2015年は「場所」と「ソーシャル」が強く結びつき新たなフェーズに向かう!?

こんにちは。アクトゼロのプランナーズブログ、木曜日は山田がお届けします。

遅ればせながら、あけましておめでとうございます!
2015年もどうぞよろしくお願いします。

年末年始は、多くの方々が帰省や初詣の様子をSNSへ投稿されていて、ニュースフィードやタイムラインが一気に華やいだ雰囲気になりましたね。
Facebookのチェックインのような、スポットとの関連付けをせずとも、位置情報を許可していればどこから発信されたものであるかが表示されるため、投稿された方がどこにいるのかが簡単に分かってしまいます。
そういったSNSの投稿を見るだけで、自分は出かけていなくても、プチ旅行気分が味わえるため、ちょっと得した気になってしまいます…。

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また、位置情報といえば、年始早々、テロ組織「ISIS」のメンバーが位置情報が付いたツイートを投稿したために、潜伏先や行動履歴が丸わかりになっていることがニュースになりました。このメンバーのツイッターは以前から少し話題になっていたため、今回のこのニュースを予測できた人もいたようです。

位置情報(ロケーション)とSNSが強く結びつくようになったのは、紛れもなくスマートフォンの普及によるもので、内蔵されているGPS等のデバイスの高性能化、小型化によって精度の高いロケーション情報が誰でも得られるようになったのが要因です。以前から言われている通り、ロケーション情報は、個人のプライバシー情報の中でもトップレベルの情報であるにも関わらず、氏名・電話番号・生年月日といったものに比べて軽視されがちな傾向がありました。

ただ、そういったロケーション情報も、SNSの機動性や速報性、拡散性といったものと組み合わせ有効に使うことで、新たな可能性が生まれてきます。

場所を中心としたソーシャルプラットフォーム「Spectee」

その可能性に着目した、ロケーションとSNSを結び付けたサービスも登場し始めています。例えば、「Spectee」は、“ロケーション”に紐付いた情報発信として、自ら中継(リアルタイム更新)を行う機能と、その”ロケーション”に関連するSNS投稿(主にツイッター)を抽出し、一覧で表示できるサービスです。ロックフェスやスポーツ大会のようなイベントや、事故・災害現場などで発信された投稿がロケーション情報をもとに集約される仕組みになっています。

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Spectee」はスマートフォンアプリで提供され、まだベータ版としての位置づけのようで、まだまだ限られたロケーションのみとなっています。

ちなみに、オフィシャルのサービス説明では以下のように表現されています。

Specteeは、ユーザーが今いる場所の周辺やユーザーが選択した世界中のあらゆる場所で「今」起きている出来事をリアルタイムにユーザーに提供したり、その場所いる人同士のコミュニケーションも楽しめるロケーションベースのSNSです。

ユーザーが選択した場所に、「今」その瞬間にいる人がソーシャルメディアに投稿した写真や動画、テキスト等の情報を抽出・解析し、その場所の生の情報・熱狂・臨場感をリアルタイムに伝えます。

アプリメニュー内には「エリア」と「イベント」という2つの大きな分類がされており、今のところ大雑把なカテゴリーのみで、主要地域(都市)や特定のイベントだけに絞られているようです。
ちなみに、下記は東京地区のメニューで、誰でも知っている主要エリアであると同時に、集約されるSNS投稿は、ほぼツイッターに占められていることが分かります。

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ざっと使ってみた感じでは、デザインなど粗い部分は気になるものの、ロケーションに紐付いた投稿がきちんと集約されていることが分かることから、エリアが拡大される正式版のリリースが楽しみなところです。

ロケーション情報により精度の高いデータ収集

こうしたリアルなものをSNSと結び付けていく流れは、今に始まったことではなく、デバイスの普及と共に確実に伸びてきた領域だと考えられます。
ただ、今回ご紹介した「Spectee」のようなサービスは、O2O的な直接の購買に繋げていくものという言うよりは、数多あるSNS投稿の中から、カギになりそうな動きをいち早く察知して次の行動に活かしていくという、ビッグデータ的な流れにあるように感じます。

SNSの投稿にロケーション情報が結びつくことで、SNS上のムーブメントが全体的なものなのか、局地的なものなのかを判断することができたり、特定地域での盛り上がりをいち早くキャッチアップできたり、情報の精度がこれまで以上に高くなりました。
もし企業のSNSアカウントを運用している担当者であれば、そうした動きに対して、効果的に次の投稿へ繋げられますし、仕入れ担当者であれば、商品を仕入れる際の参考としても利用可能でしょう。

こうした、ソーシャルリスニングと呼ばれてきたSNS上での“声”を聞く手法も、ロケーション情報の精度向上により、新たな段階へと進んでいくかもしれません。

アクトゼロ / 山田