「おかん!あれ買ってきて!」ソーシャルコマースがお母さんの買い間違いを防ぐ

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「おかん!ジャ○プ買ってきて!」と頼んだら、サ○デー買ってきた。

ネット上でよく見るネタではありますが、今回はお母さんの買い間違いを無くすことができるかもしれない、ソーシャル時代のネットショッピングを考えてみたいと思います。

いわゆるソーシャルコマースという言葉で語られることが多いと思いますが、ここではその細かい定義を語るのではなく、最新事例のご紹介を含めてシンプルに考えてみたいと思います。

なぜ今、ソーシャルコマースなのか

ソーシャルコマースとはなんぞや、という問いに簡潔に答えるとすれば、商品・サービスの購買活動を促進するためにソーシャルネットワークを活用すること、と言うことができると思います。実際のところ、そういった考え方は結構前からあり、一時期盛んに耳にしたCGMと言われていたものの延長線上に位置していると考えることができます。

ではなぜ、この時期になってソーシャルコマースという言葉を再度取り上げたかということなのですが、大きな理由としてソーシャルネットワークの利用が一般化し、多くの人がFacebookやTwitter等のアカウントを持つようになった点が挙げられます。そして、そのアカウントを使用して外部サイトのサービスを利用できるようになったことも大きな理由の一つと考えられます。

Facebookアカウントでログインできる「KAUPON」

特に実名制を掲げるFacebookについては、物を買うという「リアル」とリンクする部分での親和性が高く、既存のネットショップとの連携におけるメリットは非常に大きいと思われます。

商品購入の判断材料として口コミを参考に

ソーシャルコマースが大きな期待を集めているのは、消費者行動の変化が背景にあると考えられます。

「若者の○○離れ」という言葉をよく耳にしますが、日経トレンディのサイト内こちらのコラムを拝見すると、実際に物を買わなくなったのではないことが分かります。
いわゆる「モノが売れなくなった」言われる現象は、宣伝にお金を掛けて「企業が売りたいと思っている商品」が売れなくなったのであって、必ずしも全く物を買わなくなったとは言い難い気がします。(欲しいと思う対象が変化して、特定のジャンルの商品が売れなくなるというのは別の話になるかと思います。)

amazonのレビュー

そして、物を買う際の判断基準が、「TVCMや駅のポスターでよく見る知ってる商品だから」ではなく、「ネットで調べて評判のいい商品だから」になってきています。例えば、アマゾンや楽天市場といったショッピングサイトからブログ等の個人サイトまで、買った人のレビューを重視する傾向になってきています。

ソーシャルメディア上では、商品に対する感想や買ったものの報告等が多くやり取りされており、商品購入の際の大きな判断材料となることは容易に想像できます。

株式会社サイバー・バズさんが発表されている「ソーシャルメディアユーザーを対象にクチコミと商品購入に関する調査」を拝見すると、対象者の約9割が、商品を購入する際に口コミを参考にすると回答しているとのことです。

そして、ソーシャル化することによって、個人を軸にするという新しい考え方も生まれてきます。amazonや楽天が商品に紐付いた口コミだとすると、ソーシャルは個人に紐付いた口コミになります。

例えば、「これは家電に詳しい友達が買った液晶テレビと空気清浄機だから安心」といったように、個人を軸にすることで商品のジャンルを越えて情報が紐付き、さらに“知っている”人からの情報ということで信頼度という付加価値も生まれてきます。

冒頭のお母さんは、週刊少年ジャ○プを欲しがっていることが情報として共有されていれば、間違ってサ○デーを買ってくることはなかったかもしれません。

取り組みが早い「無印良品」

それでは最後に、ソーシャルコマースの最新事例として、できたてホヤホヤ!無印良品さんのソーシャルコマースサイト「my MUJI」をご紹介したいと思います。
無印良品さんのプレスリリースを引用させていただくと、サイトの内容は下記のようなものになります。


ソーシャルコマースサイト「my MUJI」は、Facebook、Twitter、mixiといった既存のソーシャルメディアアカウントでサインインすることにより、7,000を超える商品に対しての口コミ投稿や、“ほしい!”“持ってる”など、お客様の意思表示が可能です。

また、単なる口コミやレビュー投稿サイトとしてだけではなく、[my MUJI」内でも独自のフォロー/フォロワー関係を構築できるコミュニケーションサイトとしての機能を備えています。商品への口コミや感想などは、連携したソーシャルメディアや「my MUJI」内でのフォロワーに対して発信することもできます。

それでは、具体的なサイトの内容を見てみましょう。
「my MUJI」のトップページは非常にシンプルなもので、タイムラインを中心として作られています。

右上にある「サインイン」ページから、Facebook、Twiiter、mixiのアカウントを使ってログインできます。
当然ですが、「my MUJI」のサービスを利用できるだけなく、それぞれのSNSに投稿することもできます。

また、このサイト内でフォロー/フォロワー関係を築く仕組みが取り入れられています。
自分の好みに近いした人をフォローすることで、その人のお薦めする商品の情報を受け取ることができるようになります。

意外にシンプルかと思いきや、投稿数に応じたユーザーのランキングや投稿されたコメントに、「なるほど!」や「コメント」することができたりかなり細かな機能が実装されており、感覚としてはFacebookに近いかなと思います。

このサイトを使ってみて感じたことは、人がお薦めしているものの中から選ぶという買い方が自然にできるのは楽しいということ。
自分の好みに近い人の「持っている」ものから、買おうかなと思う商品がいくつも出てきました。

正直なところ、今までは、ソーシャルコマースに対してポジティブな印象を持っていなかったのですが、「my MUJI」は、ソーシャル連動部分でのストレスが少なく自然な導線が作られているため、非常にいい印象を持つことができました。

こういった自然な形でのソーシャルコマースであれば、色々な人に受け入れられると思います。そして、ソーシャル連動によって参加者が増えてくると、ネット上でも「人だかり」や「行列」といった概念も生まれてくるかもしれませんね。