動画の内容を事前に狙って考える撮影スタイルが、socialcamユーザーに定着しているからなのでしょうか。
エフェクトを選んで撮影した後、テロップとBGMを挿入することができます。テロップが挿入できるのも、Viddyと異なる点でしょう。その後、タグ付や共有先を選んで動画を公開します。
「おい」とか「眠いの?」と撮影時の私の声がBGMにうまくマッチしました。笑
socialcamはAndroid版アプリもリリースされています。現状(2012年6月)ではエフェクトを与えた撮影が出来ないのが残念ですが、やがて実装されていくのではないでしょうか。
これらのように、静止画の次を睨んだ動画による共有サービスも様々なものが提供されています。なかなか、カメラを向けると顔を背けがちな日本人の中で、こうした動画共有サービスが果たしてどう普及していくか注目してみたく思います。