流行語、ソーシャルデータで大予測 ~2015ユーキャン新語・流行語大賞を、Twitterのデータから読み取る

こんにちは。アクトゼロの高寺です。

早いもので今年の終わりまであと2ヶ月を切り、弊社の営業日で言えば残りわずか30日となりました。

昨日、現代用語の基礎知識による「2015ユーキャン新語流行語大賞」のノミネートとなる50のキーワードが発表されました。これも毎年恒例の、年末を感じさせる話題の一つですね。

一昨年、弊社のブログ記事で、一年間でつぶやかれたTwitterのソーシャルデータを基に、ノミネートの中から有力候補を選ぶという企画を行いました。(参照:2013.11.29 2013ユーキャン新語流行語大賞を、Twitterソーシャルデータ解析で大予測

その際、弊社の予測では、「倍返し」「今でしょ」「激おこぷんぷん丸」の3候補を押したのに対し、結果は「今でしょ!」「お・も・て・な・し」「じぇじぇじぇ」「倍返し」と、まさかの複数(その前年までは対象は1ワードだけでした)しかも4ワードもが選出されるという結果となり、結果的に半分は当てることができました。

そこで2年ぶりになりますが、データセクション株式会社の解析ツール「Insight Intelligence」を使用して、Twitter上でつぶやかれた流行語のワード毎によるデータ(集計期間:2015/1/1~2015/11/11)を解析し、Twitterで人気だった新語・流行語は何だったのかを検証していきたいと思います。ノミネートされた50ワードは以下の通りです。

爆買い/インバウンド/刀剣女子/ラブライバー/アゴクイ/ドラゲナイ/プロ彼女/ラッスンゴレライ/あったかいんだからぁ/はい、論破!/安心して下さい、穿いてますよ。/福山ロス(ましゃロス)/まいにち、修造!/火花/結果にコミットする/五郎丸ポーズ/トリプルスリー/1億総活躍社会/エンブレム/上級国民/白紙撤回/I AM KENJI/I am not ABE/粛々と/切れ目のない対応/存立危機事態/駆けつけ警護/国民の理解が深まっていない/レッテル貼り/テロに屈しない/早く質問しろよ/アベ政治を許さない/戦争法案/自民党、感じ悪いよね/シールズ(SEALDs)/とりま、廃案/大阪都構想/マイナンバー/下流老人/チャレンジ/オワハラ/スーパームーン/北陸新幹線/ドローン/ミニマリスト/ルーティン/モラハラ/フレネミー/サードウェーブコーヒー/おにぎらず
新語流行語大賞公式サイトより引用

Twitter出現率ランキング「トップテン」

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まずは、Twitter上でつぶやかれた数が多かった出現率ランキングトップ11を見ていきましょう。

アイドルグループを描いた音楽・アニメ・ゲーム作品である「ラブライブ」のファンを示す「ラブライバー」が圧倒的なトップとなりました。

次いで2位が「チャレンジ」でしたが、こちらは不正が発覚した電気メーカーで使われたワードとしてのノミネートだと思いますが、”チャレンジ”自体、非常に一般的に使われるキーワードで、問題発覚以前も一日約4000件平均で使われているため、狙いの意味で使われた実際の数は10万程度の数値になると考えられるので以降パスしていきます。

毎年、ノミネートが多くされるお笑い部門からは「ラッスンゴレライ」「あったかいんだからぁ」がランクインしています。(昨年は「ダメよ~ダメダメ」が大賞に選ばれています。)

また、今年は安全保障関連法が可決され、それを巡るニュースも多く報道されました。「戦争法案」「シールズ」が4・5位にランクイン。住民投票の結果が注目された「大阪都構想」も11位にランクインし、政治関係のワードも上位に入りました。

次いで、ラジコン型空撮カメラの「ドローン」、人気歌手の歌詞の一部がネット上で流行になった「ドラゲナイ」、パクリ疑惑から取り消しになったオリンピックの「エンブレム」、今秋から開始された制度「マイナンバー」と並びます。

