スーパーボウルのCMで感じたモメンタリーマーケティングの重要性

eyec

こんにちは、アクトゼロの山田です。

先日アメリカで行われたスーパーボウル。みなさんはご覧になったでしょうか?アメリカでは国民的な行事で、テレビの視聴率は46%以上で視聴者数は1億1000万人にも上ります。
昔から、このスーパーボウルは、スポーツの一大イベントであると同時に、広告業界においても非常に重要なイベントになっており、各企業がしのぎを削るプロモーションの舞台ともなっています。 特に試合中に放映されるCMは、スポンサー企業にとって1年で最も重要とも言える露出機会であるため、各社様々な飛び道具的なアイデアを持ち込み、近年では、放送直後にSNS上で話題になるというのが定番の流れとなっています。ちなみに、今年のCM放映料は、30秒で500万ドル(6億円程度)と言われており、スーパーボウル専用のコマーシャルの制作費を考えると、まさにとてつもない金額が動いていることになります。

まずは、そのスーパーボウル用のCMで、今年話題になったものをいくつか見てみましょう。今は、YouTubeのおかげで、後から振り返ることができるため、便利になったものだと実感します…。

個人的に最も印象に残ったのはこちらで、ケチャップで有名なハインツのCM。
これはもう説明不要、ケチャップ・マスタードとホットドッグの相性をうまく表現しており、正にアメリカンなノリに仕上がっています。ちなみに1分のCMなので、放映料12億円!



次は正統派のもので、自動車メーカーアウディのCM。生きる気力を失った老人、映像からは宇宙飛行士として輝かしい功績を残してきたことが窺い知れます。息子は彼を連れ出し、アウディのスポーツカーを運転させることで、かつての記憶が呼び起こされ、再び生きる活力を取り戻す…という内容です。シンプルなストーリーですが、演出や構成はまさに映画を見ているような感じで、とても質感の高い映像に仕上がっています。また、先日亡くなったデヴィッド・ボウイの「スターマン」が使われているのも、心に訴えかけるものがあります。



もちろん、日本の企業も沢山CMを放映しています。例えば、「ポケモン」は下のようなCMを放映し、20周年という記念イヤーを前面に押し出しています。



他にも、トヨタプリウスのCMも話題になっており、銀行強盗が強奪したプリウスに乗って逃走劇を繰り広げるという内容で、その燃費の良さをうまく伝えるストーリーになっています。



最後に衝突回避自動ブレーキによって、居眠り運転によるパトカーへの衝突を防ぐといった小気味よい展開もあり、ドラマや映画を見ている気持ちにさせてくれます。
このプリウスのCMは、スーパーボウルだけに留まらずYouTubeで続編が公開されるなど、テレビとネットの連携もしっかりと考えられているのも特徴です。

モメンタリーマーケティングは無視できない

たった1日のお祭りのために、各社、まさに社運を賭けているといっても過言ではない取り組みをしているわけですが、ここで感じたのは、わずか30秒や1分といった短い時間(モメンタリー)で消費者にアプローチするプロモーションの重要性です。昨今、企業と消費者の関係は、持続的(パーマネント)なコミュニケーションを重要視される傾向が強くなっています。これはソーシャルメディアによって生まれた新たな顧客接点に起因するわけですが、マーケティングに課せられるミッションを考えた時には、それだけでは不十分です。

例えば、ブランドのイメージを強く印象付けるためには、接触機会を増やして地道にアピールするよりも、今回紹介したスーパーボウルのように、多くの国民が注目する瞬間的に強烈なインパクトを与えることの方が有効に作用する可能性が高いです。デジタル領域では、細かなデータを重要視するあまり、定量的に効果測定のしやすい地道なマーケティング施策になりがちです。

最近、期間限定の瞬間風速的なWebキャンペーンは以前よりも少なくなっているように感じています。これは達成目標を数値化しやすい広告を活用する傾向が強くなっているためなのですが、目的によっては、キャンペーンのようなモメンタリーなマーケティング手法をもう一度見直す必要があるのではないかと感じます。パーマネントなマーケティングとモメンタリーなマーケティング、今一度、双方の強い点を見直すことが、デジタル戦略において求められているのかもしれません。

アクトゼロ / 山田