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ストーリーを紡ぐ「Medium」が提示した新たな情報発信のスタイル

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こんにちは、アクトゼロの山田です。
個人ホームページやブログから、FacebookやTwitterまで…。個人がインターネット上に発信できるサービスは多岐に渡ってきており、以前に比べ個人の考えや思いをインターネット上に公開することへの抵抗感が薄れ、多くの方が様々な情報発信を行ってきています。
一言で情報発信と言っても、サービスやプラットフォームごとにその特徴は異なり、インターネット上でも本音と建前を使い分けるというのも当たり前になってきています。
そういった情報発信の流れの中で、新しいスタイルを提案しているサービスが、ここ日本でもじわじわと認知されつつあります。

より深く、密度の高い「ストーリー」を作っていく

そのサービスとは、Twitterの立ち上げメンバーがリリースしたことで話題になった「Medium」です。
サービス自体は2012年に開始したものですが、(失礼ながら…)最近になって徐々に盛り上がるという特殊な遍歴を辿っています。

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インターフェイスや基本的なサービスのフレームはいわゆるブログと呼べるものなのですが、そこで発信されるコンテンツ(中身)が特徴的なのです。
Mediumでは、投稿される記事のことを「ストーリー」と呼んでおり、いくつかを読んで見るだけで、その平均的な“質の高さ”に驚きます。Mediumが紹介される時によく使われる「本を読むような感覚」と表現される通り、読み物としてしっかりとしたものが多いのです。当然、サービス側で掲載をコントロールしているという訳でなく、あくまでも個々人が興味のあることを自分の言葉で書いているのです。



Medium について

Mediumが今注目されている大きな理由が、そういった読み応えのある質の高いストーリーが集まっているからだと言われています。TwitterやFacebookのようなSNS的と異なり、書く側と読む側が明確に別れていることで、“良いストーリーを読みたい”側と、“良いストーリーを読ませたい”というそれぞれの欲求がうまく成り立っているからだと考えられます。また、スピードが重視されるSNS的な交流に辟易している層を取り込んだことも、注目される一因として挙げられるかもしれません。

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このストーリーの全体的な質の高さは自然に出来上がったものではありません。これは、Medium自身が才能を持ったライターの参加を促す等、ベースとなる“質”の高い世界観を作り上げてきたからになります。そして、その世界観を損なわないように、それぞれのユーザーがより良いものを書こうとするモチベーションに繋がっています。そういった経緯から、直感的、感情的なものより、自分の考えを深めることによって生まれたストーリーが多くなり、自然と質の高い世界観になってきたと考えられます。

このように書いてくると、Mediumが参加のハードルが高いサービスに感じてしまう人も多いかもしれません。
しかし、参加ユーザーが絶対にストーリーを書かなければいけないというルールもないので、例えば、様々なストーリーを読むことに徹し、Publications(まとめ)するところから始めてみてもいいかもしれません。ただ、「ストーリーを読む=情報を受け取る」という視点では、SNSのように大量の情報を浴びるものではなく、一つ一つの文章に向き合うという性質が強いもののため、空き時間に手軽に見てみるというのは少し難しいかもしれません。

文章の“質”と“量”が見直されている?

このMediumに触発されたかどうかは定かではありませんが、実はこの夏にFacebookのノート機能がアップデートされています。
Facebook公式のイメージ(下記)を見て分かる通り、カバー写真がありダイナミックに文章がレイアウトされるデザインへと大幅に変更されています。

右が新しいインターフェイス

右が新しいインターフェイス

カバー写真を配し、文章が始まるデザインはかなりMediumを意識したものとなっており、まさにしっかりと文章を読ませるというそのインターフェイスから、Facebookでも長文を発信するというジャンルが再び重要視され始めていることの表れのように感じます。
Facebookと言えば、日常生活を切り取った投稿を行ったり、気になる記事をシェアしたり、比較的ライトなコミュニケーションが多い傾向がありました。しかし、最近では政治的な情勢や原発問題などに関して、長文を交えて持論を展開するユーザーも増えてきています。そういった利用スタイルの多様化をいち早く察知し、それに対応するべくノート機能に白羽の矢が立ったのかもしれません。

Twitterの短く簡潔な情報発信から始まったスピード感を伴ったコミュニケーションは、その対極に位置するMediumでスピードではなく“深さ”や“質”という情報発信の新たな価値を提示しました。そういった意味で、Mediumは既存のSNSと対立するものではなく、共存し補完する存在として、生まれるべくして生まれたものなのかもしれません。

アクトゼロ / 山田