アイコンデザインはクリエイティブであるべきか

ブラウザを閉じようと思い、10秒くらい左上を探していました、、、
こんにちは、Windowsの操作に慣れてきたスライです。

そのUIが優れているかは別として、慣れ親しんだUIから急激な変化が起こると、
きっと、多くの人がストレスを感じることでしょう。

冒頭の例で言うと、MacからWindowsへの変化ですね。

私自身そうですが、デザイナーという職業柄から、
既存のものに「プラス」したクリエイティブを追求しがちです。

しかし、そこにクリエイティブをプラスする前に、
そのクリエイティブはコンバージョンを達成するために必要か?
今一度、立ち止まって考える必要があると思います。

デザイナーがデザインする領域は、限定的になってきている

近年、スマートデバイスの急激な発達、普及により、
回線の状況に左右されない、軽量なサイトが主流になってきています。

Googleも、Above the foldを1秒以下で表示させることを推奨しています。

ひと昔前のような、画像を大々的に使用したグラフィカルなサイトは、
今のユーザー利用状況とはマッチしていないのです。

その為、デザイナーがデザインする領域は、限定的になってきていると言えます。
例えば、テキストのフォントサイズやカーニング、ナビゲーションのアイコンなど。

もしかすると、限定的になったデザインに、「もっとクリエイティブにしたい!」。
そんな事を考えてしまうかもしれませんが、ちょっと待ってください。

それはとっても危険な考えです。

アイコンから見る、コンバージョンを考える

全てのデザインに、目的があります。

文字は、文章を読ませるために。
では、アイコンは?

「コンテンツを理解させる」ためです。

例えば、ナビゲーションにアイコンがあったとします。
「とりあえず押す」では、コンバージョンを達成したとは言えません。

アイコンからコンテンツを理解させて、思い通りのコンテンツに
ユーザーを遷移させることが、コンバージョンの達成と言えます。

アイコンとは、文字と同等かそれ以上の可読性を持たせて、
かつ、文字よりもシンプルに認識させて、初めて意味があると言えます。

以上のことから、アイコンにクリエイティブをプラスするのは、
非常に難易度が高く、1歩間違えばユーザーの離脱をも招いてしまいます。

アイコンデザインは、リアルである必要はない

icon_01

突然ですが、上記のアイコンが何を指すか、分かるでしょうか?

では、こちらのアイコンはどうでしょう?

icon_02

どちらも、答えは一緒です。
左から、保存、テレビ、電話、です。

恐らく、多くの人が、下のアイコンの方が理解できたのではないでしょうか。

多くのアイコンに、メタファーが用いられますが、
そのメタファーは、必ずしも「リアル」である必要はありません。

アイコンには可読性が求められますが、その可読性は、
ゼロから生み出すことは非常に難しいのです。

既存のもので、多くの人が慣れ親しみ、学習しているものである必要があります。
それも、リアルの世界ではなく、アイコンの世界での話で、です。

リアルの世界では、フロッピーディスクもブラウン管のTVも、
もはや前時代のもので、使われておりません。

固定電話の受話器は使われていますが、スマートフォンに比べると、
使用頻度は圧倒的に少ないでしょう。

しかし、リアルの世界でこれらが前時代的なものになったとはいえ、
多くの人が「アイコン」としてこれらを認識していることは変わりません。

そんな中、アイコンを新たに創出、定着させることは、
非常に困難で、リスクを伴うと言えます。

まとめ

デザインをするとき、その要素のコンバージョンが何か、考える必要があります。
そして、考えた上で、その要素にクリエイティブが必要か判断すればいいのです。

クリエイティブを加えないことは、デザイナーとして物足りなく感じるかもしれません。
しかし、それはデザイナーのエゴとも言えます。

何のための、誰のためのデザインなのか、今一度改めて考えましょう。
思い切って「王道」で行くことは、デザイナーとして何も恥ずべきことではありません。