FacebookGifts(ギフト)は日本のユーザーに受け入れられるのか

アクトゼロ黒沼です。ソーシャルメディアインサイトをお送りします。

Facebook、新たな収入源「Gift」発表 友達に好みのプレゼントを贈れる新機能 – ITmedia ニュース
こちらの記事に詳しいですが、Facebookは新サービスとして「FacebookGifts」を近日スタートさせます。今日は、この「FacebookGifts」のサービス登場は日本のユーザーににどういう変化をもたらすのかという未来予測をしてみたいと思います。

Facebookが日本の「誕生日」を変えた

日常的にFacebookを使っているユーザーならば、Facebook上陸前とその後で誰かの「誕生日」に触れる機会が大きく増えたと感じていることと思います。

改めて説明するまでもないと思いますが、Facebookのニュースフィード画面の右上には、その日誕生日を迎える友人が表示されます。僕のFacebookの友人数は200名ほどですが2日に1度はここに、誕生日を迎える誰かしらの名前が表示されています。普段それほど親しくない人の誕生日でも一言お祝いを言いたくなるもので、誕生日欄に気づくと思わず「おめでとう」を伝えたくなるユーザーは多いのではないでしょうか。

PCを立ち上げ、Facebookにアクセスし誕生日欄に友人の名前があることに気づき、一言おめでとうを伝えて一日が始まるという人は多い気がします。それと同時に人間づきあいに慎重な人は、Aさんには「おめでとう」言ったから、Bさんにも言わなきゃという「おめでとうの義務化」も起きているのではないかと思います。

それまで最も近しい人の誕生日しか記憶になくて当たり前だったのに、Facebookを通して誕生日のアラートに日常的に触れる機会を得ることで、知り得た誕生日には親しさの有無にかかわらずその全てにお祝いを伝えてしまうという「誕生日の均等化」が起きているのです。

Facebookギフトの登場

Facebookギフトですが、僕がサービスの概要を聞いて一番近しく感じたのはAmazonのウィッシュリスト機能でした。

Amazonのウィッシュリスト機能は自分が今欲しい商品をリスト化し一般に「ウィッシュリスト」として公開しておくことで、自分を知っている人間がその中から受け取る本人がほしいものをプレゼントすることができるといったサービスです。海外では個人のブログとかに表示されているのを見る気がしますね。送りたい側の選択が必要なくなる、合理的なシステムです。…ちょっと味気なくも感じますが。

Facebookギフトでは、Amazonウィッシュリストのように自分で好きな商品を提示しておくことは出来なそうですが、代わりにFacebookギフトを通して受け取ったプレゼントを同等の価格の他の商品に変更する事が可能です。プレゼントのミスマッチを減らすことに繋がりそうです。

さて、国内でどのように使われるでしょうか?

先述した「誕生日にお祝いコメントしなければ…」と半分義務のようになってしまっている人にとっては、ハードルの高いサービスであると言えそうです。友人のうち誰か一人にのプレゼントをしたとして、その後プレゼントを送る相手と送らない相手の線引をすることにストレスを感じる人は多いのではないでしょうか。実際にはサービスを通してプレゼントが送られる際には、受け取る人のタイムラインに投稿することもできますし、メッセージ機能のように、受け取る本人と送った本人にしかわからないようにして送ることも可能です。それでもなお、自分の中での「友人の線引」に苦しむ人はいる気がします。

仮にギフトが定着を見せたとして、友人達がプレゼントをしている中で自分だけがプレゼントを送らずにいられるでしょうか?同調圧力に敏感な人はいずれ、プレゼントを送る側へ移行していくと予想します。何しろ毎日誕生日のアラートを受け取るのですから。

まとめ

FacebookGiftsは間違いなくユーザーに小額決済の機会を増やすでしょう。Facebook上で決済体験をユーザーにさせることで、決済のチャンネルを開かせることに成功するでしょう。
Facebookは現在広告収入に頼り切りの状態ですが、FacebookGiftsを今後の多様な有料コンテンツ利用の拡大を目指した足がかりと考えているのではないかと思います。