“簡単に分かる” 日本国内におけるソーシャルメディアとFacebook

この「ソーシャルメディアインサイト」では、ソーシャルメディアをビジネスで活用していく上での捉え方や考え方を中心に、具体的な事例を交えて発信していきます。

今回が第1回目ということで、まずは、国内におけるソーシャルメディアの動向と最近話題のFacebookについて、簡単にまとめていきたいと思います。

 

■日本国内におけるSNSの”メディア”化

日本国内で「ソーシャルメディア」という言葉を、一般的に耳にするようになったのはいつからでしょうか?

それまでは、SNSという言葉で呼ばれることがほとんどで、ソーシャル”メディア”という呼ばれ方はしていませんでした。

例えば、Googleトレンドで「ソーシャルメディア」を調べてみると、実は2011年になってから本格的に検索され始めたことが分かります。
Facebookが各種メディアに取り上げられ、話題になり始めたのが昨年の後半~年末でしたので、この「ソーシャルメディア」という言葉の一般化にぴったりと符合します。

そういった意味で、日本国内におけるソーシャルメディアの一般化は、2010年末から始まったと言えます。

ちなみに、欧米、特にアメリカではどうでしょうか?

先程と同様に「Social media」という英語で調べてみると、2006年後半からGoogleトレンドに登場しています。つまりアメリカでは、2006年からすでにソーシャルメディアという言葉や考え方が生まれていたと言えるでしょう。

2006年に何があったかというと、学生のみに限定されていたFacebookが一般に公開され、MySpaceの登録会員が1億人を超えるというできごとがありました。その2点だけ見ても、2006年はアメリカにおけるソーシャルメディア元年であったと言えるでしょう。

その後、Facebookは大きく成長し、今では全世界で6億人以上もの会員を抱える世界最大のSNSとなりました。
そしてアメリカから遅れること4年、2010年末ついに日本でもFacebookの普及が本格化する兆しを見せ始めました。

ただ、Facebookだけがソーシャルメディアの一般化を作り出したかと言うと、答えはNOでしょう。
最終的にソーシャルメディアという考え方、言葉を押し広げたのは確かにFacebookであると言えると思います。

しかし、その前段階として、「ソーシャル」という考え方や方法論を日本国内に持ち込み、メディアとしての機能を作り上げたSNSがあります。

 

■つぶやくことから始まった、個人レベルでの情報発信と企業活用

それでは、日本国内におけるソーシャルメディアの真の立役者とは一体誰(何)だったのでしょうか?すでに多くの方はお分かりだと思います。
そうTwitterです。

それでは、Twitterがソーシャルメディアを作り上げたとする、具体的な根拠を見ていきましょう。
大きく2つの根拠を上げようと思います。

 

1. 個人がオープンに情報を発信するようになった。
2. 企業利用の増加。


まずは1から。
それまでのブログや個人のホームページでは、情報を発信しようとすると、ある程度ボリュームのある記事やコンテンツを用意する必要がありました。

しかし、Twitterには文字制限があるため、投稿できる内容に制限があります。その制限が功を奏して、「今何をしているのか」を共有することに特化することで、日本で大きく受け入れられました。
もちろん、携帯メールという短いメッセージをやり取りする文化が根付いていた点も大きな要因の1つです。

その中で、「フォローする」「フォローされる」といった繋がりの形成や、リツイートといった情報を共有・拡散するという下地ができたと言えるでしょう。

そして、2について。
今までは個人の繋がりをベースとしたSNSの中に、企業が積極的に参加することはありませんでした。

顧客と直接的に繋がることができるため、情報発信のスピード化や拡散性という面、そして、顧客とダイレクトにコミュニケーションを持てるという面か
ら、積極的にTwitterを活用するようになりました。

企業が積極的に活用し、企業と個人が繋がっていくという、今までになかった関係性が生まれてきたと考えられます。

上記のように、個人からの情報発信と共有から始まって、企業も積極的に活用するようになったという流れが生まれたことによって、Facebookが話題になり始めた昨年末の時点で、すでに国内にそれを受け入れるだけの土壌ができていたと考えています。

 

■Facebookのみに囚われないソーシャルメディア

昨今の日本国内でのFacebookの盛り上がりについては突然降って湧いたものではなく、必然的にそうなる流れができていたと考えています。

ただ、ひとつ間違っていはいけないのが、Facebookが流行ってきているからFacebookをやればOKかというと、必ずしもそうとは限らないということです。

Facebookの特性をよく知った上で、結果としてFacebookという流れでないと、継続的にソーシャルメディアを活用して成果を出し続けることはできないと
言えます。

ビジネスでソーシャルメディアを活用していくということは、流行っているからアカウントを開設して終わりというものではなく、お客様と継
続的にコミュニケーションをとり続けていくことに他ならないからです。

お客様と一定のコミュニケーションを作り出し、継続していくこと、これがビジネスにおけるソーシャルメディア活用の第一歩です。

冒頭にも書きましたが、その第一歩のために、ソーシャルメディアの特性についての解説や、具体的な活用事例をこのコーナーでお伝えしていく予定です。

ソーシャルメディアをビジネスの味方につけるために、ぜひともご活用ください。