みなさんがFacebookをご覧になる時、いつもニュースフィードの右側に表示されている「Facebook広告」。
ここに表示される広告をクリックして、飛んだ先のFacebookページに「いいね」した経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか?
実際に、現在の「いいね」数や「いいね」している友達の名前が表示されていて、興味を引くものが多く表示されています。
先週ニュースになった、Facebook広告を巡る米国自動車メーカーの報道について考えてみたいと思います。
米GMは効果なし、米フォードは効果あり
Facebookへの広告出稿を巡って、先週アメリカで興味深い動きがありました。米国を代表する自動車メーカー、俗に言うビッグ3のうちの2社、ゼネラルモータース(以下GM)とフォードのFacebook広告にまつわる報道です。
事の発端は、GMのFacebook広告を撤退するというニュースから始まりました。
ウォールストリートジャーナルが報じた内容を要約すると…
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GMの広報担当者によると、Facebook広告の出稿が新車購入に対してほとんど影響していないと判断したため、今後の出稿を取りやめる。
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…とのこと。
まさに上場を迎えたFacebookにとって、大きな逆風として報道されました。
実際、GMの米国内での広告費用18億3000万ドルのうち、Facebook広告でFacebook側に支払われる金額は1000万ドル程度と、ほんのわずかな金額ではありますが、その有効性に疑問を投げかけたという点で、話題に上ったと考えられます。
しかし一方、その報道から間もなく、フォードがTwitter上で以下のようなツイートを発信しました。
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It’s all about the execution.
Our Facebook ads are effective when strategically combined with engaging content & innovation.
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「魅力的なコンテンツや技術革新と組み合わせることによって、Facebook広告は効果を発揮する」といった内容です。
その後、GMは「Facebookのファンを軽視しているわけではない」というコメントをFacebook上で発信するなど、いくつかのやり取りが起きています。
Facebook広告の役割
Facebook広告を出稿する大きな理由の一つは、企業が運営するFacebookページの宣伝・集客と言えます。Facebookページの認知から、「いいね!」してもらう一連の導線の中で、すでにFacebookを利用しているユーザーに対して、アピールできるため効率的な集客が可能です。
ただ、GMの言うように、新車購入に繋がっているかどうかという視点に立つと、オンラインだけで完結しない自動車の販売形態も大きく関わってきます。このようなケースの場合、独自に効果測定する仕組みを導入しなければ、Facebook広告のインサイトだけで判断するのは難しいと考えられます。
一方、フォードのように、「魅力的なコンテンツ」を提供してファンと交流し「技術革新」の発信することが目的であると考えれば、Facebook上での広告の出稿によって得られる効果を測定することは容易だと言えます。
このように、同業種だとしてもそれぞれの目的の違いで、全く違った見解を示すというのは、十分ありえることです。どこに目的を置いて、Facebookページや広告を活用するのか、そのポイントによって求める結果はことなってくることは当然だと言えます。