ネットのデータが宇宙から降ってくる!? ~衛星インターネット接続サービスの今

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こんにちは。アクトゼロの高寺です。昨日、ノーベル物理学賞に宇宙関係の研究を進める梶田隆章さんが受賞したニュースが大きな話題になりましたが、その裏で実はこんなニュースもちょっとした話題となりました。

米Facebookとフランスの通信衛星運営企業、Eutelsat Communicationsは現地時間2015年10月5日、アフリカ地域のインターネット接続環境を拡大するため、人工衛星を打ち上げると発表した。

両社は提携し、現在製作中の「AMOS-6」と呼ばれる人工衛星を2016年に打ち上げる計画。同年後半にはサブサハラアフリカと呼ばれる、サハラ砂漠以南のアフリカ地域にネット接続環境を提供できるようになると両社は見込んでいる。

(2015.10.6 ITPro:Facebook、人工衛星打ち上げでEutelsatと提携、アフリカの通信環境拡大 )

一企業がネット環境整備のために人工衛星を打ち上げるというのもすごい話ですね。

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Facebookが推し進めているプロジェクト、「Internet.org」は、ネット環境が未整備の地域にインターネットを使えるようにするというもので、今回の発表はそのうちの一つです。現在でも世界人口の57%がインターネットを利用することができないと言われており、そのうちの90%は最貧国の人々なのだとか。アフリカ地域にネット環境が整備されるとなると、この数字もだいぶ少なくなるのではないでしょうか。

Facebook自社サービスのユーザー確保という側面もあるとは思いますが、なかなか真似のできる規模ではないプロジェクトです。しかし、宇宙を経由してインターネット…、何とも言い得ぬロマンみたいなものを感じませんか?

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実は、人工衛星経由でのインターネット接続サービスは意外と古くから行われており、ADSLが普及する以前は高速インターネットの本命と思われていた時期もありました。現在でもいくつかサービスは展開されています。

インマルサットFB

KDDIが提供するインマルサットFBは、音声通話と最大432kbpsのデータ通信を同時に利用できる衛星通信サービスです。元々は、船舶などの海上での安全を確保するために設立された国際機関、国際海事衛星機構 (INMARSAT:International Maritime Satellite Organization)として設立・運用されているサービスで、KDDI(当時、KDD)は設立時から機構に参加しています。

カバーするエリアは広く、極付近を除いた地球上をほぼカバーしています。

気になる費用ですが、定額従量制になっています。最もコストの低いスタンダードプランで月額68,300円・20MBまで、最も大きいプランで、月額543,300円・12GBまでとなっています。船舶という業務使用を想定したサービスのため、お高くなるのは仕方ないでしょう。

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IPSTAR

日本で光回線などのネット環境が無い地域で、衛星通信によるインターネット接続サービスを個人で利用することが現実的なサービスがIPSTARです。

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タイの通信会社タイコム社の子会社で、保有する衛星2基の運用によって世界人口の約45%をカバーした衛星インターネット接続サービスを提供しています。オーストラリア・ニュージーランドでは10万以上のユーザーが居るのだとか。国土が広大な国では回線を整備するよりも効率的なのでしょうね。

日本でもサービスを提供しており、奄美、沖縄、小笠原および伊豆諸島の一部を除くエリアをカバーしています。

通信速度によって、5つのサービスプランがあります。最も安価なHOME Plusでは、下り1Mbps・上り512kbpsで月額5,000円。最も上級のサービスでも月額15,000円(下り4Mbps・上り2Mbps)となっており、個人で利用するにも現実的な金額といえると思います。初期費用が45万円~とけっこう掛かるのは仕方ないと思いますが…。

日本国内でも、首都圏や大都市を除く地域で、まだ光回線などの高速回線の整備がまだというところもけっこう多くあるようです。IT関係の業界でも、田舎に暮らしながら仕事を行うスタイルも見受けられるようになってきましたが、そのような地方ではこうした衛星インターネット接続サービスを選択することも現実的なのではないでしょうか。