中国人観光客の圧倒的購買力!日本を訪れる外国人観光客が「何を買っているのか」を最新データで見る

(この記事はビジネスジャーナルに2015/01/14寄稿した元原稿です)

アクトゼロの黒沼(@torukuronuma)です。

今日は、外国人観光客の日本での消費活動について最新データで見ていきたいとおもいます。まずは観光客の国籍別内訳です。

どの国(地域)からの旅行客が多いの?

日本政府観光局(JNTO)の最新データによる、2014年1月から9月までの国籍別外客数は、以下のとおりです。

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上位3地域(台湾・韓国・中国本土)の合計で全訪問数の60%超をしめます。これに米国・香港・タイまで加えると全外客数の75%までになり、米国を除くと日本の観光客は大きくアジアに偏っている事がわかります。以降のデータはこの上位6地域を対象として、国土交通省観光庁が2014年7月~9月に調査したデータをグラフ化していきます。

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日本に訪れた人たちの国・地域別の訪問回数割合です。台湾や香港の観光客にはリピーターが多く見られる一方、中国本土からは突出して「初めて日本に訪れる観光客」が多いのがわかります。この初めて訪れた観光客をどれだけリピーターに変えることができるかに、今後の日本の観光ビジネスの成功がかかっていると言えます。

日本で何にお金を使っているの?

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宿泊施設に費用を割くのは中国人と米国人で、飲食費には大きな差はありません。グラフの中で最も特徴的なのは、2位のタイとダブルスコアをつけた中国人観光客の「買い物代」です。調査平均で12万円を超えるなど、中国人観光客にとってショッピングが重要な旅行の主目的になっていることがわかります。逆に買い物に割く金額が少ないのは韓国で、消費傾向は鈍いのがわかります。

日本で何を買っているの?

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購入額が大きい緑色のバー「カメラ・ビデオカメラ・時計」精密機器は相変わらずの存在感を示しています。ショッピング志向が旺盛な中国特有の特徴として、「電気製品」の購入額が大きいのがわかります。経済系テレビ番組などで炊飯ジャーを大量に購入する中国人などがよく放映されますが、正にあれですね。また中国人観光客には「化粧品・香水」「服(和服以外)」の人気が高いこともわかります。親戚知人からの頼まれものとして買っていく場合もありますが、一部転売目的での購入も多いと言われています。

ちなみにマンガ・アニメ・キャラクター関連商品に関しては、多い国でも1万円程度で意外と金額的には小さいようです。

日本旅行の満足度は?

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旅行の満足度調査です。「必ず来たい・来たい」合計でほぼ90%の高い満足度をえられています。ネガティブな反応はほぼなく、日本を訪れた多くの観光客は「また来てもいい」と考えているようです。

再訪旅行者による大きな旅行者の伸びが期待できる「中国」

こうしてみると、「買い物」に大きな魅力を見出している中国人観光客の特異性にやはり目が止まります。ショッピング欲旺盛な中国人観光客の内「60%」は初めて日本を訪れた人たちでした。滞在の満足度は高いので、この初めての観光客のいくらかがリピーターとなってくれれば、今後も中国人観光客の買い物ツアーが日本経済にもたらす効果はどんどん大きくなっていくと考えられます。2020東京五輪までに、まだまだ盛り上がって欲しいものですね。

 [アクトゼロ/黒沼(@torukuronuma)] 

photo by Morten Skogly