動画生中継サービス「Stickam」 を試して気づいたこと

20110704_00

ライブストリーミングサービスと聞いて、真っ先に思いつくのは「Ustream」や「ニコニコ生放送」だと思いますが、その他にも、「Justin.tv」など海外発のwebサービスが存在しています。そうしたサービスの中、今回は「Stickam」を実際に使って気づいた点についてレポートしたく思います。

<Stickam JAPAN!  http://www.stickam.jp/

StickamはSNS機能を強めたライブストリーミングサービス

米国 Stickam.comがサービスを開始した2006年2月のおよそ半年後、2006年9年に日本語版のサービスを開始と、意外と古くから展開しています。早くから日本の企業がサービスを展開していることもあり、他の海外系ライブストリーミングサービスと比べ、ヘルプなど非常に分かりやすく整理・解説されています。配信までのステップやフローも簡単で、初心者でもすぐに配信ができるでしょう。実際、私の場合、アカウント作成から配信開始まで、ほんの10分程度で完了することができました。

<自宅の愛猫の様子をテストでストリーミング配信。押入れがお気に入りの昼寝場所。>

webカメラや、DVカメラ等から、手軽にライブストリーミングができたり、Twitterと連動した情報共有・拡散ができる点は、Ustream等と大きく変わりませんが、最も大きな違いは、”視聴者が動画チャットで配信主と会話ができる”点でしょう。登録したユーザーであれば、配信主の画面横の小画面に動画で参加し、配信主と会話することができます。(配信側でチャットの不可も設定できます。)つまり、放送中の番組に突然出演できるようなものです。使い方によっては、複数の配信先から、同時中継が出来たりと、面白い企画が実現できそうです。

動画チャットで配信に参加できるところからも言えますが、他のサービスと比べ、よりSNS機能を充実させたサービスであることが分かります。メンバー同士のサイト内部メール、お友達登録、ユーザー登録で自分のプロフィールページを持ったりでき、動画配信を通してユーザー同士でコミュニケーションを図るところに主軸を置いたサービスであるといえるでしょう。実際のユーザーを見ていると、番組形式の中継というよりも、動画ライブチャットとして利用されているように感じました。このサービス構造は、Ustreamというよりも、ニコニコ生放送に近いもののように感じます。(実際、放送時間に制限のあるニコ生の避難先として利用するユーザーも多いようです。)

限定対象だけに配信

SNS面を意識したからこそ装備された機能がStickamにあります。

◆Stickam上の「お友達」だけに配信
通常、多くの視聴者と動画を共有するのがライブストリーミングの目的の一つだと思いますが、一般視聴者には見られずに、Stickamでお友達になった人限定に配信することができます。これは、無料の動画配信プラットフォームでありながら、一般のユーザーを排除し、視聴者を限ったクローズ配信環境を実現することを意味します。Ustreamで株主総会に来れない株主にも動画配信したいが一般の人には公開したくない、などといった場合や、遠隔地の事業所同士でネット会議を行いたいといった場合に使えるのではないでしょうか。

◆Facebookの友達/mixiのマイミクだけとチャット・映像公開
Stickamの「お友達」の別プラットフォームとして外部サイトのコミュニティーを入室制限に使用することができます。Facebookの”友達”、mixiの”マイミク”に限ってチャット参加OKにしたり、配信映像を視聴できなかったりの制限をかけることができます。知り合いだけへのプライベートなコンテンツを一般に見せたくないという思いからサービスだと思いますが、プロモーションで活用する視点から見ると、”友達”になった人限定で特別配信動画を視聴させる、といった使い方ができそうです。

企業プロモーションでの活用を考えたときに

企業のイベント中継などのプロモーション番組や、ドラマ・音楽ライブ中継などの商業番組、JAXA・政府機関などによる利用などと、団体単位による活用も積極的に展開しているようです。また、配信画面のカスタマイズがCSSの編集から可能、月額プレミアムサービス(月額数百円~)で広告の非表示やHD配信・アフィリエイト広告掲載などができる、というように企業ユーザーライクなサービス設計になっています。


Stickamを少し眺めていると分かりますが、日常的に配信されているコンテンツは以下のものが多く占めているようです。

・動画ライブチャット(生活のダダ漏れも含む)
・デスクトップ中継(イラストやマンガを描く様子)
・ゲーム実況(PC・ゲーム機のスクリーンキャプチャ)
・楽器の演奏(ギター・ピアノ等を演奏しながら歌う)
・宗教の法話(教会の講堂のような場所から)

番組の形として構成されたものではなく、個人の生活の一部をそのまま配信しているノリのものが中心のため、企業のプロモーションの場として使うにはどうだろう?というのが正直な感想です。

また、動画チャットはアダルトな会話・表現もされているようで、男女の出会いの場として使われることもあるようです。(Stickamのユーザー登録は14歳以上の年齢制限を設けていたり、クローズ環境下でも一般公開と同レベルの監視を行っているアナウンスがあります。) 企業プロモーションのコンテンツが、このようなコンテンツと並ぶと思うと、なかなか採用には難しそうです。

google+もいずれは・・・

ところで、先週、SNS界の話題をさらった「google+」。”サークル”という単位で、友人を「職場」「同級生」「家族」などのように、いくつかの属性に分けて管理ができるのが一つの特徴です。

そんなgoogle+の機能のひとつに「ビデオチャットルーム」というものがあります。webカメラを使って、友人の顔を見ながら会話(チャット)を楽しめます。その中にYouTubeボタンがあるのですが、ここからYouTubeのファイルを検索・再生表示し、チャット参加者と動画を一緒に見ながら会話する機能があります。

<つい先週、会社の仲間と試したばかりで、Stickamの機能を見ていてすぐに思い出しました>

YouTubeは、今年4月からパートナーに限り、動画ライブストリーミングが可能な”YouTube Live”を開始しました。今後、一般ユーザーの利用を開放することが考えられるため、google+とYouTube Livenの存在は、Stickamの大きなライバルとなることは間違いないでしょう。