「ワロスwwwBOT」事件。反発するユーザーと「まとめる」側のモラル

waros

金曜日のソーシャルメディアインサイトをお送りします。アクトゼロの黒沼です。

今日は、ネットのシェア文化をビジネスに変えてしまう企業と、それに反発するネットユーザーについてお送りします。Twitterを中心に人気BOT「ワロスwwwBOT」にまつわる炎上さわぎがありました。事件の概要はねとらぼの記事かこちらのまとめをご覧ください。

面白ネタを紹介するTwitterアカウント「ワロスwwwBOT」をめぐって、ネットユーザーから批判の声が上がっている。67万人のフォロワーを持つ人気ボットだが、以前より「他人のツイートをコピペしている」といった指摘があった。さらに最近になってこのアカウントを企業が広告媒体として利用していることが判明したため、“炎上状態”となっている。

問題の発端は、IT企業・ウィリルモバイルが作成した資料。「Twitter&Facebookより流入! スマートフォン広告のご提案」のタイトルでslideshare上に公開されていたものだ。ここでは「ワロスwwwBOT」のほか複数のボットを使って広告配信する手法と料金プランが示されており、「3万クリック保証(初回限定お試し特単):15万円」「100万クリック保証(消化日数70日±7日):350万円」などと記載されていた。

コピペツイートで人気獲得(?)の「ワロスwwwBOT」 企業による広告利用が判明し炎上 – ねとらぼ

ワロスwwwBOTの何が問題なのか

https://twitter.com/wwwww_BOT

ワロスwwwBOTは、日常的にTwitter上で多くリツイートされている人気ツイートを、公式RT(リツイート)するのではなく、自分の発言としてツイートし続けるアカウントです。勝手に自分のツイートをコピペされたユーザーからの評判は悪く、しかしそこに集まるツイートの面白さから、フォロワー数を順調に拡大し続けているアカウントです。多数のフォロワーに暇つぶしのネタアカウントとして重宝がられ、幾らかのユーザーからは煙たがられているそんな存在です。

Twitter&facebookより流入!スマートフォン広告のご提案

同アカウント上では、時折広告と思われる「笑えない普通のツイート」が流れてくることがあり、フォロワーの中には「これで広告収入をえてるんだろうな」という声が幾らかはありましたが、今回その証拠となるプレゼン資料がslideshare上に、ネット系代理店の資料として「Twitter&facebookより流入!スマートフォン広告のご提案」という題でアップされました。3万クリックで10万円から、100万クリックで350万円という価格帯で広告ツイートが販売されていたことから、もともと「コピペBOT」を問題視していたユーザーを中心に非難の声が上がったのでした。代理店担当者は、あくまで商品の一部で「ワロスwwwBOT」を運営しているのは自分たちではないということを公式サイト内で発表しています。以下ユーザーの代表的な反応です。

 

 

ネットの「シェアする文化」の延長線上としてのキュレーション

そもそもネットでは、情報が無料で手に入ってあたりまえという文化が利用者の前提思想として広く共有されていました。あらゆる画像・テキスト情報はコミュニティサイトを中心にネタとして消費され、ソーシャルメディアが流行りだしてからは、さらに「シェア」のスピードは増して、ネタの情報量自体も、発言ユーザーの増加とともに急増して行きました。

そんな中で、大量の「ネタ」をさばき、その中から価値あるものを抽出するキュレーション機能として、「ワロスwwwBOT」のようなアカウントや、多くの「まとめサイト」が立ち上がっているのが現在の状況です。

「まとめる側」のモラルが問われる時代

今回のケースでは、面白いツイートをかってに自分のものとして配信してしまう「ワロスwwwBOT」のお行儀の悪さと、実際にそれがいくらで売られているかと言ったビジネスの側面が露呈したことによって、強いユーザーの反発を招きました。また、このアカウントが、プログラムによって半自動的に運用されているBOTだったということも、その一因となっていると考えられます。

2ちゃんねるの人気スレッドをまとめる「2ちゃんねるまとめサイト」でも、2chユーザーと「まとめサイト」の間で幾らかの軋轢がありますが、それでも今回の件よりずっとまとめサイトが市民権を得ているようにみえるのは、まとめる際の編集センスが各「まとめサイト」にとってのうでの見せ所になっている部分があるからではないでしょうか。恣意的な編集に関しては、2012年6月に2ちゃんねるよりコンテンツの取り扱いについて一部ブログに警告文が出る事態となったことや、2007年から、2ちゃんねる内に、外部サイトへのレス転載の禁止が明言された嫌儲板が存在していることなどで、「まとめる側」の背筋を伸ばしたのではないでしょうか。

NAVERまとめなどの情報まとめサイトには、同一ソースからの全文転載の禁止や、情報の出元についての引用元記述を必須にするなどといった、オリジナルへの敬意を忘れないルールが、Webサービスとして徹底されています。

今回の炎上のウラにはまとめる側の、「転載元へのリスペクト、引用にあたってのモラルの欠如」があり、ユーザーはそれを敏感に感じ取っているのです。