Instagram動画が「1分」に延長された2つの理由

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2010年10月に誕生したInstagram。およそその1年後にあたる翌2011年9月にはユーザー数は1000万人、2013年には1億人を突破し、着実にユーザー数を増やし、人気SNSの地位を確固たるものとしています。その間にInstagramは、絵文字の対応・フィルターの種類の追加など、ユーザーの投稿内容や声にあわせて、サービスの内容を改善しながらアップデートを繰り返してきました。

そのうちの一つとして、この春から一般ユーザーによる投稿動画の長さが、それまでの15秒から60秒までに延長されました。その数カ月前からは広告主向けに60秒動画による広告出稿サービスが提供されていましたが、一般ユーザーにもそれが拡大した形となります。InstagramやVineのような短尺動画「マイクロビデオ」が数年前まで注目を浴びていたことに逆行して、今、何故Instagram動画が60秒に延長されたのか、その理由について考えてみましょう。

Web動画の「1分」という長さについて

以前、Web動画の長さのトレンドは確実に短くなってきていることを記事にてお伝えしました。(参考:どんどん短くなるweb動画トレンド 最適な長さはズバリ◯秒!?)その際にご紹介したグラフが以下の2点です。

https://wistia.com/blog/longing-for-longform

https://wistia.com/blog/does-length-matter-it-does-for-video-2k12-edition

この2つのグラフは米国WISTA社のデータになりますが、視聴者を拘束できた30秒以内の動画なら80%以上の視聴者を、30秒~1分以内の動画で70%の視聴者を拘束でき、長い動画になると一気に拘束率が低下しています。そして、時間の長い動画は冒頭数分間で視聴者が離脱していることが分かります。

また、ある報告では、YouTubeでは、再生時間が4分程度の動画の場合、冒頭から1分程度経過した時点ではまだ視聴され続けているのですが、その後は離脱が徐々に増え始めると言われています。また、アメリカにおいてはFacebook上の動画の平均的な長さは「44秒」だと言われています。

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SNS時代のWeb動画視聴者にとって「1分」という動画の長さは、視聴を最後まで続けさせるには重要な長さなのです。Instagramが1分という長さに仕様が変更されたのも自然な流れなのかもしれません。

滞在時間の延長、その施策

それぞれのWebサービスが持つ規模感を測る数値として、ユーザー数・アクティブユーザー数・PV数などいろいろな数値指標がありますが、ユーザーが閲覧開始からどの位の時間をコンテンツを消費するのに費やしたかを示す「平均滞在時間」も重要な数値の一つです。

Instagramは、他のSNSと比べ、比較的滞在時間が長いサービスだと言われています。FacebookやTwitterといった、外部リンクを貼ることができる他のSNSの場合、ユーザーがリンク先に興味を持った場合、すぐにSNSから離脱してしまいます。「写真・動画を投稿する」「投稿された写真・動画を見る」というシンプルな使い方ゆえのInstagramは、自分のタイムラインに並ぶ、フォローしているユーザーが投稿する写真・動画を見ることに集中できることが、平均滞在時間が長い理由の一つです。

最近、各種SNSサービスがライブ動画に対応し始めたことをお伝えしました(参照:SNSサービスが続々ライブ動画配信に対応する、2つの大きな目的とは?)が、これは各サービスの滞在時間を長くさせることが一つの目的であると言えます。Instagramでの動画が1分に延長されたことも、自分のタイムラインで長めの動画を離脱することなく視聴させ、平均滞在時間を延長させることが目的なのです。

また、先月には「Picked for You」という機能も実装されました。

http://blog.instagram.com/post/146362838327/160623-news

これは、ユーザーのこれまでの視聴傾向や、ライク・コメントなどの傾向を基に、興味・関心に沿った動画をお勧めするサービスです。現在はまだアメリカのみで提供されていますが、世界展開も間もないと考えられます。このように、動画をユーザーにより視聴させることにInstagramはより注力していくと考えられます。

Instagramユーザーが、サービス利用中に動画を視聴する合計時間は、2016年1月からの半年間で150%伸びたという報告もされています。これまで以上にこの方向性は加速していくと考えられます。