人気Facebookページから盗め!ウォール投稿テクニック

暑い日が続きますが、みなさまお体は大丈夫でしょうか?夏バテをしないように、体調管理をしっかりとしていきましょう!

さて、今回はFacebookページのウォールへの投稿スタイルと、人気のFacebookページにおける投稿テクニックを考えてみたいと思います。

大きく分類して3スタイル

まずは、ウォールへの投稿スタイルについて、実際に投稿される内容を基にして定義してみたいと思います。
Facebookページのウォール投稿は、大きく分けて以下の3つのスタイルに分類されるのではないでしょうか。

・情報訴求型
自社の製品やサービスを訴求するスタイル。製品の特徴はもちろんのこと、最近では活用方法などを投稿するケースが多くなっています。

・質問型
運営側から問いかけをするスタイル。商品やサービスに関する質問はもちろんのこと、最近ではFacebookの「クエスチョン」機能を使用したアンケート形式のものが多くなってきています。

・つぶやき型
ツイッターに近い担当者目線でのつぶやきを発信するスタイル。担当者のパーソナリティに関わる部分など、商品やサービスと少し距離をおいた内容のもの。企業の担当者を身近に感じることで、企業自体に親近感を持っていただく狙いが強いと思われます。

この3つをさらに細分化することもできますが、今回は分かりやすくするために、この3つで考えてみたいと思います。

フィードバック率を見てみると…

それでは、具体的にそれぞれのスタイルごとに、エンゲージメント率を見てみましょう。エンゲージメント率とは、フィードバック数をファン数で割りその割合を表したものになります。

実際に巷で話題の(!?)伊藤ハムさんのFacebookページを参考にして、エンゲージメント率をだしてみましょう。表は、1クリックで参加できる「いいね!(投票含む)」と「コメント」に分け、それぞれの投稿スタイルで2回分の平均値を出してみました。

・情報訴求型
8月2日と4日に投稿されたレシピ紹介と商品の紹介を取り上げます。

・質問型
8月1日と7月28日に投稿されたクイズとクエスチョンを取り上げます。

・つぶやき型
7月29日と6月9日に投稿された直接商品とは関係ないつぶやきを取り上げます。

伊藤ハムFacebookページに見る巧妙なテクニック

通常、単なる情報発信がメインになれば、ファンからは単なる宣伝としての見方をされてしまうため、エンゲージメント率が下がる傾向があります。しかし、伊藤ハムさんの場合はどのスタイルにおいても、平均的に同じ水準のエンゲージメント率を保っています。その理由を探るべくウォールへの投稿内容を分析することで、その巧妙なテクニックが見えてきます。

■クエスチョン機能を使い、気軽に参加してもらうテクニック
ファンに質問やアンケートを投げかけることは手軽なコミュニケーション手段の一つですが、そのやり方一つでエンゲージメント率は大きく変わってきます。

7月28日のクエスチョンへの回答数は、通常の「いいね!」の数よりも大幅に多い数になっています。これは、Facebookのクエスチョン機能を用いることで、ワンクリックで気軽に投票できることから、多くの方が参加した結果だと考えられます。また、わざわざFacebookページにアクセスすることなく、自身のウォールに投稿されたクエスチョンから投票できるという点も、大きな要因の一つでしょう。

逆に、一般のテキスト投稿で質問をした場合、回答をコメント欄に頼るしかなく、「回答=コメントの投稿」という参加のハードルが上がったものになってしまいます。その点は、数としても表れており、回答数がクエスチョン機能を使用するより極端に低くなっています。

■情報発信のエンゲージメント率を高めるテクニック
さらによく見てみると、伊藤ハムさんの投稿にはエンゲージメントを高めるヒントがまだまだ隠されています。

・コメント欄でのファンとの対話
情報発信がメインになると、どうしても宣伝色が強くなります。そこで、コメント欄をうまく使いファンと対話することで、宣伝色というネガティブイメージの排除に成功しています。
また同時に、ファンとの対話を細かく行うことで、良質なコミュニケーションを生み出すことに成功しています。

・キャラクター(担当者)の言葉で話している
企業のFacebookページでは、しっかりとした言葉づかいでの投稿が多く見受けられます。
会社の顔にあたりますので、当然のことではあるのですが、これはファンとの間に距離ができてしまう原因の一つになってしまいます。

その距離感を排除する一番の方法が、キャラクターを設定して親近感を生み出すことです。Facebook向けにキャラクターを設定してもいいですし、一人の担当者という見え方でもいいでしょう。その面で、「ハム係長」という設定を持っている伊藤ハムさんのケースは、親近感を生み出すことでファンからも気軽に話しかられる環境になっており、企業とファンの結び付きが非常に強いものになっています。このように、親近感をいかに生み出して、商品の情報を嫌味なく訴求することができるかという点は、Facebookページにおいてファンとのエンゲージメント率の向上にも大きくかかわってくる要素になります。
 

コアファンは企業にとって大きな財産

今回の伊藤ハムさんの事例は、ウォールへの投稿をメインとした展開の中で、いかにファンとのコミュニケーションを作り出していくかという課題について考える際、とても参考になるものです。

いかにファンとの対話を生み出していくか、そして、逆にファンから話しかけてもらえるか、という点がエンゲージメントという言葉で表されます。そのエンゲージメントというソーシャルメディアの考え方は、今までのWEBとは異なるもです。もちろん、ファンとの親密な関係は、時間を掛けて作りあげていくもので、一朝一夕に築けるものではありません。ただ、時間を掛けて獲得したコアなファンが、企業にとって大きな財産であることは間違いありません。すぐに結果が出ないからといいて諦めるのではなく、試行錯誤を繰り返しながら独自のスタイルを築き上げることで、きちんと結果を出すことができるのではないでしょうか。