USTREAMの課金配信で大儲けできるのか!?

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弊社も展開していますが、USTREAMなどを使った広告ビジネスがすっかりその形をなしてきたように思います。配信者はSNSを媒介した広告効果を狙い、既にホールドしているコンテンツや、映像コンテンツを制作して配信する。受信者は、自分の興味やスケジュールに併せて好みの映像コンテンツを視聴・知人と共有する。webユーザーの間でもライブストリーミングサービスはすっかり定着したといえるでしょう。

USTREAMのペイ・パー・ビュー配信

こうした広告モデルの以前に、価値のあるコンテンツを制作し、ライブ中継そのものを有料にして視聴者から料金を集めるというビジネスモデルは誰でも思いつくでしょう。さる2011年9月、USTREAMがライブ中継の有料配信を可能にするサービスを開始しました。

USTREAMプレミアムメンバー

月額315円を支払うと、広告なしで番組の視聴が可能となる「アドフリー視聴」など5つの機能が使えるようになります。そのひとつが、ライブ中継の有料配信を可能にする「ペイ・パー・ビュー配信」の機能です。この機能を使うには、プレミアムメンバーになる以外に次の条件が必要になります。

・コミュニティに100人以上の参加者数がいる
・売上の受け取りのため、PayPalアカウントを持っている

PayPalアカウントはすぐに開けるので問題ありませんが、前者は少し注意が必要ですね。事前に100人以上の参加者数を稼いでおかなければ有料配信はできません。意外とこれをクリアするのが難しいかもしれません。ちなみに、今年の7月に私達が行った「京都祇園祭LIVE ON USTREAM」のアカウントである「kyotogionmatsuri」の参加者数が今日現在で117。手前味噌ですが、大きな反響(3日間の配信でユニーク視聴者数約18000)があったのですが・・・。

ギリギリ有料配信が可能なレベルです。

有料配信を視聴したいユーザーは、Ustreamアカウントにログインして、イベントが配信されている(予定の)番組ページにアクセス。動画プレイヤーの右下にある「チケットを購入」で、クレジットカード支払いで視聴できるようです。

有料配信のポイント

配信の方法や、注意点などはUSTREAMのサイト「ペイ・パー・ビュー視聴に関するよくあるご質問」 にいろいろ書かれています。この中でポイントとなる点をいくつか抜粋して挙げてみましょう。

◆ペイ・パー・ビューイベントの値段はいくらくらいにすればいいでしょうか?
100円〜10,000円(税込)の間で、1円単位で自由に設定できます。

ペイ・パー・ビューイベントをキャンセルしたらどうなりますか?
既にチケットを購入しているユーザがいる場合、キャンセルはできません。やむを得ずキャンセルする場合は、japan@ustream.tvまで連絡の上、直ちにチケットの販売を停止し、オフライン時に表示されるスライドや、ソーシャルストリームのコメント欄などを利用し、配信がキャンセルになったことを告知してください。既にチケットを購入したユーザがいる場合、販売金額は全額返金対象になります。

配信したら、いくら受け取ることができますか?
配信者はチケットの総売上(返金になった分や決済ができなかった分などを除く)の50%相当を受け取ることができます。これ以外は配信コストや各種手数料として弊社に支払われます。

録画ビデオを有料にすることはできますか?
はい。ペイ・パー・ビューイベントを録画した場合、配信終了後、ビデオ・オン・デマンド(VOD)として販売できます。

どうすればペイ・パー・ビューイベントを視聴できますか?
(前略)現在、ペイ・パー・ビューはPC上からのみご利用になり、モバイル端末などからはご視聴いただけません。あらかじめご了承ください。
 

有料配信をシミュレーション。果たして儲かるのか!?

もし、あなたが音楽アーティストのプロデューサーだったとして、自分の事務所所属のミュージシャンのライブイベントをUSTREAM有料配信を行うとします。その場合の売上をシミュレーションしてみましょう。

まずは、制作に必要な経費を算出。(価格は全て仮の想定です。状況に応じて金額は変動します。)

◆USTREAMディレクター(1人)
事前打合せ・進行/準備・当日の仕切りを行う。一式で20万円

◆映像収録スタッフ(6人)
無人カメラ含めて4台のカメラで収録。カメラマン3人、カメラを切り替えるスイッチャー1人、映像機材の調整を行うVE(ビデオエンジニア)、アシスタント1人を想定。機材使用料一式を含めて45万円。

◆USTREAM配信技術(1人)
収録映像を配信用PCにとり込み、エンコードして配信を行う。一式で8万円。

◆雑費
現場を動かしていると、見えづらい経費がけっこう発生します。車の駐車代・スタッフの飲料/弁当代・ガムテープなどの消耗品などなど。およそ3万円を見込みます。

◆デザイン費
テロップや、配信の前後に使用するグラフィックを制作。2万円を見込みます。

この他に、ネット環境が無ければ光回線を通したり、無線系の手段を準備しなければなりません。また、会場やPA業者によっては、ライン音声の使用で料金が発生したりします。また、アーティストのギャラは考えないこととします。

以上、経費は78万円と想定。

では、一回の視聴でいくら位の値段が妥当なのでしょうか?いくつかライブストリーミングを課金配信したUSTREAMの例を挙げてみましょう。

Formula NIPPON/Formula 3/Formula 735円

RYTHEM 2/27解散ライブを全世界へ有料配信決定!!!  1050円

USTステージ 劇団ゲキハロ第11回公演 戦国自衛隊 女性自衛官帰還セヨ 本番 1575円

MUCC history GIGS 97~11  690円

仮に、1000円と想定してみましょう。

1000円のうち、50%は配信コストや各種手数料としてUSTREAMに支払われます。売上の500円のうち、PayPalを通して支払いを受けると、国内・外の送金や、受取金額によりますが、2.9~3.9%の手数料が必要になります。仮に3.4%と想定すると、差し引き483円が手元に入金されることに。

経費の78万円を483円で割ると、つまり1615人に売れてようやく経費とトントンとなります。もし2000人に売れれば約18.6万円の儲けです。 ・・・1615人。そのハードルを高いと感じますか?低いと感じますか?

視聴者にとって、2~3時間の音楽ライブ視聴で1000円の料金は決して割安のものではないはず。課金配信するコンテンツは、その出費が可能なコアなファンがある程度集まっているものが適しているといえるのではないでしょうか。もしくは、USTREAM配信以外の目的(DVD販売のための収録など)があり、ついでに有料配信で儲けられれば…といった考えであれば、有効かもしれません。

 Photo byLaughing Squid  Campus Party Valencia