ついに始まったInstagramのビジネス向けサービス、担当者は何をするべきか?

こんにちは、アクトゼロの山田です。
これまでは個人と企業の利用に差がなかったInstagramが、ついにビジネス向けのサービスをリリースしました。これにより、個人と企業のアカウントが明確に区別されるようになり、さらに効果測定のためにインサイト(これはFacebookと同じ名称)も利用できるようになりました。このビジネスサービスのリリースを受け、すでにInstagramアカウントを持っている企業担当者の方が何をするべきか、その要点をまとめてみました。

まずはビジネスプロフィールの設定

一番初めにするべきことは、個人アカウントからビジネスアカントへ移行することです。
Instagramのビジネスアカウントは「ビジネスプロフィール」と呼ばれます。このビジネスプロフィールに移行するメリットは、フォロワー(個人)から企業に対して直接コンタクトする手段を設定&公開できる点にあります。例えば、メールアドレスや電話番号はもちろん、所在地などのリアルなコンタクト手段を設定することで、具体的な顧客接点として利用することができるようになるのです。Instagramから直接コンタクトって…と思われるかもしれませんが、Instagramと相性の良いアパレルショップなどは、Instagramで魅力的な商品を発信して、そのままお店までの道順(所在地へのナビゲーション)を示せるようになるのです。

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ビジネスプロフィールへの移行はとても簡単ですので、その手順をご紹介しておきましょう。

すでにお持ちのInstagramアカウント(自社アカウントページ)を開き右上の「歯車(オプション)」メニューを開きます。オプションメニュー内にある「ビジネスプロフィールに切り替える」を選択します。

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ここで注意が必要なのが、Facebookページとリンクさせる必要があるのです。最近は多くの企業がFacebookページを持っているためあまり問題にはならないかもしれませんが、小売店舗等、Instagramだけを持っているケースだと、Facebookページを作らなければなりません。

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以上の手順で、ビジネスプロフィールへの移行は完了しました。後は情報の登録が必要で、プロフィールの編集画面に出てくる「ビジネスの連絡先情報」という項目に、電話、メールアドレス、住所などを入力します。
これらの情報を登録するとアカウントページ上に表示されるようになります。これで基本的な設定まで完了です。

インサイトによる効果測定

そして、ビジネスプロフィールに移行した際の目玉機能として「インサイト」があります。これまで外部のサービスに頼っていたインサイト情報の収集が、オフィシャルの機能として提供されるようになりました。

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Facebookを多くの企業が利用する理由の一つに、インサイトの提供というのが挙げられます。繋がっているファンの属性情報やエンゲージメント傾向など、非常に細かな情報を取得できることで、企業のマーケティング活動を後押ししています。そのため、企業のマーケティングデータといった点で、Instagramインサイトへも期待が高まります。

提供されるInstagramのインサイトでは、どういった項目が見れるのでしょうか?

インプレッション数: 投稿が閲覧された合計回数です。
リーチ: 投稿を見たユニークアカウント数です。
ウェブサイトクリック: ビジネスプロフィールに登録されているウェブサイトのリンクをタップしたアカウント数です。
フォロワーアクティビティ: フォロワーが1日にInstagramを利用する平均回数です。

今回ようやく、プロフィール上ではありますが、ウェブサイトのクリックが取得できるようになりました。これにより、Instagramからの自社サイトへの総客数を計測できるようになっています。とはいえ、ちょっと物足りない気がするのが正直なところです。Facebookに比べるとかなり見劣りしてしまいます…。ユーザーが登録している情報に限りがある点と、あくまでもスマートフォンアプリを中心としたサービスであるため、インサイトもスマートフォンで見やすいように省略化されていることも起因しているかもしれません。

まだまだ発展途上、これからの拡大に期待

他にも、今回のビジネス向けのアップデートでは、これまではFacebookの広告ツールからしか出向できなかった広告が、Instagram上から簡単に出せるようになるなど、ビジネスユーザーに対して、より深く活用してもらえるような着実なアップデートがされています。とはいえ、何度も繰り返してしまいますが、最も期待されるべきインサイトがまだまだ発展途上のように感じます。

例えば、フォロワーの属性情報なども、Facebookと連携してるユーザーに限られたとしてもひとつの指標として示せると思いますし、Instagramの肝とも言えるハッシュタグについても、分析データが欲しいところです。恐らく、インサイトとして提供される情報はこれで終わりということにはならないと思いますので、今後のアップデートに期待したいところです。

そもそも、企業がInstagramを活用する上で、これまでは個人と同じ環境での運用となっていたことを考えると、今回のアップデートは非常に大きな意味を持ちます。個人と企業の区別がされたことで、Instagramがビジネスユーザーを重視するんだという方向性が示されたと、考えることができます。これまでのInstagramの活用では、ビジネスに直結する商品購入やサービスの申し込みといった領域からは少し距離があったことは間違いありません。そこから、広告メニューの提供、そして、今回のアップデートと順調に、ビジネスに直結する領域に歩み寄ってきています。

ビジネスに寄与する存在としてInstagramを成長させるためには、こうしたビジネスユーザー向けのアップデートに、その都度しっかりと対応していくことが重要なのではないでしょうか。

アクトゼロ / 山田