これから本格化するかも?社内SNSという新しいカタチ

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このソーシャルメディアインサイトでは、どちらかというと企業がお客様とコミュニケーションを取るという視点で、ソーシャルメディアの活用を多く取り上げてきました。しかし、最近の流れとして、社内で従業員同士のコミュニケーションツールとして活用できるのではないかという、新たなソーシャルメディアの可能性が話題になりつつあります。今回は、社内のコミュニケーションのためのソーシャルメディア活用について考えてみたいと思います。

社内SNSを導入する目的とは

個人的な記憶として一年半ほど前のできごとが印象に残っています。その時期、社内でのSNS活用について、多くのお問い合わせをいただきました。そのほとんどが、社内の情報共有のためにFacebookを活用できないか、というものだったと記憶しています。そのきっかけは東日本大震災で、緊急時に社内での情報共有があまりうまくいかなかったために、その解決策としてFacebookに白羽の矢が立ったというわけです。

具体的な要望として、社員の安否確認と緊急時の業務連絡を効率的に行いたいというものが多く、いくつかあるSNSの中から無料で使えるFacebookをピンポイントに指名して、何とかならないかというお問い合わせがほとんどでした。イメージできる活用方法として、Facebookのグループ機能を活用して、グループ内で情報共有を始めたいというお客様が多かったと思います。

ただ、Facebookのグループを活用すると言っても、社員数が多くなればなるほど現実離れしたものになり、結果として部署ごとやチームごとの小規模な活用に留めるというのもありました。1年半ほど前になりますので、Facebookのアカウントを持っていない社員の方も多く、結局、話として立ち消えたものが多かったように感じています。

あれから1年半という時間が経ち、社内SNSに求められているものが少し変わってきたようです。
ちょっと前の日経新聞に「無縁社員」という記事で、社内での人間関係の希薄さが取り上げられていました。 

誰とも話さず一日終わる…職場に広がる「無縁社員」(日経新聞)
 

IT技術の普及やフレックスタイム制などが大きく影響し、隣の席に座っている社員とさえ会話をしない「無縁社員」というのが増えているという記事です。記事の中では、仕事外の雑談などのコミュニケーションが営業成績をアップさせているという専門家の意見も掲載されています。

具体的な企業のアクションとして考えられるのは、アナログな方法では雑談スペースを設けて社員同士の会話を促進させるといったものやBBQ等といったような休日に社員同士で実施するイベントに補助金を出すなど、いくつかのやり方が挙げられます。一方、デジタルな方法として注目されるようになったのが、社内で使用できるコミュニケーションツールを導入するというものです。そのコミュニケーションツールとして、SNSが注目され始めているのです。

にわかに注目を浴びる「ChatWork(チャットワーク)」

最近いろいろなところで取り上げられるようになった「ChatWork(チャットワーク)」というサービスをご存知ですか?これは、名前が表すようにチャットをビジネスに活用するというサービスで、クローズドなコミュニケーションツールとしての活用ができるものです。

「ChatWork(チャットワーク)」(公式サイト)

「ChatWork」のメインの機能は、クラウド上でのビジネスチャットになります。公式サイトでは、社内でのメールのやり取りをビジネスチャットに置き換えるということをアピールしており、メールを送るまでもないけどちょっと耳に入れておきたいようなことでも、気軽にやりとりできるという位置づけを与えられています。また、グループチャットの機能もありますので、特定のメンバーをひとまとめにして情報を共有することもできます。

当然、クラウド型のサービスであるので、スマートフォンにも対応しており外出先でも最新の情報が同期される仕組みになっているもの大きな特徴だと思います。

このように、メールという情報共有を社内向けに切り分けて、新しいコミュニケーションツールとしての側面を持たせるという流れは徐々に始まっているようです。社外とのやり取りはこれまで通り「メール」を使うというのは、しばらくは変わらないと多いますが、こと社内に関しては同じメールの仕組みを使う必要性が薄れてきていると考えることもできます。

社内SNSというと、セールスフォース・ドットコムの「Chatter」が有名ですが、ユーザーひとりあたりのコストは「ChatWork」の方がはるかに安価に導入できます。

ビジネスチャットという位置づけの「ChatWork」と社内SNSと定義している「Chatter」では機能的にも大きく異なりますが、価格と機能を比較した時に一概にどちらが優れていると明言することは非常に難しいでしょう。社内でのコミュニケーションのあり方をきちんと考えたうえで、必要な機能を備えていて価格に見合ったものを導入するのが適当だと思われます。

社内でのコミュニケーションの活性化というのが非常に重要な役割になりますが、同時に社内外を同じツールを使用することでのリスク…宛先を間違えて社内向けのメールを社外に送という情報漏えい…を減らすことも、実は一つの副産物として挙げられます。

今後、こういった社内向けSNS分野でも、無料のものから高価格のものまでいくつかのサービスが生まれてくることは間違いなさそうです。その中で、自社内のコミュニケーションをどう定義し形成していくのか、という視点をきちんと考える必要が出てきそうです。