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Pinterestのトラフィックは誰に恩恵をもたらすのか?

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アクトゼロ黒沼です。ソーシャルメディアインサイトをお送りします。

※このエントリーからBLOGOSにも同時掲載が行われています。読みやすいメディアで御覧ください。

Pinterestが、FacebookとTwitterにつぐ「次の候補」として本命視されつつあります。

米Time社の発行するライフスタイルマガジン「Real Simple」誌にについて、2011年の12月にAdAgeDIGITALはこのように伝えました。Real Simple: Pinterest Drives More Traffic For Us Than Facebook [RealSimple誌は語る:PinterestがFacebookより多くのトラフィックを私達にもたらした!]と。現時点のReal Simple誌のFacebookページのファン数は、20万人を超えています。一方Pinterestアカウントのフォロワー数は、RealSimpleのすべてのBoardをフォローしているユーザーがおよそ9万人。最大のフォロワーを抱えるボードで15万人ほどです。このあたりのBoardの概念は少しわかりにくいので、良ければ前回のPinterest記事「GAPの事例で考えるPinterestとソーシャルメディアコミュニケーション」をご覧ください。

なぜRealSimple誌がPinterestから多くのトラフィックを獲得することができたのでしょうか?

Pinterestのメインユーザー層について

RealSimple Pinterestアカウント

調査メディアによって差がありますが、Pinterestユーザーの6割から8割が女性ユーザーという、他のSNSと比べても大きく女性寄りといっていいソーシャルグラフを構成しています。画像が中心となったコミュニケーションの中で、主に取り上げられる人気のあるテーマは、「ファッション/インテリア/建築/結婚準備/食/アート・写真」で、ほとんどの投稿を占めます。RealSimple誌はライフスタイルマガジンなので、まさに想定読者層としてはPinterestと相性ピッタリだと言えます。これがひとつ目の要因です。

「Pinterestのユーザー層と相性が良い分野のビジネスには、トラフィックが集まる」

Pinterestのユーザー動線設計について

RealSimpleウェブサイト。全ページ左端にPinItボタンが配置されている。

Pinterestでは一覧状態の画像をクリックすることでより拡大された画像を見ることが可能ですが、更にその画面上でクリックするとその画像の取得元である本来のWebサイトに飛びます。

この、ユーザー興味のフォーカスの行き着く先に情報の発信元がある設計が、興味が最大限に高まった状態ユーザーを(「この服についてどこで買えるのか見たい!」「この料理のレシピが知りたい!」)情報のソース元に動員するのです。RealSimple誌は情報誌ですが、商品がどこでいくらで買えるのかといった情報を、商品単位でページ化しています。

それにより「RealSimpleには答えがある」というユーザー体験を、繰り返しPinterestユーザーにもたらすことで、RealSimple誌の解決力の証明し、強化しているのです。

RealSimpleと同様の理由で、ハンドメイド作品を簡単に販売できるECサイト「Etsy」も多くのPinterestユーザーに支持されています。そのフォロワー数は、アカウントに対しておよそ8万人です。

「Pinterestにとって、情報の答えを用意できるサイト=RealSimpleやその他実際に商品が購入できるECサイトなどは望ましいトラフィックのゴールとなりうる」

老舗ファッション誌の挑戦

老舗ファッション誌もRealSimpleや、その他のPinterest上で評価される雑誌の後を追うようにチャレンジを進めています。ハースト社の世界最大規模のファッションマガジンELLE(エル)は、Pinterest上にELLE Magazineアカウントを開設しています。フォロワー数はまだ数千人規模ですが、今後健闘出来るでしょうか。また日本国内向けにもELLEジャポン連携サイトのELLE ONLINEアカウントが早くも開設されています。このタイミングでのPinterest開設は、国内事例としてはすごく早いものです。ELLEの本気度が伺えます。

同様に「Marie claire(マリ・クレール)」も積極的です。Marie claire New York Marie claire BrasilMarie claire UK Marie claire EspañaMarie claire South Africa …と各国語版のアカウントを続々開設しています。

老舗もまた同様に、雑誌というメディアにとって拡張性が見込めるSNSだということにいち早く気づき、確信を持って取り組んでいるのです。

ただしこれらは英語圏でのお話

と、ここまでPinterestと相性のいいメディアやECサイトにとって話してきましたが、残念ながらこれらが当てはまるのは英語圏でのお話です。まだまだ日本国内でのPinterest利用は、始まったばかりで今飛びついているユーザーは新しいWebサービスに目がない、物好きでネットリテラシーの高い、いわゆるTech層の人たちです。

先日Mashableで<Pinterestのお膝元>アメリカと、<Pinterest普及初期>イギリスとのユーザー属性を比較したインフォグラフィックが紹介されました。それによると、ファッションやライフスタイルに興味津々な僕達が知っているPinterestユーザー層はアメリカのユーザーに限った話で、イギリスのユーザーの性別は男性のほうが多く、興味のあるコンテンツは、「Venture Capital、クラフト、デザイン、Web解析、SEO、PR」など、およそ僕達がPinterestと聞いて思い浮かべる投稿内容とはかけ離れています。

これが、最初に飛びついたイギリスのTech層に限った話で、いずれアメリカのユーザー像に近づいていくのか、それともイギリス独自のインタレストクラスタが出来上がるのか。まだ誰にもわかりませんが、日本国内のユーザー動向が読めない以上、企業にとって本気で取り組みにくい状況なのは間違いないようです。

海外Pinterestユーザー層にアピールできるヴィジュアルな商品を持っている、そんなリテール企業にとっては、今すぐでもPinterestの活用をおすすめします。そうではない99%の企業にとって、Pinterestはまだ時期尚早と考えて間違いなさそうです。

Pinterest企業利用をお考えなら、アクトゼロへご相談ください。