スキップできないと逆効果!?YouTube動画広告

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ちょうど一年前の今頃、YouTubeのパートナープログラムが一般解禁された記事を書きました。(2012.4.16 「コンテンツ制作側も広告出稿側も気になるYouTube」

YouTube動画を再生すると、冒頭にCMが入ることがあります。このCMは「インストリーム広告」と呼ばれ、YouTubeのパートナーとなったユーザーが自分の動画に広告を出すことを許可するか否か設定することができます。出稿OKにしておくと、CMが再生された回数によってYouTube側から広告収入が支払われます。逆に、企業など、動画広告をインストリーム広告に出稿したい場合、AdWordsを設定して、出稿料を支払うことで、動画広告キャンペーンを展開することができます。

昨年以前では、このパートナー・プログラムは、Googleの審査が必要で、定期的に複数のオリジナル動画を投稿している人気アカウントだけに認められていたのですが、それが、一般に解禁されたことで、一年経った今、YouTube動画広告を目にする機会も多くなったように感じます。

よく目にするのは、冒頭から5秒経つと、広告動画をスキップできるようになるものではないでしょうか。このタイプのものは「TrueView インストリーム広告」と呼ばれます。広告が表示された時点では広告費は発生しませんが、視聴者が広告をスキップせずに30秒間(もしくは、それより短い広告は最後まで)視聴すると、広告主には広告費が発生します。逆に、動画の公開主には広告収入が支払われます。ちなみに、広告に使う動画の長さに制限はなく、15秒・30秒程度のTVCM的なものから、作品のような形で最後まで見せることを目的とした長尺のものまで様々です。

5秒経つと「広告をスキップ」ボタンを押せるようになる「TrueView インストリーム広告」

これとは異なり、”スキップできない”インストリーム広告があります。こちらは、「標準インストリーム広告」と呼ばれるもので、動画広告をスキップすることはできず、視聴者は選択した動画を鑑賞する前に必ず見なければなりません。こちらの場合、動画の長さは最大30秒と制限があります。

「標準インストリーム広告」は右下に”スキップボタン”が出ません。

もともと、標準インストリーム広告が、その名の通り標準だったのですが、強制的に見せられたくないという視聴者の反感のもと、TrueViewインストリーム広告が展開されてきたようです。”スキップ”できることに慣れた結果、スキップできない広告により違和感を感じる人も少なくないようです。

スキップできないストレスが広告の逆効果を生む可能性も

標準インストリーム広告が使われている理由として、最後まで必ず視聴者に試聴させることが保証できないと出稿できない企業側の思惑があるのかもしれません。安くない広告費を支払っている側にすれば、確かに、確実に視聴されるかを重視するのも分かります。しかし、目的の動画視聴前に、数秒とはいえ一方的に時間を奪われることに、視聴者の多くはストレスを感じてしまうことになるため、やりすぎには注意が必要です。本来、広告の商品やサービスをお勧めするはずの動画広告が、真逆である反感を視聴者に与えてしまいかねません。

スーモのYoutube広告が「スキップできない!」「見飽きた!」「邪魔すぎ」と話題にwww (NAVERまとめ)

<上記サイトから>

YouTubeの土田ガンダムCMがうざいと話題に / ネットの声「土田とガンダム嫌いになりそう」「いい加減目障り」 (ROCKET NEWS24)

<上記サイトから抜粋>
・ネットユーザーの声
「YouTubeのCMのおかげで土田とガンダム嫌いになりそう」
「YouTubeで芸人の土田がガンダムのCM流れてくるのなんとかならんの?いい加減目障り」
「YouTubeは最近特にCM多くなったよね。土田さん嫌いになりそうなレベル」
「土田のガンダムの飛ばせないCMムカつく。何が『こざかしい』だよ、お前がこざかしいよ」

これらのような視聴者からのネガティブな反応の結果、動画広告を視聴したくない視聴者にはスキップする選択肢を持たせたTrueViewインストリーム広告がリリースされたのが本来の流れなのでしょう。ところが、それを逆行する流れが見受けられるのも事実です。興味のない動画広告をスキップする体験があるため、かえって反感が大きくなったといえるのではないでしょうか。

広告というものは、訴求する商品・サービスを「視聴者に好まれるようにする」という目的である以上、反感を得るものはNGであることは必須です。決して標準インストリーム広告が良くないという訳ではありませんが、出稿量などと併せて考え、どのように視聴者に捉えられるかシミュレーションすることが大切だといえるでしょう。

こうした見地から考えると、YouTube TrueViewインストリーム広告は、

・一定時間視聴した場合にのみ課金される
 →スキップしたユーザーにも、無料で5秒の間に広告を認知させることができる。
・動画広告に興味のないユーザーは、スキップできるため反感を感じない
 →動画広告の内容に本当に興味ある人のみに見てもらえるので効率が良い

YouTubeユーザーだけでなく、広告主にとってもメリットが大きいweb動画広告媒体であるといえるのではないでしょうか。

Google提供資料 TrueView_instream.pdfより

Photo by Sean MacEntee  jonsson jm3