世の中に出ているフォントは今や数えられない程の数があります。
漢字ひらがなカタカナがある日本語は、欧文フォントに比べると種類は少なくなります。それでもフォントそれぞれに特徴があり、どのフォントを使えばいいか迷ってしまうこともあるかも知れませんね。
基本として日本語フォントは「明朝体」と「ゴシック体」に分けることができます。これは欧文フォントの「セリフ」と「サンセリフ」にあたります。セリフというのは、所謂「飾り」であり、“ウロコ”や“ひげ”とも呼ばれます。「サン」とは、フランス語で「〜のない」という意味で、「セリフのない書体」を表しています。
最も基本的な書体であり、幅広く使われています。みなさんはゴシック体と明朝体、どのように使い分けていますか?
まずは、それぞれの特徴から見てみましょう!
明朝体とゴシック体のあたえる印象
明朝体は縦横の線に抑揚がついており、飾りがついています。
ゴシック体は縦横ともに太さに違いがほとんどありません。
これがわかりやすい基本的な特徴。では与える印象の違いはいかがでしょう?
明朝体が与える印象は【大人っぽさ 洗練された 上品 知的】
また、太さによっても印象はさらに変わってきます。
優雅で繊細な印象を与えることが多いのが明朝体です。そして、可読性に優れています。
ゴシック体は【子どもっぽい 親近感 存在感があり目立つ】
力強さなど、人の目を引きやすくなります。可読性より視認性に優れたフォントです。
それぞれ与える印象は正反対ですね。これだけ印象の違いを理解しておくと、フォントを選ぶときに楽かも知れません。
実際に使用してみる
では、二つのフォントはどのような使い方をしてあげるといいのでしょうか?
「見出し」と「本文」で大きく分けてみていきたいと思います。比較的長くなりやすい本文から。
上記のように長い文章は、力強いフォントが並ぶと読みづらくなってしまいます(上)。可読性に優れているのは明朝体のように繊細なフォントです(下)。ですので長文には明朝体が適しているということです。しかし、ゴシック体が駄目というわけではないので、ゴシック体も使用していいと思いますが、読みやすさに関しては明朝が良いというわけです。解像度で左右されるWebやデバイスにおいては、飾り(セリフ)のないゴシック体のほうが読みやすいこともあります。
ではゴシック体はどのようなものに適しているのか。
視認性に優れているゴシック体は、もともとはキャプションに使われるフォントでした。細いウェイトでも読みやすいので、図や短い文章などにむいています。
また、見出しやタイトルもゴシックにすることをオススメします。明朝の細さでは文章のまとまりが感じられにくく、少し読みづらいものになってしまいます。
基本的にはこの法則に従うことはおススメですが、もちろん決まりはありません。文字の大きさ、太さ、種類によって読み手にどのようにとらえられるか全く変わってくるのがフォント選びの難しいところですね。