外部アプリになるFacebookイベント、その狙いとは?

こんにちは、アクトゼロの山田です。Facebookの各関連サービスは、少し前までは基本的に「Facebook」と呼ばれるメインのアプリに統合されており、その中に設置されたメニューから利用する形態を取っていました。しかし、そこから徐々に外部の別アプリとして切り離されて、現在は、メインのアプリから独立する流れが出てきています。
例えば、企業が持つ「Facebookページ」は「ページ」というアプリ、そして、メッセンジャーアプリの独立が大きく話題になりました。他にも、広告の運用アプリも独立してリリースされるなど、統合型のアプリから、個別アプリへの分散化が進んでいます。

イベントアプリの独立

次に、その独立の標的(!?)となったのは、イベント機能で「Events from Facebook 」として単体にアプリとして、まずはアメリカからリリースが開始されています。リリースを読んでみると、Facebookのイベントは、1日に1億人のユーザーが使っているようで、大切なイベントを逃さないように、新たなアプリとしてリリースしたことが書かれています。

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なぜ独立させる必要があるのか、という点ですが。3つあると考えられます。

1. 利便性の向上
まずは一つのアプリに多彩な機能を搭載すると、ユーザーによってよく使う機能と、殆ど使わない機能が出てきます。機能としては、素晴らしく良くできているものでも、アクティブ率が低くなる可能性があるのです。せっかく作ったのだから多くの人に使って欲しいという点からです。通常のWebサイトでもそうなのですが、盛りだくさんのコンテンツ(ページ)のあるサイトでは、下階層に設置されてしまうと極端に、閲覧数が下がる傾向が、どうしても生まれてきます。そうならないためにも、独立させる必要があるのです。

 

2. 滞在時間の増加
上の理由に関連して、アクティブユーザーが増えることで、Facebookが提供するサービスの滞在時間が、総量として増える可能性を秘めています。滞在時間が増えると何がいいのか、御存知の通り、メディア・広告媒体としての価値が向上します。そして、収益の向上が見込めるわけです。いかにサービス内に留まってもらうかが、価値になるのです。いかに、自社のサービスを拡大し、アクティブユーザーを増やし、他のサービスへの離脱を防ぐことが非常に重要なのです。

 

3. 競合するサービスへの牽制
すでにイベント機能やチケット機能に特化したスマートフォン向けのサービスは、世界中に数多あります。そうしたサービスを牽制するとともに、あわよくばそのシェアを奪いたいという思惑があると考えられます。そもそもFacebookというサービス自体、超巨大なものですから、後発で参入したとしても、先行者にとっては大きな脅威になるはずです。すでにメインとなるSNSのプラットフォームで16億人以上のユーザー数を誇ることから、その1割のユーザーが使うことになれば、1億6000万人という破格のアクティブユーザー数を抱えるサービスとなるのです。

 

アクティブなユーザーの増加を見込んでいる?

次に独立させた真の目的を考えてみましょう。
すでに1億人のユーザーが使っていると言っても、Facebookユーザーの1割にも満たない人数です。前述の利点から、仕組みとしてよくできている「イベント機能」をより多くのユーザーに手軽に使ってもらえるようにし、その数を増やすことが大きな狙いのように思います。

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アクティブなユーザーが増えることで、当然ながら、そのサービス(機能)をマーティングの“場”としても使えるようになります。例えば、少し前に話題になったFacebookメッセンジャーでリリースされた企業向けの機能が良い例で、アクティブなユーザーが増えることで、そこで企業がマーケティング活動を行えるようになり、Facebook社としてはマネタイズの機会を得ることになるのです。

日本ではまだまだアクティブに活用しているユーザーが少ない印象のあるイベント機能ですが、こうしてアプリが独立して、便利になることによって利用するユーザーが増える可能性は十二分にあると思います。そうなると、企業のマーケティング担当者であれば、何かできないかと考えるのが当然の流れです。

まずは、ユーザーの利用実態に合わせた戦略を立てることが前提にはなりますが、そこから始めたのではちょっと遅いかもしれません。そう考えると、機能としては、今すでに提供されているわけですから、テスト的に使ってみるというスタンスでも、損することはないように思います。ちょっとしたリアルな展示会やサンプリングイベントなど、身近なところで試してみるのがおすすめです。

しかも、このイベント機能は、大手企業から街の小売店舗まで、会社の規模によらず、色々な使い方のできる機能でまとめられているのが大きな強みです。さらに、無料で使えるというのも大きな魅力ですので、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

アクトゼロ / 山田