では、以降はこのトップ11から”チャレンジ”を抜かした10ワードを中心に見ていきましょう。

最大瞬間風速ランキング

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各ワードにおいて週ごとに計測し、期間中で最もツイート数が多かった順のランキングです。短期間でいかに大きな流行が起きたかが分かると思います。

こうなると、順位が大きく異なり、「エンブレム」が一気にトップになりました。8/31~の週が9.6万ツイートとなっており、エンブレムの使用中止を発表した9/1が大きく寄与した結果だと思われます。

2位には「ドローンが」ランクイン。4/22に起きた、官邸屋上に墜落したドローンが放射能物質を積んでいた報道がされた時がピーク。このニュースをきっかけにドローンの存在が一般的になった記憶が新しいですね。

3位の「ラブライバー」は、5万ツイートを超えるピークの週が7回もあり、総数では圧倒的1位なことが頷けるデータになっています。ピーク週である7/20は、”海の日”で祭日でしたが、キャラクターのうちの一人の名前に掛けて、”海未の日”とハッシュタグを付けてツイートする習慣が2013年頃からラブライバーの間で流行っているのだとか。

「シールズ(SEALDs)」「戦争法案」ともに、安保関連法に反対する国会前での大規模デモがあった9月16日の週がピークだったのは予想通りでしょう。

ポジティブ・ネガティブ傾向ランキング

各ワードの前後のワードを抽出し、どのような文脈のツイートを行ったか解析し、そのワードをポジティブな意味合いで使ったか、ネガティブな意味合いで使ったかを調査してみました。

<上位10ワードでポジティブに使われた傾向の高かったものトップ3>
「ラブライバー」(73.3%) 「ラッスンゴレライ」(68.7%)
「あったかいんだからぁ」(60.3%)

<上位10ワードでネガティブに使われた傾向の高かったものトップ3>
「ドローン」(64.2%) 「戦争法案」(61.8%) 「シールズ」(52.4%)

ポジティブなものには、趣味やお笑いなど、いわゆる楽しむための娯楽的要素の多いキーワードが並びました。ネガティブなものには、大方予想通りのワードが並んだと思います。ただ、「法案に”反対”」だったり、反対する勢力に対して非難するツイートでもどちらともネガティブとして捉えられているので、なかなかネガティブの定義が難しいところではありますが。

世代別利用傾向ランキング

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ツイートしたユーザーを、各ワード毎に世代別の割合を算出して比較し、世代ごとに使われる傾向の高いワード上位3位までを整理しました。

若い世代では、先に述べたポジティブに関連する、娯楽的要素の高いキーワードを多く使う傾向があるようです。対して、50代・60代の高齢層は、社会的なニュースに関するワードを多く使う傾向にあると思います。「エンブレム」は比較的、広い層で使われる傾向があったようです。

さて、大賞に輝くワードは?

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以上のデータを踏まえ、予測してみましょう。

まず、ツイート数が圧倒的なトップだった「ラブライバー」ですが、ツイート数では圧倒し、今年は社会現象として報道等でも見かけはしましたが、ほぼ若い世代中心として熱狂的に支持されている傾向が強く、また2013年も圧倒的な数だった「パズドラ」が大賞を逃したところから選出には懐疑的なものの、無視できません。

社会ニュースからのランクインが多かったのも印象的です。50~60代の戦争を間接的に体験してきた世代がツイートで憂いている現状があるといえるでしょう。「戦争法案」は有力ではないでしょうか。

また、ここ数年、ほぼ毎年お笑い界から選出されてきています。「戦争法案」というネガティブイメージの強いワードに対して、ポジティブな娯楽的要素の強い「ラッスンゴレライ」も、総数からしても有力ではないでしょうか。

「エンブレム」も国立競技場の立替問題と連動して大きな話題になり、幅広い年代層で話題になり、最大風速的にはトップでした。

大賞発表は12/1(火)です。皆さんはどのワードが大賞を受賞すると思いますか?