こんにちは。アクトゼロのプランナーズブログ、木曜日は山田がお届けします。
一般的な認知度も高まりつつある“YouTuber”という言葉ですが、一言でYouTuberといっても様々なジャンルの方が活躍されていて、“おもしろ”コンテンツを配信する方やメイクやファッションをメインにする方等、多種多様なクリエーターのみなさんが活躍されています。
Googleでは、そういったYouTubeでの配信を行う方向けに、コンテンツ制作のための場所を提供しています。そのスペースは、「YouTube Space Tokyo」と呼ばれ、機材や場所が提供されます。もちろん東京だけなく、世界にいくつか展開されています。
この「YouTube Space」は、誰でも利用できるというわけではなく、下記の条件を満たしたYouTubeチャンネルの所有者に利用が限られます。
– チャンネル登録者数が 5,000 人を超えていること
– チャンネルが現時点で、良好な状態であること
– 「アクセス・スペース」オリエンテーションに参加すること
– 13歳以上であること
これらの条件を満たすことで、スタジオやセット、照明からカメラまで、動画の制作に必要な機材を利用することができるようになります。もちろん、撮影するだけでなく、編集の機材もあり、最終的な形になるまでサポートしてもらえます。
これからは「時代劇」も
そんな「YouTube Space Tokyo」でおもしろそうな展開があるので、今回はそれをご紹介したいと思います。その展開とは、「YouTube Space 時代劇 with 東映太秦映画村」という、名前から分かる通り“東映”とのタイアップ企画になります。
「東映太秦映画村」はご存じ、京都にある時代劇のテーマパークで、撮影を見学できたり、時代劇体験が出来たり、修学旅行等で訪れたという人も多いのではないかと思います。
そんな「東映太秦映画村」という冠から想像できる通り、なんといっても“時代劇”テーマに、歴史を感じさせるセットが提供されそこで撮影できたり、時代劇を作るためのノウハウを学べるワークショップに参加できたり、YouTubeが持つ本来の“ノリ”とは異なる、かなり本格的なサポートを受けることができるものになっています。
● 東映京都撮影所のプロデュースのもと、殺陣、衣装、美術、脚本制作、音声、照明などの技術を学べるワークショップを実施
● 映画監督の李闘士男氏によるコンサルテーション(計5名)
● YouTube Space Tokyo のスタジオ内に組んだ時代劇セットでの撮影
● 一部のクリエイター向けに、京都太秦映画村での撮影機会を提供
一部抜粋しただけでも盛り沢山の内容で、この他にもクリエーター同士の交流イベントなどが用意されています。
既存コンテンツからのアプローチ
時代劇というと、本格的なセットや独特の演出といった、その道をしっかりと極めた人たちによって製作されるイメージがあります。
それは、世界観や時代考証等、非常に緻密に作られていることによるものですが、そんな時代劇もテレビで見ることは以前に比べぐっと減ってしまいました。
単に視聴率が取れない、人気がないといった側面と、時代劇を楽しむのは一定の年齢層、高齢の方々向けであることも要因として考えられます。
今回の取り組みは、YouTubeを中心に据えて、比較的若い層に既存コンテンツ側からアプローチするという点では、極めて珍しいケースに感じます。時代劇という一種独特な業界というイメージからは、想像もできないような取り組みと言っても言い過ぎではないように思います。
そして、何より特徴的なのは、YouTubeにただ単に時代劇動画を掲載して終わりというスタイルを取っていないこと。
あくまでも時代劇を生み出すための機会や場所を提供するに留まり、YouTuber達にクリエイティブ部分が委ねられているのです。
積み重ねてきたプロのノウハウと、新時代の表現者との融合がどうなるのか、実際に出てくる作品が非常に楽しみです。
アクトゼロ / 山田