YouTubeのバイラル動画からLPに誘引する”外部アノテーション” ~AUTOWAY・いきなりBANの事例から

激安タイヤ・ホイールの通販サイトを展開するAUTOWAYのキャンペーンYouTube動画・サイト、もうご覧になられましたか?初音ミク的なBGMの流れる、ワンルームマンションの室内からニコニコ生中継(と思われる)を行っている、可愛い生主(中継主)の女の子。画面上の視聴者の書き込みとやり取りをしながら、水着に着替えるリクエストに応えるためにカメラの前から姿を外した途端、いきなり大音量で自動車がマンションに突っ込んでくる! 

この動画はYouTubeで「【放送事故】生配信中に・・・いきなりBAN」というタイトルで投稿されています。BANとは、不正行為を行ったアカウントを運営側が凍結・アクセス/投稿禁止にする意味のネット用語です。ネットの文脈を読み取れる視聴者に対し、暗に、”ニコ生でBANされた瞬間(動画を見始めた視聴者には、水着姿がNGだったのかな?と予感させる)の動画を誰かがアップロードしたんだな”と思い込ませます。結果的には、”いきなりBAN”を”突然のタイヤのバースト”で部屋に突っ込んできた自動車に掛けた、というのがオチ。

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ネットユーザーの心理を巧みに突いた演出である点、そして意外性のあるオチである点が非常に良くできた動画であるといえるでしょう。多くのwebニュースサイトでも取り上げられ、広くバイラルする結果になりました。更に、YouTubeから該当の動画が規約違反で一旦消された(BANされた)という後日談まであります。

動画視聴後はLPへ誘導しています。LPでも、ニコ生に親しみのあるネットユーザーを意識して、動画中に出演したニコ生主を二次元化させた可愛らしいイラストによるデザインとなっています。このイラストもネットで人気の高い絵師によるものだとか。

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http://www.autoway.jp/cp/ban/

LPに誘導するために、動画のラストに「アノテーション」と呼ばれる、再生画面上に貼るリンクボタンを設けています。これにより、スムーズに視聴者はLPに移動することができます。

20140409_03このアノテーションは、YouTube上の動画やチャンネルの他、条件と準備が必要ですが、YouTube外部のウェブサイトにも設定することができます。外部のウェブサイトにアノテーションを貼ることを、「外部アノテーション」と呼びます。

外部アノテーションを設定する

この外部アノテーション、どこのURLにも貼れるという訳ではありません。YouTubeチャンネルに事前に登録したURL(と、そのURL下に設置したページ)のみが有効になります。URLとYouTubeチャンネルの関連付けには以下のものが必要になります。

・SMSを受信できる携帯電話
・指定したいURLにファイルをアップロードできる環境

まずは外部アノテーションを設定するYouTubeページのアカウントが、YouTubeパートナー登録を済ませていなければなりません。YouTubeの設定画面「チャンネル設定」から、パートナー登録を済ませます。この認証を行うには、YouTubeから送信されるSMS中に記されたパスコードが必要になるので、SMSを受信できる携帯電話が必要になります。一つの電話番号で、年間2回までしかこの認証に使えないので注意が必要です。

続いて、「チャンネル設定」の「詳細設定」から、外部アノテーションを貼りたいURLを「関連付けられているウェブサイト」の項目で登録します。

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登録後、ウェブサイトがアカウント所有者の管理下にあるかどうかの認証確認を行います。YouTubeが発行するHTMLファイルを、FTPによってアップロードして確認します。自社のキャンペーンで使うのならすぐにFTPのログイン情報は入手できると思いますが、クライアントのプロジェクトの場合などには、事前に入手する必要があります。

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無事に確認できると、「関連付けられているウェブサイト」の表示が、確認済みになります。

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動画の編集で、アノテーションのタブを選択すると、外部アノテーションリンクの使用を有効にするためのボタンが表示されるので、押して有効化します。

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アノテーションの編集画面では、時間軸に沿ってアノテーションを表示させるタイミングなどを設定することができます。リンクのタブ中に、「関連付けられているウェブサイト」が追加されているので、そちらを選択してURLを入力すれば、外部アノテーションリンクを設定することができます。

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動画の冒頭20秒間に、弊社のサイトトップに誘導させるための外部アノテーションを設定してみました。

このように、事前の設定と準備が必要で、一つのURLだけではありますが、外部アノテーションによって、YouTubeの動画からウェブサイトへ視聴者を誘引することが可能です。YouTube動画を用いたキャンペーンの場合、LPに誘引することで、購買や会員登録等のコンバージョンを期待することができます。