こんにちは、デザイナーの小林です。
新年度に入り、新たにwebデザイナーとしてキャリアをスタートした方もいることでしょう。今回は、そんな新人の方にオススメしたい書籍をご紹介したいと思います。
(書籍名のリンク先はAmazonになります)
デザイン編
本書は、グラフィックデザインの現場で必要になる知識と考え方、それを形にするためのアプリケーションの技術の両方を、実践的なプロセスでわかりやすく解説したデザインの教科書です。
東京造形大学で教鞭をとるカイシトモヤが、デザイナーとして、また教員として培ってきた現場のリアルなデザインをこの一冊にまとめました。
webというよりはグラフィックデザイナー向けですが、その分、デザインに関して基本からしっかりと解説されており、体系的に学べる内容です。
「形」「色」「文字」「写真」「レイアウト」「印刷」「パス入門」に分かれていて、実例付きでわかりやすいです。
実は読んだのは最近なのですが、視覚的な特性なども書かれており、「こういった理由があるから、あのデザインは魅力的に感じたのか!」といろいろ納得できました。
トーンカーブの解説も、今まで読んだ中では一番分かりやすかったです。
是非早いうちから読んで、基礎を身につけておくと良いと思います。
7日間でマスターするレイアウト基礎講座 (DESIGN BEGINNER SERIES)
デザインとかレイアウトという仕事は、特別な訓練を受けた、特に感性の鋭い人しかタッチできない仕事と思われがちだ。しかし本書を読めば、それは錯覚だった、ということがわかる。ごく基本的なことを理解すれば、実は身近で使いやすい技術であることがわかる。謎に包まれていたレイアウトを、一気に身近な技法にしよう。
1998に発売されたものですが、良書として有名な書籍です。
ジャンプ率、グリッド拘束率、版面率など基本的なポイントごとに、悪い例と良い例を紹介していて大変わかりやすい内容です。古くから支持されているだけあって、読んでおいて間違いはありません。
作例で学ぶレイアウトのOKとNG。「どうすればいい?」デザインの悩みを解決。ここを直せば、デザインがよくなる。
文字、写真、配色、構成別に、上記の本と同じく悪い例と良い例を比較し、どこを直せば良くなるかを解説しています。
活気のある文字組の仕方、メリハリのある写真配置の仕方、黒の使い方などなど基本を分かりやすく理解できます。
タイポグラフィの基本ルール-プロに学ぶ、一生枯れない永久不滅テクニック- (デザインラボ)
基礎から学ぶ、タイポグラフィ
デザインの良し悪しはタイポグラフィで決まる。デザイナー、アートディレクターが知っておくべきタイポグラフィの基礎知識を、多数の具体例とともに丁寧に解説!
タイポグラフィこそ、知っているか知らないかの差が出やすいデザイン要素だと思います。
この書籍は「文字ってなに?」から始まり、文字組の約束事(ルール)、約物のデザイン要素としての使い方、レイアウトパターン、文字の作り方など幅広く解説しています。
定番フォントも多数紹介されているので、初心者ならずともオススメです。
デザインで恥をかかないための欧文書体のルールとマナー。
おそらく日本で最も著名なタイプディレクター、小林章氏による「現場で活躍するプロのデザイナーのお役に立つこと」を念頭に書かれた良書です。
タイトルの通り、欧文書体の歴史や、その国らしいフォントとはなにかなどが紹介されています。
また、欧文書体ならではの文字組のルール(リガチャーやマヌケ引用符、イタリックの使い方など)が細かく解説されています。
案外このあたり、私も完全ではありませんが、知らないデザイナーが多いので是非とも最初のうちに知っておいたほうが良いと思います。
どんなに優れたデザインでも、マヌケ引用符が使われた時点で、分かる人にとっては興ざめしたりします。
タイポグラフィの基本をおさえた後、欧文書体の基礎をおさえる本としてオススメです。
その他
新米IT担当者のための Webサイト しくみ・構築・運営がしっかりわかる本
Web担当者にとって最初に知らなければならないのが「Webサイトの作り方」と「Webサイトの運営方法」です。本書は、インターネットのしくみから始まり、Webサイトを作る前準備の調査・企画・設計からサイト構築時に必要な制作会社の選び方、見積書の見方、デザイン基礎といった実践的な知識を学習できます。
後半では、アクセス解析やSEO対策といったサイト構築後の運営ノウハウを紹介します。各章の頭に配置されたストーリーと共に、具体的な作業を想像しながら読み進めることができます。
こちらはwebデザイナーというよりは、クライアント(発注者)側のweb担当者向けの書籍なのですが、その分、webサイトに関しての体系的な知識を学べます。
インターネットの基礎知識、HTML・CSS、Webサイトの構築フロー、制作会社の選び方、アクセスログの解析のポイント、契約に関してなど、相手が知りたい情報を知っておくことも、実際の業務では重要になってきます。
作るだけがデザイナーの仕事ではありませんので、そのあたりも意識できると良いと思います。
「くまモン」アートディレクションなどで話題の、日本を代表するデザイナー発「センスの教科書」。
センスは生まれついたものではなく、あらゆる分野の知識を蓄積することで向上することを説く。
顧客の嗜好が多様化する時代、スキルよりもセンスを磨くことで、仕事を成功させるノウハウを紹介する。
デザイン本ではありませんが、一番最近読んだ本でとても素晴らしい内容だったのでご紹介します。
センスは生まれ持ったものではなく、日々の意識・研鑽によって誰でも磨くことができるということをいろいろな角度から論理的に説明しています。
「自分にはセンスがないから」というのは「センスを磨く努力をしていないだけ」というのが刺さりました。個人的に非常に影響を受けた一冊です。もっと早くに読んでおきたかったと思いました。
まとめ
今回ご紹介した書籍は実際に私が読んで、良かったと記憶に残っているものですが、どれも基礎的なものになります。
ただ読んだだけでは、理解したつもりでも実際には身にならないので、いろいろ作りながら繰り返し読み込んでいくと良いと思います。
そこから、より中級者、上級者向けの特化した内容の書籍を読んでいくと良いでしょう。
書籍だけに頼らずネット上にも良い記事がありますので、日々アンテナを張っていってほしいと思います。
過去にもデザイン力アップの方法を書いた記事があるので良かったらご参照ください。
Webデザイン力をアップさせる4つのアクション