夏のキャンペーンでひと波乱!?Facebook Graph APIの仕様変更

みなさん、こんにちは。アクトゼロのプランナーズブログ、木曜日は山田がお届けします。

以前と比較して、Web上でのキャンペーンが、自社の用意したキャンペーンサイトだけではなく、Facebookページ内に設置されたり、自社サイトであったとしても、参加者のFacebookアカウントを利用したりするケースなど、SNSアカウントを利用して参加するものが増えてきています。
簡単な動作でキャンペーンに参加できるというのが参加者の大きなメリットですが、キャンペーンを実施する企業側としては、外部のサービスを利用する点から、その仕様変更によって使えなくなる可能性がデメリットとして存在しています。
そういった点から、開発を進めていたものの、途中で仕様が変更されてしまったために、再度作り直しなんてこともしばしば起こっています。

そういった状況の中、先月、Facebookのアプリ作成(開発)に関わる、大きな仕様変更が適用されました。

Facebookのアプリが変わった

今回の仕様変更で大きく変わったのは、Facebookアプリ側で取得できるユーザー情報と、アプリによる投稿権限に関する部分になります。

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まず、取得できる情報については、初期に許可される情報が一部に限定されるようになりました。初期に取得を許可されているのは、公開プロフィールとメールアドレス、そして、友達リストになります。
これ以上の情報を取得する際には、アプリの申請を行いFacebookから承認を受ける必要があります。これには、取得する情報を必要なものだけに絞って、あらゆるユーザー情報を取得しようとする一部のデベロッパーをけん制する狙いがあるように思います。

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そして、キャンペーンアプリの多くが採用している、連携を許可したユーザーのタイムライン上にアプリから投稿を行う部分も、今回から承認が必要になっています。
これも、「スパム」として利用可能なアプリから、ユーザーのタイムラインへ勝手に投稿するアクションを、コントロールしようという意図を感じさせます。

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申請の方法は、各アプリページ内になる「Status & Review」といメニュー上から申請を行うことができます。
申請の必要がない「公開プロフィール」等は、すでに「Approved Items」と利用できる状況で、下部にある「Submit Items for Approval」のところから必要に応じて申請を行います。

今回の仕様変更で理解しておかなければならないこと

このように、利用者の情報を守るという事と、スパム的に利用されてしまうタイムラインへの投稿を適正なものにしたいという、ユーザーからすると非常に歓迎すべきアップデートになっています。
ただ、アプリのデベロッパーからすると、申請というフローができたことによる「手間」が発生してしまうことは、若干面倒に感じてしまう部分かもしれません。

こういったFacebookの仕様変更によって、それを利用する企業として考えなければならない点が、2つあると言えます。

1.Facebookから得られる個人情報の扱い
これまでは、推奨されることではありませんが、キャンペーンでFaceookアカウントと連携させる際に、実際には必要のないユーザー情報を取得するケースが少なくありませんでした。
しかし、今後は、取得するデータの正当性を明示することは必要不可欠であり、関係ない情報の取得は控えなければりません。

2.タイムラインへの投稿は、本当にユーザーが投稿したいものに
この仕様変更によって、タイムラインへの投稿の重みが以前よりも増したと言えます。そのため、タイムラインに投稿してもらう施策を、ユーザーの視点に立って考えることが重要になってきます。
とにかくタイムライン上にシェアさえしてもらえばよいというスタンスではなく、これだったらシェアしてもユーザーにメリットがあると思わせることを意識しなければなりません。

この仕様変更によって、Facebookを活用した企業キャンペーンが、大きな局面に差し掛かっているのではないかと個人的には感じています。
いくつかのフォーマットに分類されつつあったFacebookキャンペーンのあり方が、再定義される可能性が高くなったと思われます。

また同時に、キャンペーンのスケジュールもFacebookの審査を考慮する必要が出てきました。
あらかじめ審査に掛かる時間を考慮してスケジューリングをしなければなりません。

積極的にFacebookを活用する企業にとって、今回の仕様変更による影響は小さくありません。
今一度、キャンペーンのありかたを見直す、いい時期にきているのかもしれません。

アクトゼロ / 山田