6秒間のYouTubeバンパー広告、ユーザーの評価と効果は?

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月間ログインユーザーが、全世界で15億人を超えるほどの規模となったYouTube。世界中の動画のポータルサイトとして、その存在感は益々強めています。

基本的に無料で利用できるYouTubeの収益源は広告枠ですが、視聴したい動画が再生される前に挿入され、かつスキップできない広告は、視聴者にとって非常にストレスを感じ、本来広告として真逆であるネガティブな印象を与えかねません。かといって、スキップできる広告だとスキップボタンの方にばかりユーザーの目が行ってしまい、広告のメッセージが伝わらない…、といったジレンマがあります。

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昨年4月頃にリリースされた、「バンパー広告(Bumper)」と呼ばれる、6秒間という短尺のスキップできない広告。この1年間の間で、この広告の効果が非常に良いという話を耳にする機会が多くなってきました。

バンパー広告とは

プレゼンテーションなど、何事も”冒頭での掴み”が重要ですが、動画広告の場合「冒頭の5秒」でどれだけ視聴者の関心を掴み、メッセージを伝えられるかが重要です。特に15~30秒といった、TVCMを意識した動画広告であれば尚更でした。しかし、バンパー広告の6秒というのはそもそも、その”掴み”程度の短尺の動画広告で、スマホによるモバイルユーザーを意識した設計となっています。

この6秒という時間は、スキップしようと思い、マウスなり指なりでスキップボタンを押そうとするまでの時間にあたり、バンパー広告に慣れた視聴者であれば、そのまま見てしまった方が面倒がかからないと判断する時間でもあります。そのため、前述したような、スキップボタンに注目するがために広告の内容が全く目や頭に入らないということになりづらく、広告本来の効果を取り戻しました結果となります。

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Googleはこのバンパー広告に対して「動画広告の”俳句”(haiku)のようなものと考えている」と表現しています。5・7・5の17文字、6秒という短い時間といった「制限」の中で、最大限の印象を与える表現が求められる点において、バンパー広告と俳句は似ているといえるでしょう。

課金形式はインプレッション単価(CPM)制で、広告が 1,000 回表示される度に料金が発生する仕様になっており、これまでのYouTube広告と比べ、より多くのインプレッションを獲得できるように配信されます。

YouTubeは、2018年には動画の冒頭に流れるスキップすることができない30秒の動画広告を廃止する、とも発表しています。元々、オンライン動画広告におけるユーザーエクスペリエンスを改善する必要があると考えていた広告業界は、こうした流れを歓迎しています。

バンパー広告、ユーザーの評価と実際の効果は?

CPM課金という点から分かる通り、バンパー広告はランディング先への送客効果というより、どちらかというとブランディングに寄与することが期待できます。

株式会社ジャストシステムが2016年5月に実施した調査によると、バンパー広告に対して「そんなにストレスにならない」と思う人が38.9%、「動画の離脱原因になりにくい」と答えた人が37.3%、「広告やYouTubeへの印象も悪くならない」と回答した人が35.7%という結果でした。

4割近いユーザーは、バンパー広告に対してネガディブではない印象を抱いていることになります。

また、2017年7月の日経デジタルマーケティングの記事によると、インパクト重視の動画広告クリエイティブでブランドの刷り込みを狙い、動画広告を起点としてWebサイトに集客したことによって、2016年度のWebサイト経由の申込者数は前年度比で2倍になったという事例を伝えています。

クリエイティブは、上記の歯磨き編の他に、お茶編蛇口編囲碁解説編など13種類。

クリエイティブで注意すべき点

つい、制作側は広告に様々な情報を詰め込みがちですが、とにかく6秒間とは非常に短い時間です。最も重要な事は、要素を詰め込まず、訴求ポイントをひとつのみに定めることです。

「商品名」「キャンペーン名」「企業名」「サービス名」「ロゴ」「商品機能」「商品特徴」など、バンパー広告で訴求するポイントを、シンプルな目的に落とし込み、そこをゴールとし、6秒という短い尺で視聴者にインパクトを与えるクリエイティブを制作することが重要です。前述のプロバイダー企業の場合、「サービス名」の訴求に絞ったクリエイティブの例と言えるでしょう。

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YouTubeのバンパー広告は、6秒間という制限があるからこそ生まれた新しい動画広告の形だといえるでしょう。TVCMに代表される、15秒・30秒の旧来の動画広告が受け入れられづらくなりつつある現代の動画広告なのです。