「健全な家族」とはなにか、Honey Maidが問いかけるバイラル動画キャンペーン

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金曜日のプランナーズブログをお送りします。アクトゼロの黒沼(@torukuronuma)です。

今日は、全粒粉を使ったクラッカーやビスケットで有名な老舗メーカーHoney Maidが行った、動画キャンペーンについてお送りします。

Honey Maidブランドは、人工的に精製された甘味料を使わずに蜂蜜を使った自然な甘みと、小麦を丸ごとすりつぶした全粒粉(いわゆるグラハム粉)を使ったスナックのブランドで、健康的な子どものおやつとして選ばれるブランドです。そのHoney Maidが、あるCMを放映し話題となりました。こんなCMです。

This is Wholesomeキャンペーン

Wholesomeという言葉には、「健康的である、体にいい」という意味合いに加えて、「道徳的な健全さ」も含んでいます。CMでは様々な家族が数秒おきに描かれますが、登場するのはこれまでCMで描かれることの多かった「典型的(象徴的)家族」像とは違った家族の姿です。

ゲイカップルと養子のファミリー、白人と黒人の異人種間ファミリー、全身タトゥーのロックミュージシャンファミリー、軍で働く父を持つミリタリーファミリー、父親と息子のシングルファザーファミリー。CMの最後でナレーションはこう投げかけます。

「ハニーメイドの健康的なスナックを、すべての健全な家族へ」

様々な家族のありかたを追ったドキュメンタリー動画を公開

CMの公開と同時期に、Honey Maidは登場した家族の短いドキュメンタリーをYouTube上で公開していきます。

「典型的」ではない彼らが、現実に起きる困難さを家族のつながりで乗り越えていく姿を通して、「家族」のあり方の多様性を示しつつ、視聴者の偏見のフィルターを徐々に取り払っていきます。

拒絶反応の声、そしてアンサームービー

しかし、Honey Maidの主張をそのまま受け入れられないユーザーもいます。動画が公開されたYouTube上や、Twitterなどでのシェア時には、ネガティブなコメントが多く寄せられました。「あなた達のCMはひどい!あんな家族は全然”健全”じゃない」「受け入れられない!」と。それらの声に対応するように、Honey Maidはアンサームービーを用意します。

ムービーの中で批判的な声を紹介しつつ、その10倍の量寄せられたポジティブな声で批判的な声を包み込む「アート」を制作するのです。動画のラストで改めてHoney Maidは「家族にとって唯一本当に大切なものは…」と締めくくり、寄せられたコメントで構築された「Love」の文字が示されます。

Honey Maidは今回のキャンペーンを通して、自分たちの商品が「理想的なモデル家族」だけのものではなく、「愛」のある家族すべてのために作られているというメッセージを伝えています。消費者の「家族観」を再設定することで、消費者それぞれの意識を「自分たちの家族」へと向けることに成功し、多くの場合、家族の健康を気遣った上で選ばれる[Wholesome=健康的]な商品としてのHoney Maidのブランディングを成功させているのです。