Facebookが動画マーケティングの新たな役割を担う…か?

みなさん、こんにちは。アクトゼロのプランナーズブログ、木曜日は山田がお届けします。

昨日、Facebookが日本を含む複数の国(オーストラリア、ブラジル、カナダ、フランス、ドイツ、英国)を対象に、動画広告機能をリリースするとの発表を行いました。
正式には「プレミアムビデオ広告」という名前で、まずは一部の広告主を対象に開始されるようになります。

この動画広告機能は、Facebook上での新たな広告の形として、とても重要な機能ではあるのですが、この動画広告と同時に「ビデオマトリックス」という興味深い機能も発表されています。
多くの企業にとって関係のあるという意味では、この「ビデオマトリックス」は注目すべき機能で、今後の動画マーケティングにおいて、新たな効果測定の仕組みとして活用できそうなのです。
というわけで、今回はFacebookの動画周りの新たな機能を取り上げてみたいと思います。

プレミアムビデオ広告

「プレミアムビデオ広告」はFacebookのニュースフィード上で展開できる動画広告のことで、先行して米国では始まっていたサービスです。
ユーザーが自身のニュースフィード上を閲覧している際に、友達やFacebookページの記事に混じって広告動画が表示されるされるものになっています。

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表示に関しては、ニュースフィード上での一般動画の扱いと同じように、スクロースしていく中で、動画を含む記事が画面内に表示されると再生が始まり、さらにスクロールして画面の外に出てしまうと再生がストップされる形を取っています。動画が勝手に再生されても、音声はミュートされた状態となっており、動画をタップ(クリック)することで音声が再生されます。

現状では、全てのユーザーが利用できるものではなく、一部の広告主を対象として、今後数か月以内に配信が開始されるとアナウンスされています。

ビデオマトリックス

そして、個人的に注目しているのが、「ビデオマトリックス」という新しい機能です。これは、言わばFacebookページ“インサイト”の動画版といったところでしょうか。
平易に表現すると、Facebook上で投稿したビデオの効果測定を行うためのツール、という事になります。

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具体的にどういったデータを見ることができるかと言うと…

・総視聴回数
・ユニーク視聴数
・平均の視聴時間
・オーディエンスのリテンション
(再生時間ごとの再生回数)

といった点で、これまでの再生回数程度しか分からないものと比べると、とても充実した印象を受けます。

この「ビデオマトリックス」、有料の動画配信(プレミアムビデオ広告)だけでなく、全てのページに適用されます。
そういった点から、上記のプレビューイメージを見てお分かりいただける通り、ページインサイトと同じように数値上「オーガニック」と「有料」というカテゴリが設けられています。
こちらは、今後数週間かけて、全てのページに適用されるようです。

Facebookも動画マーケティングの新たな手段に

「プレミアムビデオ広告」によって、動画を訴求する新たな媒体として、Facebookの存在は無視できない存在になるのではないかと感じています。
これまでは、YouTubeや各種動画メディアといったところが、動画広告の主要な配信先でしたが、多くのユーザーが利用しているFacebookで、しかも最も目にするであろうニュースフィードが加わったことで、動画に接触する機会が増大することが予想されます。
また、Facebook広告の大きな特徴である、細かなターゲット設定も使えることで、より細分化されたユーザーに対して動画の視聴を促すことも可能になります。

一方、「ビデオマトリックス」、YouTubeのアナリティクスのデータと比較できるようになり、動画サービス上の視聴の傾向と、ソーシャルメディア上での視聴の傾向を比較出来るようになります。サービスによる動画消費傾向を比較することによって、動画の最適化を図り、さらに効果的なクリエイティブを行う流れも現実味を帯びてきました。

Facebookが強力に推進する動画関連の新しい取り組み、特に広告に関して、実際にどれくらいの効果を生み出すのかは、使ってみないことには分からないのではないかと思います。
しかし、広告に限らず、Facebook上で動画コンテンツの消費が活発になることによって、これまでとは違った動画を活用したアプローチを行える可能性が出てきたと考えられます。
企業の動画活用において、Facebookがどういった存在になっていくのか、非常に注目されます。

アクトゼロ / 山田