アクトゼロの藤村です。火曜日のプランナーズブログをお届けします。
自らの死後、利用しているSNSのアカウントはどうなってしまうのでしょう。
ヘビーユーザーならなおさら、一度は気にしたことのある方が多いのではないでしょうか。
今月21日、Facebookが発表した「Legacy Account」は、没後のアカウント権限を託す人物をあらかじめ指名しておくことができるサービスです。
2009年には既に用意されていた「追悼アカウント」
昨年、弊社高寺がネットにおける“終活”についての記事でとりあげていたとおり、これまでにもFacebookには「追悼アカウントのリクエスト」という機能が用意されていました。
「追悼アカウントのリクエスト」では、対象のアカウントユーザーの死後、親族や友人からのリクエストを受理したFacebook側が下記の通りの処置を施すといったものです。
- プロフィールにあるアカウント所有者の名前の横に、「追悼」と表示されます。
- アカウントのプライバシー設定に応じて、友達は追悼タイムラインで思い出をシェアできます。
- アカウント所有者がシェアしていたコンテンツ(写真、投稿など)はFacebookに存続し、それをシェアしていた相手は引き続き見ることができます。
- 追悼プロフィールは、[知り合いかも?]の提案、広告、誕生日のお知らせなどの公開スペースには表示されません。
- 追悼アカウントには誰もログインできません。
- 相続人のいない追悼アカウントは変更できません。
- グループの管理者のアカウントが追悼アカウントになった場合、そのグループは新しい管理者を選べるようになります。
- 管理者が1人しかいないFacebookページで、その管理者のアカウントが追悼アカウントになった場合、そのページに対して有効なリクエストがあればFacebookから削除されます。
「Legacy Account」でできること
「Legacy Account」では、ユーザーが自身の意志で、没後のアカウント運用代行者を指名できます。
家族でも、恋人でも、信頼できる友人でもOK。
指名されたユーザーは、上記で触れた「追悼アカウント」の申請許可が下りた後、そのアカウントを介してフィード上に投稿できたり、プロフィールアイコン、カバー画像などの変更を行うことが可能です。
さらに、新規での友達申請があった場合の承認権限や、アカウントの削除権限も付与されます(削除に関しては別途、生前のユーザーから「遺言」の手続きが必要のようです)
代行者は故人アカウントにアップロードされた写真や投稿のダウンロードもできるので、Facebook上にたくさん残された「生前の姿」を保存することもできます。
ウェブ上のデータは「遺産」としての価値を持つ時代へ
印刷された写真や紙の手紙が激減し、画像データでの写真、テキストデータでのメッセージのやりとりにシフトしている現在では、故人との大切な思い出が、形として残りづらいさみしさがあります。
さらに、アカウントへのアクセス情報を本人のみが管理している状況では、没後その情報にアクセスすらできなくなってしまう懸念があります。
データで残された「生前の姿」は、特別な価値を持つ「無形の遺産」といえるでしょう。
「Legacy Account」は現在アメリカで先行リリースされており、徐々に提供範囲の拡大が予定されています。
日本でのリリースが開始したら、是非設定しておきたい機能ですね。