知名度ゼロからのエンゲージメント獲得に有効なのは…

みなさん、こんにちは。アクトゼロのプランナーズブログ、木曜日は山田がお届けします。

ソーシャルメディアを活用する際の一つの指標として、“エンゲージメント”というのは欠かせない存在のひとつです。
有名なブランドや商品・サービスなどは、一定の認知度あったり具体的なイメージが定着していたりすることが多く、ソーシャルメディアの利用開始とともに、一定数のファン(フォロワー)の獲得や高いエンゲージメントを得やすい傾向があります。

しかし、あまり知名度がない企業にとっては、そういったアドバンテージもなく、苦戦を強いられているところも多いのではないかと思っています。
特にローカルビジネスを展開する企業や地方自治体などは、対象となる母数も全国展開している企業と比べて限定されてしまうため、ファンの数にとらわれず、エンゲージメントを重視していくことが大切になってきます。

例えば、山口県の御食事処「いろり山賊」は、地域に根差した飲食店としては非常に多い、1万人近くのファンを獲得しています。

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しかも、ただ単にファンが多いだけではなく、各投稿ごとに平均的に600~800程度のいいね!、多いものになると1500ものいいね!が付いています。
投稿の内容は、特に奇抜で特別なことをしているわけではなく、お店にまつわる情報が殆どを占めています。

 

最近投稿されたメニューに関する記事は、1500以上のいいね!を獲得していますが、極めて普通な印象を受けます。

 

さらにこちらの記事は、お店の工事の模様を投稿しているだけにも関わらず、1000近くのいいね!を得ており、全般的にエンゲージメントの高いFacebookページになっています。

なぜ、これほどまでに反応がいいのかを考えてみると、寄せられたコメントの中にそのヒントが隠されていました。
コメントの中に「また行きたい」とか「行きます~」とか、実際に来店された方や来店意欲が高い人が多く見受けられたのです。

過去の来店経験があったり、地理的な近さがあったり、お店とお客様の距離が近く、その関係がFacebook上に持ち込まれていたのです。
そのため、投稿の受け止め方が、客観的な視点から一歩踏み込んだものとなっており、多くのファンの反応が生み出されていたと考えれます。
そして、恐らくお店自体に来店した際の満足度も、非常い高いのではないかと想像できます。

 

他にも、地理的な距離だけでなく投稿者との距離感(親近感)も大きくエンゲージメントに影響してきます。
この「ハイぶりっ子ちゃん」というご当地キャラのFacebookページも、最近ジワジワとその頭角を現してきています。

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とにかく投稿の頻度が高く、砕けた内容のものが多いことに加え、独特の性格をした「ハイぶりっ子ちゃん」というキャラクターによって、より“身近な存在”であるように感じてしまいます。

 

実際に会った方とのふれあいが投稿されていたり・・・

 

撮影会を実施して、ファンの方々との交流があったり、ファンとの距離が非常に近いのです。
実際に会いに行ったり、撮影会に参加したりと、ソーシャルメディア上に加え、オフラインでの交流があるのが印象的です。

 

ちなみに、付いているコメントを見てみると年齢層の高い男性が多いのですが、それはこのキャラクターが持つ“セクシーさ”のせいであると思われます…。

また、ちょっと対照的に渋めのFacebookページといったところでは、京都のお寺「勝林寺」が特徴的でしょうか。

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投稿の内容は、座禅や写経などの一般体験の情報に加え、境内に咲いた花の紹介といったように季節を感じさせる記事が多く投稿されています。

 

こういった投稿には、いいね!が2000以上ついており、ファンの方々にとって関心の高い情報であることが伺えます。

 

また、季節を感じさせる境内の花も、お寺という世界観にマッチしており、とても心が洗われます。ちなみに、この投稿は1000を越えるいいね!を獲得しています。

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このページの最もエンゲージメントが高い年齢層は、45-54才となっていて、ターゲットとなる年齢層と投稿の内容が絶妙にマッチしていると考えられます。
季節や時間の流れを感じさせる記事が、年齢層の高い方々に受け入れられているという、他にはあまりないとても特徴的なFacebookページであると言えます。

キーワードは「等身大」…行ける、会える、身近に感じる

いくつかご紹介してきたFacebookページは、一般的な知名度は決して高いとは言えませんが、いずれも投稿ごとにファンからの反応が良く、エンゲージメントが高いものばかりでした。
なぜ、ここまでのエンゲージメントを生み出すことができたのか、それはいずれも「等身大」の運用をしているからであると考えられます。

「等身大」を感じさせる要素にはいくつかあると言えますが、上でご紹介した事例から考えられるものはこんな感じでしょうか。

①実際に行ける
本当に行くかどうかは別にして、行こうと思えば行けるということを感じさせることが重要だと思っています。
ファン自身の行動範囲や日常の延長線上にその存在を感じてもらうことで、距離がぐっと縮まります。

②実際に会える
これも場所に近い考え方ではありますが、実際に会える存在であることを印象付けることです。
情報の発信主体に「会える」という印象を与えることによって、知り合いの一人であるかのように実在することを強く感じさせます。

③時間の流れ共有する
1日の時間、1週間の時間、季節の話題など、発信側と受け取る側で、同じ時間や同じ季節を共有することで、身近な存在であることを強く印象付けられます。
①②と結び付けることで、時間と場所、時間と人といったように、さらにリアルな存在になることも可能ではないかと思います。

このように書いてきてふと思ったのが、「会いに行けるアイドル」という触れ込みだった某アイドルグループです。会いに行けるという「親近感」によって、ファンの思い入れが強まっていくという流れは、同じことなのかもしれません。「親近感」を与えるために、「等身大」であることは、非常に重要なポイントだと思っています。

ソーシャルメディアの運用に行き詰まっている担当者の方には、キレイに表面だけを取り繕うのではなく、「等身大」のコミュニケーションというのを意識してみることで、お客様との距離がぐっと縮まるはずです。
そして、その距離は企業ごとにちょっとずつ異なっているはずです。新たなソーシャルメディアの取り組みとして、その絶妙な距離感を探ってみてはいかがでしょうか。

アクトゼロ / 山田