都知事選公示~選挙直前までの各候補者名を含むツイートを分析【ソーシャル定点観測:特別編】

金曜日のネットマーケティングレポートをお送りします。アクトゼロの黒沼(@torukuronuma)です。

投票日まで後2日となりましたが、先週に引き続き都知事選主要候補が、Twitter上でどのように語られているかを観測し、選挙運動期間中どのような傾向が見られたかお送りします。当選者予想ではなくあくまで、ツイート内容の観測であり、本エントリーは特定候補者を支持するものではなく、データ上の傾向をまとめたものとなっています。ご了承ください。

※宇都宮健児氏、田母神俊雄氏、舛添要一氏、細川護煕氏、家入一真氏を対象に候補名でツイッター社が提供する日本語ツイートデータの10%をサンプルに、データセクション株式会社[Insight Intelligence]を使用して計測(2014/01/23~2014/02/07)

公示後~2/6までのツイート数推移

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前回の繰り返しの説明となりますが、各候補者の名前が登場するツイート数の推移です。この調査では、ひとつのツイート内で複数候補者名が出てくる際には、それぞれの候補者名をそれぞれ1ツイート扱いにして計測しています。あくまで各候補者がツイート内で触れらているということしか意味しておらず、各候補者の支持数というわけではありません。内容的にはアンチな内容も含んでいます。ツイッター上での「話題」の指標として見ていただければと思います。

2/1の時点で、田母神・舛添両氏の大きな伸びが見られますが、この日放送された「朝まで生テレビ」を視聴しながらのツイートでこの2候補について多く語られました。田母神氏の名前を含むツイートの主要なものは以下です。

収録内容についての田母神氏自らによる発言が、支持者によって多くRTされた結果、放送中も放送内容に対する支持者からの不満が寄せられていました。対して舛添氏の名前が触れられたツイートの主要なものはこちらです。

この日過去の女性に対する発言に火がつき、大いにRTされていました。同じくツイートされる数を伸ばしたにも関わらず、この両氏に関してはその内容は真反対のものでした。田母神氏は「熱烈な支持者」によってツイートされ、舛添氏に関しては「熱烈なアンチ舛添」によって言及されているのがわかります。

各候補者名を含むツイートの属性

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各候補者に言及されているツイートの年代別分析です。先週に引続き大きな変化はありませんが、先ほどの「アンチ舛添(女性の幅広い年代+その動きを支持する男性)」層からのツイート言及数が増えたことで、舛添要一氏への言及ツイートが若干の若返りを見せています(前回40代~50代:34.6%/今回40代~50代:33.1%)。家入一真氏についての言及は前回より10代20代の比率が若干ですが減りました(前回10代+20代:48.7%/今回10代+20代:42.6%)。

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男女比については各候補ほぼ変動はありませんでしたが、家入氏のツイートは前回(男性:64.1%/女性:35.9)に比べて、男性比率が他候補へ近づき全期間では(男性:69%/女性:31)で落ち着きました。

各候補者向けツイート内容のポジティブ・ネガティブ判定

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調査期間を前半後半で分け、候補者名が個別言及されているツイートを、ポジティブネガティブ分析にかけました。ツイート内容が「候補者支持」であればポジティブ逆ならネガティブとしています。先に出した例のように「アンチ舛添」ツイートが増えたにも関わらず、ポジティブ層の割合が若干増えているのは、「舛添氏の優勢」をツイートする声が各ツイート上で増えてきたことが原因と思われます。選挙運動期間前・後半でもっとも大きく変化があった候補者は、細川氏でしたが、候補者全体の傾向として、選挙期間中に候補者の支持不支持の割合が大きく変化することはなかったと言えます。

5候補者のTwitter上での支持パワー比較

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最後に選挙期間後半の「ポジティブ割合」に「言及ツイート量」を掛けあわせ「Twitter上での支持パワー」を算出し、5候補者内で比較しました。Twitter上の評価では、田母神氏が31%とトップ、ついで細川氏25%と宇都宮氏24%が接戦で、舛添氏が17%となりました。Twitterで多くのフォロワーを集める家入氏についても、候補者として言及されている割合ではそれほど影響力が発揮できていないようです。

まとめ

最後となりますが、これらはあくまでTwitter上だけでの調査結果です。Twitterを日常的に利用していない有権者はもちろん、Twitterを使っていても「政治的な話」をする事を好まない有権者や、Twitterの利用頻度やフォロワー数の大小などを無視し、強引に数量化し、傾向を出したものとなります。出口調査や事前アンケートなどの従来の調査データと、こういった特殊な環境下の調査の解析によって得られたデータの間に、どのような関連性が見つかるかで、選挙運動に活用可能かが今後検証されていくものだと感じながらまとめていました。

2/9はいよいよ投票日です。都内のみなさんはどの候補者に投票しますか?