「体験」から広がっていくソーシャルコミュニケーション

遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い致します。

昨年は、まさにFacebookを中心にソーシャルメディアが大きく躍進した1年でした。今年もその流れが続くと考えられるますので、この「ソーシャルメディアインサイト」も様々な話題をお送りできればと思っています。
2012年の一回目は、ソーシャルメディア上でのコミュニケーションについて、特にFacebookでのウォール運用の考え方と、コミュニケーションを生み出すためのポイントを考えてみたいと思います。

ウォールを通じた「体験」の提供

Facebookページで最も重要なのは、ウォールの運用といっても過言ではないかと思います。常にリアルタイムに変動し、気軽にアクションを起こせる機能として、その可能性は無限大です。ウォールを通して活発なコミュニケーションを生み出していくことが、Facebook活用の肝だと言えます。

そもそも、ウォール上でコミュニケーションを生み出すために何が必要かと考えた時に、最も分かりやすく繋がる要素として「共感」が挙げられます。「共感」することで双方向の関係が築かれ、そこからさらに連鎖した広がりが生まれると言えます。

そういった観点から、一般的なWebサイトの延長線上にあるような、「○月○日に新製品を発売します!」といった一方的な「情報」を発信するだけでは、「共感」は生まれにくいでしょう。

では、どういったところから「共感」が生まれるのでしょうか?

「共感」を生み出すためには、何か同じものを通じて感情を共有することが必要です。その中でも、最も分かりやすく「共感」を生み出すことができるのは、ズバリ「体験」だと言えます。つまり、企業とファンが「体験」を「共有」することで連帯感が強まり、「共感」が形作られるのです。 

ウォールを通じて、いかに「体験」を共有できるかが、コミュニケーションを生み出す大きなカギになります。

「体験」を”リアル”にする要素

ウォールを通じた「体験」といっても、色々なことが考えられます。商品の疑似的な「体験」や、ブランドの持つ世界観の「体験」等…企業にとってそれは、必ずしもひとつだとは限りません。そういった独自の価値を持った「体験」を高めていくことが、ファンとの良質なコミュニケーションに繋がっていくのです。

「体験」の価値を高めるものとは何か?

それは、その「体験」がどれだけ”リアル”かということに尽きると思います。「体験」をリアルにする要素として考えれらるのは…

・ライティング…一貫したトーン&マナーに沿ったテキストでの演出
・投稿の時間…時間を共有する演出
・写真…視覚的な演出

シンプルな文字だけの投稿でも、その裏側にある情報を「想像」させることで、深い疑似体験を演出することが可能ですし、当然ながら写真という直感的に分かりやすい要素のインパクトは絶大です。昨年来ブームとなっている、診断系Facebookアプリが爆発的に拡散していることを考えても、テキストと写真の組み合わせがウォール投稿されることで、強い印象を与えられると言えます。そして、時間を考慮した、リアルタイム感の演出も、非常に効果的です。

こういった要素を、企業や商品・サービスに合わせてカスタマイズすることで、印象的なウォールの世界観を作り出していきます。ここで注意が必要ななのですが、必ずしも他社の成功事例が、そのまま自社でも通用するわけではないということです。

ソーシャルメディアを有効に活用するには、自社にあった方法論を作り出すことが重要で、他社の真似ごとが裏目に出てしまうケースも十分にありえます。

ソーシャルメディアは常にトライアンドエラー

既にある事例に学びながら、自社にあった方法を作っていくこと。そして、その方法を常に改善し続けていくこと。
始めは中々うまくいかなくても、地道にトライアンドエラーを繰り返していくことで成果が出るのも、ソーシャルメディアの特徴です。

まず、自社が発信できる「体験」を探り、共感を作り出していくことから、ファンとのコミュニケーションが始まります。

結果が出ず、放置されたFacebookページも増えてきています。

張り切って初めてしまうと、そのスタートの勢いから、すぐに結果を求めてしまいます。しかし、継続したコミュニケーションを生み出してこそのソーシャルメディアですので、早急に結論を出してしまうのではなく、長いスパンで捉え、自社に合ったスタイルを模索することこそ、正しい取り組だと言えるでしょう。

くれぐれも「ソーシャル疲れ」に陥らないよう、注意しましょう!